第275回:新型レクサスLS460海外試乗
なぜだろう? ジーコ・ジャパンとイメージが重なってしまったオレ(前編)(小沢コージ)

2006.08.18 エッセイ

第275回:新型レクサスLS460海外試乗なぜだろう? ジーコ・ジャパンとイメージが重なってしまったオレ(前編)

試乗会は、オーストリア・ザルツブルグで開かれた。
4.6リッターV8直噴エンジン
メルセデスを追い越せ(!?)と投入された世界初を謳う8段オートマチック。

■ライバルたちとは異なる“新レクサスワールド”

やっと乗ってきました。今年一番の大物新車、レクサスLS460! トップ・オブ・トヨタ、セルシオの“レクサスブランド移籍版”であり、なによりも昨年8月に日本で始まったレクサスカーの頂点。イメージリーダーであり、まさしく“4番バッター”であります。
今まで出たGSやISがサッカーで言うアジア予選とすると、LSはまさにワールドカップ。その真価が問われる時……。

そこで率直な感想を一言。LSを見て、ちょっとジーコ・ジャパンを思い出してしまいました。ハッキリ言って出来はとってもいいんだけど、前評判が高すぎたという。うーん、もったいない!

乗った直後、オレは素直に感動したのね。まずはハンドリングの良さ。新型レクサスはほぼ全面的にエアサス使用で、独特の浮遊感というか、ショックの遮断性があるわけだけど、にもかかわらずステアリングフィールはかなり濃い。スポーツカーに近いものすら感じる。
それは現行モデルとはまったく違っていて、これにより、路面を走ってる実感は薄いんだけど、路面を切っている感じは明確にあるという、ライバルのドイツ車たちとは異なる、雲の上を飛ぶような“新レクサスワールド”を醸し出しております。

加えて、高張力鋼板を多用したせいか、非常にボディが軽い感じがする。個人的にはルーフにプラスティック素材を使ったBMW M6を思い出してしまいました。
と同時に新開発の直噴4.6リッターV8エンジンは非常に快楽主義的で、独特のコォォォォォ! という音とともに伸びやかに進む。

もう一つの売りである8段ATも驚くほどショックが少なく、常に最適のギアを選んでいるよう。特にその忙しいはずの存在をほとんど気づかせない点は凄い。
もっと言うとシートの出来もかなり良く、国産車にありがちな柔らかすぎて腰が痛くなるようなところはなかった。体全体を支えてくれる感じ。

デザインもオレが勝手に“あぶり出し”と呼んでる、レクサスならではの止まっている時には気づかないけど、走り出すとさまざまな角度の光線により、陰影が浮かび上がってくる造形で、さすがは和のテイスト。面が非常にきめ細かく作り込まれているのがわかる。単純に美しいと思いました。

ただね……。(後編へつづく)

(文と写真=小沢コージ/2006年8月)

この記事の大きな画像を見るためには、画像ギャラリーをご覧ください。

小沢 コージ

小沢 コージ

神奈川県横浜市出身。某私立大学を卒業し、某自動車メーカーに就職。半年後に辞め、自動車専門誌『NAVI』の編集部員を経て、現在フリーの自動車ジャーナリストとして活躍中。ロンドン五輪で好成績をあげた「トビウオジャパン」27人が語る『つながる心 ひとりじゃない、チームだから戦えた』(集英社)に携わる。 ホームページ:『小沢コージでDON!』