「フィット」の弟分? 「ホンダ・モンパルML200」試乗(前編:ライバルとはちょっと違う)

2006.08.17 自動車ニュース
「フィット」の弟分? 「ホンダ・モンパルML200」試乗(前編:ライバルとはちょっと違う)

「フィット」の弟分? 「ホンダ・モンパルML200」試乗(前編:ライバルとはちょっと違う)

2006年8月7日、東京は青山の本田技研工業本社にて、電動車いす「ホンダ・モンパルML200」の体験会が開かれた。ベストセラー「フィット」のデザイナーが手がけたという最新の福祉車両は、いったいどんな製品なのか?


やはりこのデザインは気になる? 通りがかりの女性に話かけられる、デザイン担当の山岸政彦氏。フィットのチーフデザイナーとしても知られる。

「フィット」の弟分? 「ホンダ・モンパルML200」試乗(前編:ライバルとはちょっと違う)

■お年寄り向け製品にも「機能美」を

「電動車いす」とは、その名のとおり「モーターで動く自走式車いす」のこと。主にお年寄りが歩道で運転している乗り物、といえばわかるだろうか。

その最新型「モンパルML200」は、ホンダの大ヒット小型車「フィット」のデザイナーによる未来的なデザインが特徴。ボディカラーも鮮やかな赤や緑で、「カッコいい」という声が試乗会場のマスコミやジャーナリストから聞かれるほど、今までの地味めな福祉車両とは違うのだ。


地方では、未舗装路で使われることが多いという電動車いす。サイクルフェンダーの弱点である「泥つまり」の対策として、後端に“カンナ穴”を設けたのは、耕うん機も手がけるホンダならではのアイデア。
ホイールキャップは反射材を備え、タイヤにはスポンジ状の「ウレタンフォーム」が詰まる。パンクとは無縁だ。

「フィット」の弟分? 「ホンダ・モンパルML200」試乗(前編:ライバルとはちょっと違う)

しかし、この垢抜けたデザインには、しっかりとした技術的根拠があるという。

スラリと上に伸びるボディとそれにハイマウントされたランプやウィンカーは、電動車いすでもっとも危惧される「クルマとの衝突事故」の予防策であり、多くのライバルより1割もスリムな595mmの車幅は、「歩道で邪魔者になりたくない」というお年寄りの気持ちを反映したものという。

さらに、自転車のように車体から独立した「サイクルフェンダー」を備える前輪は、「電動車いす」では前例のないもの。タイヤの動きがよく見えるから、進む方向を理解しやすいし、細道における脱輪の心配も少ない。


「1段=1km/h」の6速ダイヤルで、あらかじめ最高速度を決めてから走り出す。最高が6km/hなのは、「電動車いす」の法定速度(!)だから。「ビジネスマンの早歩き」と同程度のスピードだ。

「フィット」の弟分? 「ホンダ・モンパルML200」試乗(前編:ライバルとはちょっと違う)

■初めてでもすぐ乗りこなせる

操作系にも細かな気遣いが行き届く。ボタンやパネルの表示は全部“でか字”、体に触れる部分はエルゴノミクスデザインで操作しやすい。そのおかげか、「モンパルML200」に初めて触れた誰もが、試乗会場ですぐに乗りこなせていたのは印象的だった。

ホンダは、1999年に先代「モンパルML100」を発売して以来、1000人を超える「電動車いす」の運転指導員を育成しており、運転講習会を開くなどソフト面でのサポートにも力を注いできた。現場からのフィードバックとして、例えば「アクセルを急全開すると自動停止する」など、お年寄りにありがちな“パニック操作”への対応にも抜かりがない。

だが、それほどの製品を用意してもなお、開発メンバーには心配の種が残されているという。その心配とは……。
(動画付きの後編につづく)

(webCG 関)

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