【SUPER GT 2006】第5戦SUGO、お待たせ! No.1 ZENT セルモ SCが今季初勝利

2006.07.24 自動車ニュース

【SUPER GT 2006】第5戦SUGO、お待たせ! No.1 ZENT セルモ SCが今季初勝利

「これまで勝てるチャンスがあったのに、トラブルや自分たちの失敗で逃していた。今回はみんながきっちりやることを目標にしていました。その結果の勝利です」。
満面の笑みで勝利を喜んだのは、No.1 ZENT セルモ SCのエースドライバー、立川祐路。高木虎之介と組んで2シーズン目、ディフェンディングチャンピオンがついに勝った。

夏休み最初の週末となった2006年7月23日、スーパーGT第5戦が宮城県・スポーツランドSUGOで行われた。
5万人を超える観客で盛り上がるなか、No.1 SCが今季初優勝した。終盤まで攻防戦を展開したNo.23 XANAVI NISMO Z(本山哲/松田次生組)が2位、No.22 MOTUL AUTECH Z(ミハエル・クルム/リチャード・ライアン組)が3位で続いた。

GT300クラスでは、最後の最後まで接近戦となったが、No.46吉兆宝山DIREZZA Z(佐々木孝太/番場琢組)が僅差で初優勝した。


シーズン半ばにきてようやく1勝目を手に入れたNo.1 ZENT セルモ SC。ドライバーの立川祐路・高木虎之介は、チャンピオンシップで1位伊藤 大輔・ラルフ・ファーマンの6点ビハインド、2位についている。(写真=トヨタ自動車)

■延びに延びた公式予選

今回は、練習走行日にあたる金曜日から天候が安定せず、予選日も雨もしくは霧に悩まされた。通常、1時間で終了する午前中の予選も、コースアウトや霧のために赤旗中断の連続。2時間超のセッションとなった。

そのなかでコンスタントにトップタイムを刻んだのがNo.32 EPSON NSX(ロイック・デュバル/武藤英紀組)。No.12カルソニックインパルZ(ブノワ・トレルイエ/星野一樹組)と0.972秒の差で暫定トップにつけた。

■スーパーラップ、No.1 SCの真骨頂

雨は止んだものの、コース上の一部が濡れたなかで始まったスーパーラップ(SL)。暫定10位からスタートするワンラップアタックは、路面コンディションを睨みながらの走行となった。
一発逆転を狙ってスリックタイヤを装着するマシンもあったが、逆にタイヤを滑らせタイムロス、あるいはウォームアップ中にスピンをきっし、アタックのチャンスを棒に振るハメに。結果的にレインタイヤを装着したマシンが上位タイムをマークした。

なかでもNo.1 SCを駆る立川の速さは別格だった。ライバル勢は1分23〜24秒台でポジションを争っていたが、8番目(予選1回目3位)に登場した立川は、レインタイヤで1分21秒823という驚異的なタイムで堂々とトップに浮上した。

次にコースインしたNo.12 Zは、トレルイエがスリックでアタック。が、足もとが安定せず大きくコースアウト。計測は完了したがフロントロー獲得の夢は潰えた。
そして、ラストアタッカーのNo.32 NSXはレインタイヤで出走。No.1から1.154秒遅れのタイムで2位に甘んじた。SL直前の予選2回目でスピンし、リアフェンダーを少し損傷させていたデュバルにとって、やや心にブレーキがかかるアタックになったのかもしれない。

なおGT300では、タイヤと路面コンディションを味方につけたNo.88アクティオムルシェRG-1(マルコ・アピチェラ/桧井保孝組)が初のポールポジション(PP)を獲得した。


No.32 EPSON NSX(ロイック・デュバル/武藤英紀組)は、予選2位からスタート。序盤の接触でペナルティを受け後退、結果NSX勢最高位の5位でフィニッシュした。(写真=本田技研工業)

■No.1 SC、スタート序盤からレースをリード

決勝日になってようやく日が差し込む天候が戻ってきたSUGO。オープニングラップからNo.1 SCが頭ひとつ飛び出して81周の闘いがスタートした。
トップ2台はグリッド順のまま、3番手にNo.23 Zが浮上してトヨタ、ホンダ、ニッサンの各メーカーが三つ巴のトップ争いを展開する。

第3戦富士ではPPを獲りながらマシントラブルでドライブすることなくリタイアに終わったリベンジとばかり、立川は最前列からの勝利に執念を燃やした。34周を終え、高木からステアリングを受け取った後は逃げの態勢に持ち込もうとする。

一方、その後方ではまずNo.23 ZがNo.32 NSXを料理してからピットイン。トップ3台中、No.32 NSXが最後のピットインとなったが、序盤にGT300マシンとの接触があり、のちにドライブスルーペナルティを科せられ、順位を落とした。

■No.23 Z、ピットワークでトップを奪取

No.23 Zはピットインの際、入り口近くでスロー走行していた他車に行く手を遮られ、ややタイムロス。だがピット作業時間はNo.1のそれを上回り、No.1の前でコースへと復帰する。
2台は1秒を切る僅差で攻防戦を再開。No.23 Zの本山は巧みにNo.1 SCの立川をけん制し、ストレートで並走する立川の行く手をシャットアウト。その先30周にわたってNo.1 SCによる追走劇が展開された。

互いに遜色ないタイムで周回を重ねていたトップ争いは、周回遅れのマシンによって幕引きを迎える。72周目の最終コーナーのアウト側、前を走るGT300のマシンに行く手を遮られたNo.23 Zに対し、No.1 SCはイン側のラインを取って逆転! 先を読んだNo.1の好判断が功を奏し、再びトップに立った。

残り10周、勢いを取り戻したNo.1に対し、すでにタイヤを酷使していたNo.23はその後ペースを上げることができず、2位キープにスイッチ。No.1 SCが念願の今季初優勝を果たし、No.23 Zは開幕戦以来の2位を獲得した。
3位には、終始安定した速さを武器に、ポジションアップを見せたNo.22 MOTUL AUTECH Z(ミハエル・クルム/リチャード・ライアン組)が入った。

■GT300はゴール直前まで僅差の攻防戦に!

GT300クラス予選5位スタートのNo.46 Z。ドライバーの佐々木孝太がオープニングラップで3位、2周目にはクラストップを奪う。
トップ争いにいたNo.88は次第にペースダウン、No.96も追走する後続車との接触で後退。折り返しを前に、No.46の後ろには予選11位からジャンプアップしたNo.13エンドレスアドバンCCI Z(影山正美/藤井誠暢組)が浮上した。

ドライバー交代のルーティンワークが終わってもトップ2台は不変だったが、その後方では大きくポジションが入れかわる。
残り20周を切る頃には予選2番手のNo.2 Privee Zurich・アップル・紫電(高橋一穂/加藤寛規組)が3位までポジションを挽回。終盤にかけ、このトップ3台が差を詰めて攻防戦を展開し、まさに一触即発状態。最終コーナーを登り切った3台はフィニッシュライン目指して横一線で壮絶な闘いを繰り広げたが、No.46が頭ひとつ抜け出してフィニッシュ! No.13、No.2のオーダーでレースを終えた。

なお、今回“トランスアクスル方式シンメトリカルAWD”でのデビューを果たしたNo.77クスコスバルADVANインプレッサ。予選1回目でSLの出場を決めながらも、ギアトラブル発生でアタックならず。決勝もギア関係の問題で完走を果たすことができずに終わっている。

■第6戦はシリーズ天王山、初の1000kmレース

次なる闘いの舞台は今シーズン2度目となる鈴鹿サーキット。8月の暑い闘いでは、スーパーGT初の1000kmレースとなる。歴史ある「鈴鹿1000km」だが、スーパーGTの前身JGTC(全日本GT選手権)を含め、シリーズ戦に組み込まれたのは今回が初めてのこと。
夜間走行を含む闘いは厳しい一戦になること必至。チームによっては3人目のドライバーを投入する可能性も高い。シリーズ戦ながらいつもとは違った展開に注目だ。

(文=島村元子)

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