ヨーロッパで大人気の簡易カーナビ「PND」で見つけた“クルマ好き御用達”の住宅街

2006.07.15 自動車ニュース

ヨーロッパで大人気の簡易カーナビ「PND」で見つけた“クルマ好き御用達”の住宅街

いまヨーロッパでカーナビといえば「PND」。取り付けカンタン、価格も手頃な簡易カーナビを使って、イタリア在住大矢アキオが“ヘンな住宅街”を見つけた。

■躾のいいカーナビ

欧州でブレイク中のカーナビ=PND(パーソナル・ナビゲーション・ドライブ)市場に、わがソニーが「nav-u」を投入した。


アレーゼにあるアルファ・ロメオ通りとG.ルラーギ通り。

現在発売中の『カーナビ&オーディオの達人 2006 夏号』に、ボクはその「nav-u」に導かれながら旅した伊・仏・スイス1800km旅行について執筆している。

強豪が待つヨーロッパに独り切り込んでいった中田英寿のような「nav-u」。その性能と使い勝手は本誌をご覧いただくことにして、実はひとつ気に入ったことがある。
「言葉が丁寧なこと」だ。

伊語でも仏語でもドイツ語でも、友達と話すときの「親称」と、目上の人に話すに用いる「敬称」が厳全と存在する。
実はナビの世界では、メーカー純正ナビでさえ、親称で、「道に沿って!」のことが多い。とくに伊語はそうだ。

にもかかわらず、「nav-u」はちゃんと「道に沿ってください」という、丁寧な言い回しをするのだ。

イタリア人などは、「親称のほうがアミーコ(友人)感覚でよい」という向きも多いようだが、日本人としては躾のよいナビのほうが気持ちいいのは確かだ。


アルファ・ロメオのアレーゼ・オフィス。

■伝説のドライバー名が……

ところで多くの方がご存知のとおり、ヨーロッパでは「○○町×丁目」ではなく、「△通り×番」もしくは「△広場×番」が目的地に辿りつく手がかりとなる。

カーナビの目的地検索も同じように入力していく。また通常の画面にも、今通っている道の名前が刻々と表示される。時には、何気なく通っている道が、意外な通り名であることに気づく。

その好例がアレーゼにあった。泣く子も黙るアルファ・ロメオの“聖地”である。
まず、アルファ・ロメオのオフィス・ビルの前を走る道は、ジュゼッペ・ルラーギ通りという。1960年から74年までアルファ・ロメオ会長として、イタリア南部工業化と製品レンジ拡大を狙ったアルファスッド計画を導いた人物である。


一見、何気ない閑静な住宅街だが……。

ロータリーをはさんで続く道、ずばり「アルファ・ロメオ通り」で、ムゼオ(博物館)の入口もそこから伸びている。

ただし、ここまでだと、豊田市トヨタ町1番地や池田市ダイハツ町1番1号という強敵がいる。そんなことを考えて、カーナビの画面をふと見ると、とんでもない通り名が同じアレーゼにあった。
伝説のアルファ・ドライバーの名を冠した「ヌヴォラーリ通り」である。

さらに驚いた。並行するのは、「アキッレ・ヴァルツィ通り」、交差するのは、「エンツォ・フェラーリ通り」ではないか。

面白いのは、何の変哲もない住宅街のなかの道であることだ。
周辺の建物からして、高度成長期にいきなり新興住宅地を造った→通り名をつける必要が生じた→といって、あやかるような古代・中世からの事物・人物がない→そうだ、アルファ・ロメオがあった、という経緯を辿ったのだろう。
その証拠に、周辺には「平和通り」といった、ネーミング担当者がネタ切れしたことが明らかな名称もある。


ディスプレイを見てびっくり。ヌヴォラーリ通りだった!

ヌヴォラーリ通りといい、ヴァルツィ通りといい、そしてエンツォ通りといい、もし日本に存在したら暴徒化した?エンスージアストによって奪い合い・地価上昇間違いなしの街区だ。

少し走るとあの名門カロッツェリア「ザガート」もある。しかし、当の住人たちは特に気にすることなく、平然と犬の散歩をしているところが、これまた痛快である。

欧州のカーナビは、日本のもののような目を見張るグラフィックはない。しかし、面白い通り名を発見できるという、効用がある。凡庸な道もバラ色に見てくるのだ。

(文と写真=大矢アキオ-Akio Lorenzo OYA)

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http://www.webcg.net/WEBCG/news/000018376.html

『カーナビ&オーディオの達人 2006 夏号』
http://www.nigensha.co.jp/auto/bk_info.html?1111&INF=788

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