【FN 2006】第4戦鈴鹿、トレルイエ、完勝で今季2度目の美酒に酔う!

2006.07.10 自動車ニュース

【FN 2006】第4戦鈴鹿、トレルイエ、完勝で今季2度目の美酒に酔う!

曇天の空から、最後まで本格的な雨は落ちることなく、自分の思うままレースをコントロールしたブノワ・トレルイエが、後続に9秒以上の差をつけチェッカードフラッグをくぐりぬけた。

2006年7月9日、全日本選手権フォーミュラ・ニッポン第4戦の決勝レースが、三重県・鈴鹿サーキットで開催された。不安定な天候のなか、51周のレースでトレルイエが完勝。2位にチームメイトの松田次生、3位には本山哲が続き、闘将・星野一義監督率いるインパル勢が表彰台を独占する結果となった。

■トレルイエ、自信をもってPP獲得

雨になるのかならないのか……。公式練習が行われた金曜日、翌日の予選の天候を気にかける声が多かったが、予選日の土曜日はいい意味で大方の読みを裏切り、蒸し暑いなかでタイムアタックが繰り広げられた。

午前10時を前に気温が30度を超えた予選1回目は、時間を経るにしたがって路面状態が向上した。終了10分前を目安に大半のドライバーがニュータイヤでアタックを開始。これより前にトップ3に立っていた本山哲、ブノワ・トレルイエ、松田次生の3人はアタックしたものの、3人とも僅差で自己ベスト更新ならず。逆に立川祐路の3番手浮上を許してしまった。

午後に入るとさらに気温が上昇。午後1時45分からの予選2回目には、気温は33度に上がり、路面温度に至っては午前比7度となる43度まで上がった。

コースインのタイミングを読みながら、本格的なアタックを前にまず、トレルイエが本山の暫定トップタイムを僅かに上回る。加えてこのあたりからニュータイヤを装着するマシンが増え、次々と自己ベストタイムを更新し始めた。

そんななか、最後のダメ押しでトップタイムを叩き出したのがトレルイエ。1分45秒905のタイムをマーク、今季4戦目にして3度目のポールポジション獲得に成功した。2番手は、最後のアタックでロスタイムが響いた松田。0.149秒差に泣いた。3番手にはロニー・クインタレッリが今季自己ベストポジションで続いた。なお、F1から急きょフォーミュラ・ニッポンに復帰した井出有治は、11番手に留まった。

■好ダッシュでトレルイエがトップをキープ

決勝を前に、一時的な雨が降り、新たにフリー走行の時間が設けられた。今シーズン、勝敗の行方を左右し続けてきた雨がまたこの一戦も支配するのか……。だが結果的にこの心配は杞憂に終わった。途中、パラリと降った雨は短時間であがり、タイヤ交換が必要なまでの変化をもたらさなかった。

予定より25分遅れでスタートが切られ、PPのトレルイエが好スタート。その後方では3位クインタレッリにかわって、本山が浮上する。一方、7番手小暮卓史とF1にステップアップした山本左近の代役、4年ぶりの参戦を果たした荒聖治のふたりがエンジンストールをきっし、ほぼ最後尾へと下がった。

逃げるトレルイエに松田が食らいつき、本山がそれを追う……。序盤にできあがった3台の位置関係は、ライバルたちがレース折り返しを前に次々とピットインを始めても崩れることはなかった。

■1-2-3でひた走ったインパル勢

トップのトレルイエと3位本山が31周を終えてピットイン。2位松田はその次の周にピットへマシンを滑らせた。それぞれがベストなピット作業を見せ、ハプニングは起こらず。トレルイエは後続の松田との間にあった約3.5秒の差を守り切り、3人は変わらぬポジションから闘いを継続させた。

これとは対照的に各所では大小さまざまなトラブルが発生。5位だったクィンタレッリはエンジンブローでストップ、入賞圏内でバトルを続けていたビヨン・ビルドハイムはクラッチトラブルが発生。ともに戦線離脱を強いられるなど、最終的に9台のマシンがリタイヤという厳しい闘いだった。

トレルイエは終盤に入ってなお、後続の松田との差を広げようとペースアップ。ファステストラップをマークしながら周回を重ねていく。松田も引けを取らないスピードを見せて抵抗するが、コンマ数秒の差がいつしか1秒、2秒という数字に変わり、攻防戦へ持ち込めない。
さらに3番手本山に至っては、マシンの不具合を抱えながらの走行。前のふたりから大きく遅れをとり、逆に4番手に浮上していた立川がその差を詰めるほどだった。

エンジニアからペースダウンの指示を受けながらも、思いのままマシンをドライブしたトレルイエ。最後になってようやくペースをコントロールしたというが、文字通り完勝のレースに大満足。今季2度目の優勝ではあるが、雨に翻弄され、2周でレースを終えた開幕・富士での勝利とは格段違う喜びに酔いしれていた。
2位松田も2度目の2位。同じく富士では味わえなかったシャンパンファイトを堪能した。3位本山は、苦しい闘いの末、つかんだ結果に静かな笑顔を見せていた。

■奇襲作戦が功を奏したトムスの2台

前回、劇的な勝利を収めたアンドレ・ロッテラー。今回は予選で16番手に沈んだ。またチームメイトの土屋武士に至っては、予選12番手だったが、朝のフリー走行で壊れたエンジンの交換を行い、グリッドが10番降格。最後尾の22位スタートとなった。

ロッテラーはライバル勢を意識し、序盤でタイヤ交換を行ったが給油はせず。一方の土屋はノーピット作戦を遂行。持ち前のタイヤコントロールを駆使し、入賞圏内のチャンスにかけた。
結果、ロッテラーは5位入賞。土屋は終盤タイヤが厳しく、後続との壮絶なポジション争いの末、7位に。だが、トムスの仕掛けた作戦は、二人のドライバーに最善のリザルトを与えたといえる。

前半戦を終えたフォーミュラ・ニッポン。現在、トレルイエがポイントリーダーを堅持している。次戦はFN初開催となる、大分・オートポリスが舞台。アップダウンのあるコースレイアウトは攻め甲斐があるとドライバーにも好評のサーキットだ。初めての“オーポリ”ウィナーは誰になるのか? 好戦に期待したい。

(文=島村元子/写真=KLM Photographics J)

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スタートシーン。ポールポジションから優勝したNo.19 ブノワ・トレルイエ(mobilecast IMPUL/写真先頭)は、レース後の会見で「チャンピオンシップのライバルは、後方からのスタートなので、スーパーなスタートの必要はないと考えていた。確実なスタートをすることを心がけたよ」と語った通り、落ち着いて1コーナーに。

スタートシーン。ポールポジションから優勝したNo.19 ブノワ・トレルイエ(mobilecast IMPUL/写真先頭)は、レース後の会見で「チャンピオンシップのライバルは、後方からのスタートなので、スーパーなスタートの必要はないと考えていた。確実なスタートをすることを心がけたよ」と語った通り、落ち着いて1コーナーに。

速さに加え、強さも身についてきたトレルイエ。チャンピオンシップでも25点でトップ。ランキング2位のアンドレ・ロッテラーに11点の差をつけている。

速さに加え、強さも身についてきたトレルイエ。チャンピオンシップでも25点でトップ。ランキング2位のアンドレ・ロッテラーに11点の差をつけている。

序盤、テール・トゥ・ノーズで攻防戦を繰り広げたNo.20松田次生(mobilecast IMPUL/写真手前)とNo.1 本山哲(arting IMPUL/同奥)だったが、徐々に松田が本山を引き離し、順位は入れ替わらなかった。

序盤、テール・トゥ・ノーズで攻防戦を繰り広げたNo.20松田次生(mobilecast IMPUL/写真手前)とNo.1 本山哲(arting IMPUL/同奥)だったが、徐々に松田が本山を引き離し、順位は入れ替わらなかった。

F1へ旅立った山本左近の後任にKONDO RACINGの近藤真彦監督が選んだのは、2004年ルマン24時間耐久レースを制した荒聖治。フォーミュラ復帰は4年ぶり。チームとしては呼び戻したかたちとも言える。4年ぶりのスタンディング・スタートで、エンジンをストールさせ大きく出遅れた。10位完走。

F1へ旅立った山本左近の後任にKONDO RACINGの近藤真彦監督が選んだのは、2004年ルマン24時間耐久レースを制した荒聖治。フォーミュラ復帰は4年ぶり。チームとしては呼び戻したかたちとも言える。4年ぶりのスタンディング・スタートで、エンジンをストールさせ大きく出遅れた。10位完走。

スーパーライセンス剥奪という不本意な結果でF1を去らざるを得なかった井出有治がDoCoMo DANDELIONから復帰。契約が締結されたのは、レースウイークの水曜日だったという。予選は11番手と振るわなかったが、スタートでは4つポジションをあげ、6位まであげてピットインしたが、エンジンストールで順位を落とした。1周遅れの12位完走。

スーパーライセンス剥奪という不本意な結果でF1を去らざるを得なかった井出有治がDoCoMo DANDELIONから復帰。契約が締結されたのは、レースウイークの水曜日だったという。予選は11番手と振るわなかったが、スタートでは4つポジションをあげ、6位まであげてピットインしたが、エンジンストールで順位を落とした。1周遅れの12位完走。

ピットウォーク時には、フジテレビのF1放送20年目を記念して、2人乗りフォーミュラGP20が登場。お笑いコンビ「スピードワゴン」の井戸田潤を乗せ疾走した。マシン後方で見守る相方の小沢一敬(右端)もスタートするマシンのエンジン音にたまらず耳をふさぐ。

ピットウォーク時には、フジテレビのF1放送20年目を記念して、2人乗りフォーミュラGP20が登場。お笑いコンビ「スピードワゴン」の井戸田潤を乗せ疾走した。マシン後方で見守る相方の小沢一敬(右端)もスタートするマシンのエンジン音にたまらず耳をふさぐ。

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