“クルマの年輪”が醸すオーラ……「北海道クラシックカー・フェスティバル」

2006.07.06 自動車ニュース

“クルマの年輪”が醸すオーラ……「北海道クラシックカー・フェスティバル」

2006年7月2〜3日、北海道は赤平市のコミュニティー広場にて、「北海道クラシックカー・フェスティバル」が開催された。2006年で19回目を迎えたこのイベント、いわゆる“クラシックカーもの”とは一線を画す、赤平ならではの楽しさに溢れているという。別冊単行本編集室、伊東和彦のリポート。


【写真上】抜けるような晴天のもとで行われた第19回北海道クラシックカー・フェスティバル。会場は赤平市コミュニティー広場。会場脇の広場で、前日からキャンプする参加者の姿も少なくない。(写真=studio M's)
【写真下】軽自動車が並ぶ一画で見つけたごく初期の「N360」。丁寧に使い込まれてきた年輪がとても好ましかった。

■人とクルマの結びつき

北海道のほぼ真ん中に位置する赤平市で開催されている北海道クラシックカー・フェスティバルは、2006年で19回目を迎えるという長寿イベントだ。
赤平市はかつて炭坑で栄えた町だ。今日でこそ、観光地として名を馳せる富良野や美瑛の影に隠れた感もあるが、ある年齢までの人なら、小学校の教科書で夕張や幌内と並んで赤平が北海道の主要採炭地であったことを習っているはずだ。


2台の「ブルーバード」が並ぶ。どちらもいわゆるシングルナンバーだが、こうした例は少なくない。

19年前に地元のヒストリックカー好きの有志が音頭をとって初めたこのイベントは、回を重ねる毎に参加台数と入場者数が増え続け、北海道で最も大きなヒストリックカー・イベントとして成長した。


1953年「ダイハツSSR」。736ccの空冷単気筒エンジンを搭載した3輪トラックだ。ウィンドウスクリーンに、エンジンの指導方法を教えて欲しいと書かれていたが、あとで若いオーナーに聞いたところ、早速、参加者から伝授されたとのこと。

記者が、初めて北海道クラシックカー・フェスティバルに訪れたのは2001年のことだが、そのとき、関東地方のどのヒストリックカー・イベントでも体験したことのない熱気に衝撃を受けた。


2台のマツダ3輪トラック(1964年と67年)と、1970年「トヨエース」が並ぶ。

2001年7月のその日、前日から冷たい雨が降り続いていたにもかかわらず、開場を待つクルマと人が列を成していたのだ。ゲートが開くとますます人とクルマの数は増え続け、ナンバープレートを見ると、全道のあらゆる地域から参加していることが見て取れた。その盛況ぶりに記者が驚きの声を上げると、「この雨だからだいぶ少ないですよ」と、主催者側のひとりが言い放ったのには二の句が続かなかった。最も多かった年には、展示車台数が350台、前夜祭を含めた入場者数が1万3000人に達したという。


1962年「プリンス・マイラー」。プリンス自動車が製作したマイラーは、アメリカ風のグッド・デザインだった。今年は積算車に乗せられてやってきたが、来年は自走で参加するとのこと。

晴天の会場をひとまわりした記者の第一印象は、“働くクルマ”、あるいは“働き続けてきたクルマ”が多いことだ。関東地方のヒストリックカー・イベントといえば、綺麗にレストアされたクルマや華のあるスポーツカーに熱い視線が集まる。


スカイラインは赤平にも大挙して集まる。GTRの姿も少なくない。

もちろん『赤平』にもピカピカに輝く「スカイライン」や「レビン」も大挙して参加していることに変わりはないが、会場で目立つのはむしろ“働くクルマ”たちである。道具として長年にわたって使い込まれてきたクルマから発せられるオーラが、綺麗なクルマを圧倒していた。乗用車はもちろん、トラックを初めとした商用車に刻まれた年輪に、北海道におけるクルマ人との結びつきを感じた。


「ホンダ・ツインカム・クラブ北海道」のブース。どこのイベントに行ってもHTCCは活発だ。

今年の『赤平』は、いかにも北海道らしい清々しい天候のもとで開催され、ひと頃より少なくなったとはいうものの、300台ほどの参加車が集まり、2日の前夜祭と加えて2日間で1万人を超える入場者を数えた。

(別冊単行本編集室 伊東和彦)


初代カローラの前でのひとこま。年輩のオーナーが若い来場者になにやら説明している。


札幌のシングルナンバーを付けている「フォルクスワーゲン・ビートル」。塗装の日焼け具合といい、とてもよい雰囲気だった。


全国区のミニは輸入車の中でも最も多い。その中で見つけた1964年「ウーズレー・ホーネット」。


コミュニティー広場に常設展示されている採炭作業車。町の歴史を語る証人だ。

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