【ルマン2006】アウディの対抗馬、フランス系「ペスカローロ」と日本の関係

2006.06.16 自動車ニュース

【ルマン2006】アウディの対抗馬、フランス系「ペスカローロ」と日本の関係

2006年6月17日にスタートする第74回ルマン24時間耐久レース。大本命と目されるアウディは、ディーゼルエンジンを搭載したニューマシン「R10」で勝利を狙っているが、その対抗馬として名があがっているのがフランスのペスカローロ。オールフレンチで挑み、昨2005年2位になったチームだ。

今年、ペスカローロから参戦する6人のフランス人ドライバーのうち、現在、日本とのつながりを持つドライバーが2人いる。
ひとりはエリック・コマス。そしてもうひとりはフランク・モンタニー。コマスはF1ドライバーを経て、1995年から日本でのレース活動を開始。今年はスーパーGTで活躍している。

そしてF1ドライバーとして“時の人”となったモンタニーは、5月のヨーロッパGPでスーパーアグリF1チームからGPデビューと、日本のレースファンにとっては縁のあるドライバーなのだ。公開車検が行われたジャコバン広場でふたりに話を聞いてみた。

■エリック・コマス(No.16)

Q:テストデーでは3番手のタイムを出しましたが。
あの時は(チームメイトのエマニュエル・)コラールと(No.17を駆る)フランク(・モンタニー)が予選用のタイヤを装着したけれど、遅い時間帯でエマニュエルは渋滞がひどくアタックのチャンスがなかった。3番手のタイムは、レース用タイヤで出したものだったんだ。

Q:ペスカローロ・ジャッドは昨年に比べて何が変わりましたか?
マシンは昨年から変わっていない。でも時計を見ると3秒ほど速いんだ。走っていても何が違うのかはよくわからないくらい。昨年からすばらしいマシンだったけれど、パワーやダウンフォースはよくなっている。
トランスミッションは新しくなってコンパクトになった。そのぶん、ダウンフォースも増えてフィーリングもいい。3秒ほど速いと言ったけれど、走っているとその速さは感じられない。(全長13km以上の長いコースの)コーナーひとつひとつでコンマ3秒くらい速くなっていて、トータルで3秒だからね。

Q:ライバルのアウディについてはどう思う?
1回だけ後ろについて走ったけれど、すぐに向こうがピットインしてしまったから、ポテンシャルについてはよくわからない。そのとき100%だったのか80%だったのか……。でも2回コースアウトしているからプッシュしていたのでは。
マシンもアウディより我々のほうが運転しやすいみたい。コーナーの出口で我々はすぐにアクセルを踏めるけど、向こうはちょっと違って遅いみたい。こっちはイージードライブだね。

Q:同チームからの参戦は3年目、昨年の成績は2位でしたが。
もうペスカローロは私の家族みたい。スタッフもみんな同じ。すごく気持ちよくレースができる。今、私は日本でレースをしていますが、私の国でレースができることがすごくうれしいし誇りに思う。レースに対しての自信もあるし、ファンも多いからね。
チームではほかのドライバー、スタッフとも同じ言葉が使えるから、すべてのことがより簡単に感じる。年に一度、こういうレースができるのでリフレッシュできて元気になれるね。
レースでは今年も勝つ自信はあります。でもみんな一生懸命やっているけど難しいレースだからね。アウディとは予算や準備、体制も違うし、こちらは24時間テストもしていない。でもモンツァ(イタリア)とスパ(ベルギー)で2回レースをしたし、エンジン、トランスミッションは全部で6000km走っているから大丈夫だろう。

■フランク・モンタニー(No.17)

Q:テストデーではトップタイムでしたが。
このマシンは、ルマンに出ているなかでトップカーであることには違いないと思ってる。昨年のレースで最速マシンだったし、いつもいいタイムを出していたしね。
残念ながらトラブルが出てしまったり、レースではミスが出たりしたけどね。だから今年はこういうケースにならないことを願っている。何しろ今年はアウディがニューカーを出してきたから、大事な一戦になると思う。もちろん、それに対して僕たちも闘う準備が出来ている。

Q:ルマンは初めてですか?
実は7回目のルマンなんだ。1998年にペスカローロで走ってるんだ。といってもチームではなく、ペスカローロと一緒に走っただけ、つまりチームメイトだった(マシンはクラージュ・ポルシェ)。次はジャッドDAMS、昨年はアウディ(アウディR8オレカ)に乗ったよ。

Q:F1だけでなく、ルマンへの参戦が加わり多忙ですが。
確かにとっても忙しい週末を過ごしているね。でもいまさら始まったことじゃない。1ヶ月前からスーパーアグリでF1に出るようになって、それ以来、毎日やらなきゃいけないことが増えたんだ。
モナコGPのあと、ルマンでのテストに出て、そのあとイギリスに飛んで、シルバーストーンでイギリスGPがあったでしょう?そしてこの月曜日、ルマンにいるわけだから……。

でも、(公開車検日の)今日と明日はちょっとリラックスできる。ルマンの後はカナダにインディアナポリスだろう? だからこのルマンを含めて5、6週間っていうのは僕にとって本当に大変なことだと思うね。

Q:F1とスポーツカーの違いは?
F1とルマンのマシンでは大きな違いがある。F1というのは、1台にすべてのスタッフがかかりきりになって、つねに1台だけの面倒、つまり開発することだけに集中しているんだ。いつも仕事がたくさんあるし、たった60周ほどのレースのために秒単位の作業をする多くの人がいる。
ルマンのほうはというと、F1に比べて全体的にリラックスしているね。特に今年は、チーム自体がすでにマシン全般においてよく理解している。F1みたく2週間に1回のレースイベントじゃなく、1年に1度のレースだからね。
とはいえ、やることはたくさんあるし、準備だってたくさんある。レース自体がやっぱり難しいし、アウディとの闘いだってあるからね。

Q:ずばり勝算は?
そうだね、日曜日の夜に答えることにする。そのほうが簡単だからね(笑)!

(文と写真=島村元子/Motoko Shimamura)

【ルマン2006】アウディの対抗馬、フランス系「ペスカローロ」と日本の関係の画像

フレンチドライバーが揃う。左から、フランク・モンタニー、エリック・コマス、そしてWRCチャンピオンのセバスチャン・ロウブ。

フレンチドライバーが揃う。左から、フランク・モンタニー、エリック・コマス、そしてWRCチャンピオンのセバスチャン・ロウブ。

地元ということもあり、当然のことながらフレンチチームは注目の的。ジャコバン広場での取材もこのとおり。

地元ということもあり、当然のことながらフレンチチームは注目の的。ジャコバン広場での取材もこのとおり。

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