【ルマン2006】事前情報:常勝アウディの新型ディーゼルがルマン制覇に挑む!

2006.06.08 自動車ニュース

【ルマン2006】事前情報:常勝アウディの新型ディーゼルがルマン制覇に挑む!

今年で74回目を迎えるルマン24時間耐久レースが、2006年6月17、18日に仏ルマンで開催される。6月4日にはテストデーが設けられ、参戦マシンが1周13km強のサルト・サーキットで実戦準備に追われた。伝統の“草レース”、今年の見所は……。

■“低騒音”ディーゼルで勝利を狙う

今年の一番の注目は、アウディが投入するディーゼルマシン、新型「アウディR10」だろう。
2005年12月、アウディはディーゼルエンジンでのルマン参戦を正式に発表した。5.5リッターV12ツインターボのTDIユニットは、耐久レース用のプロトタイプで、650ps以上の最高出力と112.2kgm以上のトルクを誇る。

強力なパワーのTDIエンジンはオールアルミ製。レーシングエンジンとしては異例ともいえるほどの低騒音(!?)だという。ドライバーにとっては、野太いサウンドもただのノイズだったこれまでのエンジンとは異なるものだとか。
実走行では、いったいどんなエンジンサウンドを聞かせてくれるのか? 果たしてそれがディーゼルだと区別できるのか否か……実戦が待ち遠しい。


R10の心臓は、5.5リッターアルミニウム製V12ツインターボ・ディーゼル

■セブリング12時間でデビューウィン

常勝アウディのブランニューマシンは、「R10」のコードネームで2002年にプロジェクトがスタート。以後開発が進められ、昨冬にはシェイクダウンを実施、今年3月にはアメリカのセブリング12時間でレースデューを果たし、なんといきなり勝利をかっさらった。
レースは決してトラブルフリーの楽勝ではなかったが、それでも12時間を走り切り、トップでレースを終えたのだから、アウディの実力たるやすごいものがある。
リナルド・カペロ、トム・クリステンセン、アラン・マクニッシュというアウディを代表するドライバーがステアリングを握り、盤石の態勢で勝ち得たものでもあった。

公道を含むサルト・サーキットで行うことができる唯一の事前テストでは、No.7のカペロ/クリステンセン/マクニッシュ組が2番手のタイムをマーク。No.8のフランク・ビエラ/エマニュエル・ピロ/マルコ・ヴェルナー組が4番手につけ、上々の仕上がりをアピールした。大したトラブルもなく、順調なテストメニューをこなした様子だった。


アウディはドライバーラインナップも磐石といったところ。ルマン最多7勝のクリステンセン、カペロ、マクニッシュ、ピロらがステアリングを握る。

■アウディのライバル、そして日本勢

R10の最大のライバルといえば、昨2005年、オールフレンチ体制で挑みながら惜しくも勝利を逃したチーム・ペスカロロだろう。
テストデーでもトップタイムをマーク。今年こそとリベンジに燃えている。このペスカロロには、今年もWRCチャンピオンのセバスチャン・ロウブがドライバー登録されている。
そして、最強ラリーストをも魅了するルマンには、日本からのチーム、ドライバーもリストアップされている。

チームとして名を連ねたのは、「ランボルギーニ・ムルシエラゴRG-1」で参戦するJLOC。国内スーパーGTにも参戦するこのチームでは、レギュラードライバーであるマルコ・アピチェラ/山西康司/桧井保孝の3人を擁し、ドイツのライターレーシングとフランスのDAMSとの3ヵ国混成というかたちで初のルマンに挑む。

また、タイサンが久々にルマンへ復帰。チームTOMOとのジョイントでそのオーナードライバーである西澤和之が織戸学と山路慎一とともにステアリングを握る。さらに、山岸大も昨年同様、T2Mモータースポーツからの参戦が決定。昨年はリタイアに終わっているため、さらなる飛躍を狙っていることだろう。

一方、ドライバーとして欧州のチームに加わるのは、中野信治と黒澤治樹。クラージュのニューマシン「LC70」を駆り、ルマンシリーズでの参戦を重ねながら大舞台での本番を待つことになる。

今年はドイツでFIFAワールドカップが開催中ということもあり、例年の午後4時スタートが1時間遅れの5時となった。レースは筋書きのないドラマに例えられるが、今年はどんなドラマがこの24時間で展開されるのだろうか。

(文=島村元子/写真=アウディ)

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