【スペック】3.2 V6 Q4:全長×全幅×全高=4393×1830×1318mm/ホイールベース=2528mm/車重=1690kg/駆動方式=4WD/3.2リッターV6DOHC24バルブ(260ps/6200rpm、32.8mkg/4500rpm)

アルファ・ロメオ・スパイダー2.2JTS(FF/6MT)/3.2 V6 Q4(4WD/6MT)【海外試乗記(前編)】

自由に向かって走れ(前編) 2006.08.11 試乗記 アルファ・ロメオ・スパイダー2.2JTS(FF/6MT)/3.2 V6 Q4(4WD/6MT)1994年にデビューした「アルファ・スパイダー」が、長いライフを終えて一新された。歴史あるイタリアン・オープンの最新型には、かつてのスパイダーたちとの類似点が散見されるという。

アルファを代表する名車

しっかりとした耐候性を実現した頑丈な帆を持つかわり、折り畳んでもボディのウェストラインから飛び出すドイツのカブリオレ。あるいは最低限の風雨を凌ぐことしか考えていないイギリスのロードスター、最近では分割式のハードトップを電動で格納するCC(クーペ-カブリオレ)まで登場して、ひと口にオープンカーといっても多くのバリエーションが取り揃えられている。

が、個人的にはボディ下に小型のソフトトップが綺麗に隠れる、小粋なイタリアのスパイダーが好きだ。まず屋根を開け放ったときのスタイリングがいいし、実用性と耐候性だって容認できる範囲にある。

第二次大戦以降のアルファ・ロメオを例にとれば、「1900」がそうだし「ジュリエッタ」も「ジュリア」もそう。高性能なクーペやベルリーナとともに、いつも洒落たスパイダーをラインナップに加えるのが伝統だった。

ここに紹介する新型「スパイダー」も、それら戦後のアルファを代表する名車の一群と、成り立ちが非常に近い。すなわち基本的にメカニズムを共用するセダン/クーペなどのバリエーションモデルとして生まれ、ポートフォリオを形成しているのである。

より具体的に説明すれば、GMと手を結んで同社の技術資産を取り入れ、欧州Dセグメントでハイレベルなライバルと堂々と戦える高い競争力を実現した「159」をまずマーケットに投入。そのアーキテクチャーを流用した2+2クーペの「ブレラ」を次にデビューさせ、今度は返す刀でそのハードトップを取り去ったオープン2シーターの発表に漕ぎつけたというわけだ。

ジウジアーロとピニン、そしてアルファ

クーペ/スパイダーの相関関係において、戦後アルファに黄金期をもたらしたジュリアとの類似点はほかにもある。クーペのデザインをジョルジェット・ジウジアーロが、他方スパイダーをピニンファリーナが、それぞれ担当したということだ。

さすがに60年代の作品とは違い、ふたつのカロッツェリアに完全な自由を与え、クーペとスパイダーでまったく異なる個性を展開させるという当時の贅沢な手法までは残念ながら復活していない。両モデルともジウジアーロが2002年のジュネーブ・ショーに展示した「ブレラ・コンセプトカー」のオリジナル案に忠実なことは、写真をひと目見れば明らかだ。

しかし新型スパイダーを注意深く観察すると、リアフェンダー上部でウェストラインがキックアップするなど、ジュリエッタ・スパイダーのモチーフが控えめに反復されていることもわかり、人によっては旧き佳き時代のロマンティシズムが掻き立てられるかもしれない。スパイダーの全長が4393mmとブレラに比べ20mmほど短いのも、スタイリング面からの要求だろう(全幅:1830mm、ホイールベース:2528mmは同一、全高は1318mmと低い)。 

手動ロックを装備せず、センターコンソールに配置されたスイッチのみで作動するソフトトップは、25秒前後で開閉を終える。「メルセデスSLK」が先鞭をつけ、今流行中のメタルトップCC(クーペ-カブリオレ)を採用しなかったのは、
(1)アルファ・スパイダーの伝統に背く
(2)スタイリング面で妥協したくなかった
というふたつの理由からだという。

ただしジュリエッタ・スパイダーに用意されていたような純正デタッチャブル・ハードトップを開発する可能性については、現在ピニンファリーナと検討中だという回答を得た。

むろんルーフを失ったことに起因するボディ剛性低下への対処や、横転時の安全性を確保するため、フロアやリアバルクヘッド、Aピラーなどが強化されていることはいうまでもないが、それに伴う重量増は60kgと発表されている。(後編へつづく)

(文=CG加藤哲也/写真=フィアット・オート・ジャパン/『Car Graphic』2006年8月号)

・アルファ・ロメオ・スパイダー2.2JTS(FF/6MT)/3.2 V6 Q4(4WD/6MT)【海外試乗記(後編)】
http://www.webcg.net/WEBCG/impressions/000018497.html



【スペック】
2.2JTS:全長×全幅×全高=4393×1830×1318mm/ホイールベース=2528mm/車重=1530kg/駆動方式=FF/2.2リッター直4DOHC16バルブ(185ps/6500rpm、23.4mkg/4500rpm)

スパイダーのインテリアはブレラに準じたもの。この写真のように2トーンも用意されている。シート後方左右には鍵つきのボックスが備わるが、小物入れは限られている。

スパイダーボディの軽快感を演出するため、ピニンファリーナはブレラの全長を20mm切り詰めることを選択した。2528mmのホイールベースは同一。畳んだ帆はブレラでは+2のスペースに要領よく収納される。ソフトトップは5層構造で、6個のシリンダーにより開閉とも25秒で作業を終える。ロールバーとヘッドフェアリングはもちろん標準。後方からの風の巻き込みを防ぐウィンドストップもオプションで用意されるが、あまり効果的ではなかった。エアバッグはフロント/サイド/ニーと完備している。
写真をクリックすると幌の開閉が見られます。

ラゲッジルーム容量は235リッター。開口部は高いが深さがあり、決して広いとはいえないが実用には足るだろう。アルファは室内シート背後にも100リッター分のスペースがあると主張する。

この記事の大きな画像を見るためには、画像ギャラリーをご覧ください。

アルファ スパイダーの他の画像を見るためには、写真一覧をご覧ください。

関連記事
  • アルファ・ロメオ4Cスパイダー(MR/6AT)【試乗記】 2016.2.25 試乗記 アルファ・ロメオのスポーツカー「4C」に、オープンバージョンの「スパイダー」が登場。フェラーリをはじめ、これまでMRスポーツに乗り継いできた清水草一が、その走りをリポートする。
  • アバルト124スパイダー(FR/6MT)【試乗記】 2016.11.2 試乗記 アバルトのオープンスポーツモデル「アバルト124スパイダー」に試乗。市街地や高速道路、ワインディングロードなど、さまざまなシチュエーションを走り、ベースとなった「マツダ・ロードスター」との違いを浮き彫りにする。
  • マツダ・ロードスターRF VSプロトタイプ(FR/6AT)【試乗記】 2016.11.19 試乗記 「マツダ・ロードスター」に、スイッチひとつでルーフが開閉する電動ハードトップモデル「RF」が追加された。開発者のこだわりがつまったリトラクタブルハードトップの出来栄えと、ソフトトップ車とは一味違う走りをリポートする。
  • ミドシップスポーツ「718ケイマン」を知る 2016.11.15 特集 2016年春に世界初公開されたポルシェの2シータースポーツ「718ケイマン」が、日本上陸を果たした。新たに開発された水平対向4気筒ターボエンジンや、一段と磨きのかけられた足まわり、こだわりの内外装は、どんな運転体験をもたらすのか。上級モデル「718ケイマンS」に試乗し、その実像に迫った。
  • 第3回:ここがインポートカーのボリュームゾーン
    輸入車チョイ乗りリポート~500万から1000万円編~
    2016.3.17 特集 紳士の国の4ドアセダンや、刺激的な伊・独のオープンスポーツモデルなど、価格帯が3ケタ万円の後半に入ると、さまざまな国の多彩なモデルが顔を出すようになる。“インポートカーのボリュームゾーン”の中から、webCGが注目した4台がこちらだ。
ホームへ戻る