【FN 2006】第2戦鈴鹿、気まぐれな雨を味方に、ルーキーのデュバル初優勝!

2006.04.17 自動車ニュース

【FN 2006】第2戦鈴鹿、気まぐれな雨を味方に、ルーキーのデュバル初優勝!

新生フォーミュラ・ニッポンの勝利の女神は、気まぐれな雨が降るなか、フランス人のルーキードライバーに微笑むことを決めた。

2006年4月16日、三重県・鈴鹿サーキットで全日本選手権フォーミュラ・ニッポン第2戦が行われた。
23歳のロイック・デュバルが初優勝。ほぼ全員のドライバーがピットインでタイヤ交換、給油を済ませた時点でトップに立ったルーキーが、堂々の走りっぷりを披露した。
2位もルーキーのビヨン・ビルドハイム。ポールポジションスタートのブノワ・トレルイエは3位に終わった。

■不安定な路面、トレルイエの真骨頂

土曜日に行われた予選は、午前中の1回目がウェットコンディション。降ったり止んだりするなか、レインタイヤでのアタックに留まった。
午後に入っても天気は相変わらずの様相で、時折パラパラ雨が降る状態。だが予選2回目が始まるや、大半のドライバーがレインタイヤでの自己ベストタイムを続々更新、路面の回復を裏付けることとなった。

しばし路面の状況を睨みながら、タイミングをみてアタックに入るのでは……という大方の予想だったが、驚くことにトレルイエ選手はピットに戻るとすぐにスリックタイヤを装着。直後のアタックでレインタイヤでのトップタイムをあっさりと上回った。

これを見て他車も追随するようにタイヤ交換。コースインのタイミングが異なったため、トップタイムがそのたびに入れ替わるという見どころ多い展開となった。

慌しいグリッド争いを展開するなか、ダメ押しともいえるタイムをマークしたのはやはりトレルイエ。1分45秒697を記録し、2番手本山哲を0.708秒突き放した。3番手には松田次生が続き、第1戦と同じ顔ぶれが順位を変えて上位を占めた。

■ポールシッターのトレルイエ、痛恨のペナルティ

決勝日は青空がところどころ顔を見せていたが、路面はまだウェット状態。朝のフリー走行ではレイン、スリック両方のタイヤを装着してマシンチェックを繰り返す姿が見られた。

サポートレースおよび併催のニ輪レースでの赤旗中断が重なり、決勝開始時刻はおよそ50分遅れ。いつの間にか上空には曇天が広がり、冷たい風が吹くなかで51周のレースがスタートした。

レッドランプが消灯するや、グリーンを待たずにポールシッターのトレルイエのマシンが動き出した。逆に隣の本山はエンジンストール。後続車が行き場を求めてマシンを右往左往させ、大混乱のスタートとなった。

快調に飛ばすトレルイエ。だが、後にジャンプスタートと判断され、ドライブスルーペナルティが科せられた。スタートでこれを認識していた当の本人は、ピットインまでに後続との差を少しでも広げようと猛プッシュで周回を重ね、7周終了時にピットイン。改めて13位から追い上げに着手した。

■ルーキーのビルドハイムが暫定トップに

トレルイエの後退でトップに出たのは予選7位のアンドレ・ロッテラー。スタートでポジションを上げ、好位置をゲット、2位に7秒近く差をつけ快走し始めた。
だが130Rで右リアタイヤがスローパンクチャーを起こし、緊急ピットイン。チームとのコミュニケーションもままならずの状態でズルズルとポジションダウン。ピット作業中のマシンのなかで悔しさをあらわにした。

これでトップはビヨン・ビルドハイム。予選11番手からオープニングラップで3位まで浮上する大躍進を遂げていた。ビルドハイムを僅差で追うのは松田次生。ビルドハイムはFNルーキーながら、2003年国際F3000の王者ゆえ、松田とて簡単に攻略はできない。間もなくやってくるピットインをチャンスにしよう……そんな松田の心境が見て取れた。

トップ争いのなか、真っ先にピットインしたのがビルドハイムだった。難なく作業を終えてコースに復帰。ここでようやく松田が先導権を握ることになった。後続とのマージンをつくるため、自己ベストを更新しながら走行する松田は、35周を終えてピットイン。すばやい作業でコースに復帰したが、先にピット作業を済ませていたロイック・デュバル、さらにビルドハイムの後塵を拝する結果となった。

■終盤の番狂わせは、雨!

松田のピットインにより、トップは山本左近、2位に小暮卓史が浮上。だがふたりともまだピット作業が残っている。折りしも怪しい動きを見せていた雲から雨が落ち始め、西コースには注意を促す黄色と赤の通称“オイル旗”が提示された。

タイヤ交換の準備をする山本のピットにはレインとスリックの両方が用意されていたが、ラップタイムの後退は見られない。結局、39周を終えてピットインした山本が選択したのはスリック。一方の小暮は42周目のピットインを前に痛恨のコースアウト。これで勝負権を失った。

全車ピット作業を終えて、事実上のトップに立ったのはデュバル。3番手松田は2番手のビルドハイムを果敢にプッシュしたが、裏目に出てコースアウト。ポジションを下げてしまった。
さらにここへ来て雨あしが強くなり、残り6周でのガチンコバトルに期待をかけたマシンがレインタイヤ装着のためにピットインし始める。だが、上位争いに食い込むことはできず、この策は徒労に終わった。

■トレルイエの怒涛の追い上げとデュバルの踏ん張り

雨に加え、コース上のオイル漏れなどの不安定な状況下で、コースアウトするマシンも続出。終盤になってなお激しいポジション争いがあちこちで展開されたが、なかでも目を引いたのがトレルイエの猛追だった。
自らのミスで勝てるチャンスを逃した後は懸命の追い上げ。だが、ピット作業のフロントタイヤ交換でナットが入らず大きくタイムをロス、優勝はおろか表彰台も遠のいたかに思われた。

しかし、スリッピーな路面はトレルイエの“お手並み拝見”コンディション。マシンコントロールに手こずり慎重になるライバル達を尻目にポジションアップ、自らも勢い余ってコースアウトを演じたが、それも手の内とばかりにコースへ復帰。ファイナルラップではシケインで前にいた山本を逆転。面目躍如の3位をつかみ取った。

一方、初優勝を飾ったデュバルとて、安泰でチェッカードフラッグを受けてはいなかった。雨に足を取られ、スプーンカーブでスピン。ビルドハイムに先行を許したが、その数周後には、同じスプーンでビルドハイムを鮮やかに抜きさる健闘ぶり。多忙を極めた事実上の開幕レースで大仕事をやってのけた。

■次はストップ&ゴーのもてぎ

予選、決勝ともに猫の目のような変化を伴う慌しい展開となった第2戦。予選こそアタックのタイミングをよく知るドライバーが上位に着いたが、行方の読めない決勝は、よりベストを尽くしたドライバーとチームが、好成績を導いたといえる。

次回、第3戦は舞台を栃木県・ツインリンクもてぎに移して行われる。ストップ&ゴーのユニークなレイアウトを持つコースでは、ニューマシンに搭載されたメーカー別のエンジン特性が出るのでは、という声も聞こえている。新生FNの醍醐味を再認できるレースになりそうだ。

(文=島村元子/写真=KLM Photographics J)

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優勝したロイック・デュバル(PIAA NAKAJIMA)。第1戦富士が雨で事実上中止となったため、これがデビューウィンといっていい。

優勝したロイック・デュバル(PIAA NAKAJIMA)。第1戦富士が雨で事実上中止となったため、これがデビューウィンといっていい。

スーパールーキー、デュバルと喜びを分かち合うのは中嶋悟監督。

スーパールーキー、デュバルと喜びを分かち合うのは中嶋悟監督。

ジャンプスタートで遅れ、タイヤ交換のトラブルで遅れ、後方から追い上げることになったトレルイエ。その後まさに鬼神の走りを見せ、オーバーテイクショーとなった。そして最終ラップに山本左近(KONDO RACING/写真右)をシケインで抜き去り表彰台を手に入れた。

ジャンプスタートで遅れ、タイヤ交換のトラブルで遅れ、後方から追い上げることになったトレルイエ。その後まさに鬼神の走りを見せ、オーバーテイクショーとなった。そして最終ラップに山本左近(KONDO RACING/写真右)をシケインで抜き去り表彰台を手に入れた。

序盤からビヨン・ビルドハイム(DoCoMo DANDELION/写真手前)の背後には常に松田次生(mobilecast IMPUL)が張りつき、プレッシャーをかけ続けたが終盤の雨でスリップし後退した。

序盤からビヨン・ビルドハイム(DoCoMo DANDELION/写真手前)の背後には常に松田次生(mobilecast IMPUL)が張りつき、プレッシャーをかけ続けたが終盤の雨でスリップし後退した。

1位デュバル(中央)、2位ビルドハイム(左)、3位トレルイエ(右)、荒れたレースに外国人ドライバーが上位を独占した。

1位デュバル(中央)、2位ビルドハイム(左)、3位トレルイエ(右)、荒れたレースに外国人ドライバーが上位を独占した。

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