上級ミニバンには上級タイヤを〜ブリヂストンのミニバン専用「レグノGRV」を試す
2006.03.27 自動車ニュース
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上級ミニバンには上級タイヤを〜ブリヂストンのミニバン専用「レグノGRV」を試す
ブリヂストンタイヤの最上級ブランド「レグノ」から、ミニバン用「GRV」がデビュー、2006年4月1日から販売がスタートする。
ミニバンに求められるコーナリング性能に加えて、ノイズ低減にこだわったというレグノGRV。さっそく新型タイヤを装着した車両に試乗してみた。
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■4台に1台はミニバンだから
ミニバン専用のタイヤ――最近巷で耳にするそんなタイヤとは一体どんなものなのか!?
これまで世にリリースされてきたそうしたタイヤは、ミニバン特有のコーナリング時の“大きめロール”への対処として内側外側のトレッド面に異なるコンパウンドを採用したり、トレッドパターンそのものを非対称デザインにしたり、重い車両をしっかりと支えるためにサイドウォール部分を高剛性化したり……と、「背が高く、重量が重い」というミニバンの特徴を意識した構造を採用していることが主たるポイントになっていた。
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そうしたミニバン用タイヤの構造的な特徴に加え、ここに紹介する「レグノGRV」が大きなセールスポイントとするのは、「静粛性と乗り心地に優れている」ということ。
レグノといえば今から四半世紀前の1981年に、“走りと静粛性のグレートバランス”をキャッチフレーズに、乗用車用初の上級ラジアルタイヤとしてリリースされたブランド。ここにきて、レグノからも“ミニバン専用”が発売されるということは、日本で今やこうしたクルマが立派に「乗用車」として認知されたことを示している。実際この国では「登録車の4台に1台がミニバン」なのだ。
そうしたなかで、具体的には「トヨタ・アルファード」や「日産エルグランド」「ホンダ・エリシオン」といった、上級ミニバンをターゲットとするのがレグノGRVというわけだ。
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■大きな特徴は「水はけの役には立たない溝」
このタイヤの大きな特徴のひとつが、トレッド面に刻まれたパターンにある。通常、トレッドパターンとは「水はけのためのもの」というのが常識。ところが、このタイヤにはそうした常識を覆す「水はけの役には立たない溝」が刻まれている。
3本あるストレートグルーブの内、外側(レグノGRVは非対称パターンを採用)の2本から放射状に伸びる、行き止まりの溝がそれ(左側写真参照)。ノイズ抑制グルーブと名付けられた特許出願中のこの溝が、ストレートグルーブが接地した際に引き起こす“気柱管共鳴音”という比較的高周波のノイズを打ち消し、「窓面積が大きいために外からノイズが入りやすい」というミニバンの場合には静粛性の向上に特に効果的というのだ。
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さっそくアルファードに乗って同社が既に販売しているミニバン用タイヤ「BスタイルRV」と履き替えながらの比較テスト。と、なるほど路面踏み込み時のいわゆる“シャー音”は、レグノGRVでは随分とまろやかになる印象になった。
横風の強い海峡上の橋にさしかかった。ふらつき感が幾分収まって感じられたのは、新採用した、サイドウォール部分の“立ち方”を内外面で変えた非対称断面形状の効果が表れているということだろう。
「実売価格ではBスタイルRVの2割アップほどを想定」と、比較的高価なレグノGRVだが、このように“費用対効果”が実感しやすいだけに、サイフにゆとりのあるミニバンユーザーには人気のアイテムとなりそうだ。
(文=河村康彦)
ブリヂストン「レグノGRV」:
http://www.regno.jp/product/grv/tech_p1.html
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