【SUPER GT 2006】激戦必至、開幕直前のSUPER GTはココに注目!(後編)

2006.03.15 自動車ニュース

【SUPER GT 2006】激戦必至、開幕直前のSUPER GTはココに注目!(後編)

2006年シーズンの開幕戦が、今週末の3月19日に迫ったスーパーGT。闘いを重ねるごとに激戦化した昨シーズン同様、見どころあるレース展開が期待できそうだ。
前編では、マシンやチーム情報をお伝えしたが、後編では今シーズンの闘いの行方を左右する可能性がある規則の変更点などについて触れてみたい。

■レースカレンダーの変更は戦略にも影響を及ぼす!?

(前編からのつづき) 過去5年にわたり岡山国際サーキットで開幕したシリーズ戦だが、2006年は鈴鹿サーキットで火蓋が切って落とされ、富士スピードウェイで幕を閉じるスケジュールへと変わった。
さらに日本における長時間耐久レースとして長い歴史を誇る鈴鹿1000kmレースがシリーズ戦に編入された。これでレース距離としては、300km、500kmと1000kmの3本立てとなり、勝敗の行方がますます読みにくくなる要素が増えた。

シーズン終盤までマシンコンディションが伯仲する状態を保つために「ウェイトハンデ」を採用するスーパーGTでは、チームがレース毎に闘い方を考慮した戦略を採っているが、「勝つこと」と「ウェイトの増減」のバランスをうまく取りながらシーズンを闘うことに加えて、今年は新たな戦略、駆け引きを考えなければいけなくなった。チームが持つ豊富なデータとドライバーのキャリアとの相乗効果が勝利をもたらすことになるだろう。

「レース自体のスケジュールが一変したので、ウェイトを考慮した1年間の戦略が大きく変わってくる。それを意識しながらマネージメントし、1戦ごとに目標を立てて、チーム全員が100%の仕事をできる環境づくりをしていきたい」と意欲を見せるのは、チームを移籍した脇阪寿一。新たなチームメイトとなったアンドレ・ロッテラーとともに久々の王者奪回を狙うドライバーのひとりだ。

■性能調整を一部廃止、エンジンの使用にも制限

マシン性能を限りなくイコールコンディションにするため、マシンや開催サーキット別に設定されていた「性能調整」が一部廃止されることになった。
NAエンジンに対する高地救済、駆動方式による車両重量補正、前面投影面積による車両重量補正などを廃止し、今シーズンはテストやレース後の結果を参照して都度調整を検討するという。
このことは、開発や進化のスピードが加速し、もはや固定された性能調整ではイコールコンディションの確保が難しくなったことを証明しているといえるだろう。

さらに注目すべきは、使用エンジンへの制限が設けられたこと。同一エンジンの2レース以上の使用が義務付けられた。
「開発、性能アップに伴うコストの高騰を抑えるために、具体的なプランが必要だった」とオーガナイザーであるGTアソシエイションは説明。もし、同一エンジンを連続2レース使用できなかった場合には、予選順位の降格などのペナルティが科せられることになる。

長距離レースである1000kmはこれに準ずることはなく、1レース1基となるが、ここにも目に見えない“かけひき”が生まれたことになる。なおこの規定はGT500が開幕戦から、GT300は第7戦もてぎから適応されるとのことだ。

■個別の争い、有効ポイント制の導入でライバルが増える!?

これまでチーム単位で争ってきたチームタイトル。2台体制が圧倒的に有利だったが、今シーズンからはカーナンバー単位での争いとなった。これで同じチームの中にライバルが出現したことになる。

ドライバーズタイトルでは、予選と決勝順位、さらに決勝レースでのファステストラップポイント(上位3位)の点数配分が変更された。また、1000kmでは通常ポイントの+5点となり、15位までに入賞ポイントが与えられることになった。

加算ポイントが増えるいっぽう、新たに有効ポイントが導入されたことで、ライバルとの駆け引きはさらにより緻密なものになりそうだ。
有効ポイントとは、獲得したポイントの中から加算できるポイントを制限する方法だが、スーパーGTでは第6戦の鈴鹿1000kmまでを有効ポイントの対象レースとした。この間で最も低かった獲得ポイントが切り捨てられるわけだが、第7戦以降は獲得した全ポイントが加算される。これは、闘いが佳境を迎えるシーズン終盤に、ポイント争いを巡る妙な駆け引きをしないで済むよう考慮したものと思われる。

ニューマシンの登場、新たな規則の採用など、スーパーGTを取り巻く環境の変化は、闘いにどのような影響を与えていくのか。シーズンを通してその動きに注目したい。開幕戦は3月19日だ。

(文=島村元子/写真=KLM Photographics J)


ロータリーサウンドは健在。GT300クラスに参戦するNo.7 雨宮アスパラドリンクRX7 (山路慎一/井入宏之組) 。


合同テストでGT300クラス2番手タイムを計測したNo.11 JIM CENTER FERRARI DUNLOP(田中哲也/青木孝行組)。

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