【SUPER GT 2006】激戦必至、開幕直前のSUPER GTはココに注目!(前編)

2006.03.14 自動車ニュース

【SUPER GT 2006】激戦必至、開幕直前のSUPER GTはココに注目!(前編)

2006年シーズンの開幕戦が、今週末の3月19日に迫ったスーパーGT。闘いを重ねるごとに激戦化した昨シーズン同様、見どころあるレース展開が期待できそうだ。
レギュレーションの変更に伴い、レース戦略の組み立てからタイトル争いに向けてのアプローチに至るまで、どのチームもシーズンを見据えた新たな闘いに挑むこととなる。今回は、新たに“お目見え”したものを中心に、スーパーGTの見どころを紹介するとしよう。

■トヨタ、ニューマシン「SC430」投入

昨2005年、「スープラ」でGT500クラスタイトルを獲得したトヨタは、新たに「SC430」を投入する。2005年のチャンピオンチームであるセルモを筆頭に、TOM'S、チームルマン、そしてクラフトの4チームがニューマシンを駆ることになる。

開発を担当する立川祐路は、「生まれたばかりのマシンだから、やらなければいけないことはたくさんあります。徐々に良くなっている段階ですが、ライバル勢がかなり速いので、トヨタとして頑張らないといけないでしょうね」
「ただ、開幕戦の鈴鹿は昨年の最終戦として闘って、そこでチャンピオンになった場所だから、いいスタートができるはず。開幕ダッシュを決めたいですね」
立川は、引きつづき高木虎之介とコンビを組んでタイトル防衛を狙う。

■完成度高し「NSX」

ライバルのメーカー勢は、ホンダは「NSX」、日産が「フェアレディZ」の06年モデルで対抗。さらなる進化を目指し開発に余念はない。

先の合同テスト(鈴鹿)では、NSXがトップタイムをマーク、トップ6の中に3台が入り、完成度の高さを証明した。昨年はエンジンをシーズン途中にターボからNAへとスイッチするなどドタバタ劇の一面を見せたが、闘いを重ねるごとに速さと強さを確立したのは周知のとおり。

2005年、最後までNSXでタイトル争いをした伊藤大輔は、「昨年は開幕戦で出遅れてしまいましたが、今年はそれを踏まえて06年モデルとしてやるべきことをやっています。昨年からの速さをベースに手を加えていけば、いいレースができるでしょう。獲り損ねたタイトルを絶対に獲るという気持ちでレースに挑みたい」と、開幕戦から必勝体制で臨む意気込みを見せた。
ウェイトを搭載しない開幕戦をホンダのお膝元である鈴鹿で闘えるのは、大きなメリットとなることだろう。

■ドライバーの顔ぶれが変わった日産勢

ドライバーの移籍で、一番大きな動きを見せたのが日産勢だった。名実ともにエースドライバーである本山哲は、アメリカでのレース活動を希望してチームを離れたリチャード・ライアンに替わり、ホンダから移籍した松田次生とコンビを結成した。

本山は「ここ数年の間に確実に力をつけてきたドライバーだし、安定した速さにも期待しているので、パートナーとして心強い」と松田を評価。ここ一番の舞台での速さ、強さを思う存分発揮できなかった昨シーズンの悔しさをバネに、タイトル奪還を目指す。

「速さが足りないという課題をあげて開発をしていますが、まだホンダに負けているという感じです。速くて強いZをファンに見せられるようがんばりたいですね」と追う立場を強調するいっぽうで、「開幕の鈴鹿では表彰台に上がれるように、という気持ちで挑みますが、レースが終わってみたら勝ってた、というのがいいですね」と静かな闘志を燃やしている。

このほか日産では、タレントの近藤真彦が監督として自らのチームで参戦。ベテランのエリック・コマスと柳田真孝のコンビへの采配にも注目が集まりそうだ。

■話題の舶来モノ「マセラティMC12」、急遽参戦延期

トヨタ、日産、ホンダの3メーカーによる闘いが主流だったGT500に、一石を投じるであろうチームが手を挙げた。2004年ルマン24時間耐久レースで総合優勝を果たした「チーム・ゴウ」が、FIA GTでの実績を持つ「マセラティMC12」でスーパーGTに打って出ようということになったのだ。

「STILE CORSE」のチームマネージャーを務める藤原猛史氏は「イタリアを含め、4回のテストを実施していますが、参戦企画時点では“トップクラスに喰らいついていきたい”と思っていたものの、現時点でタイムギャップが思った以上に大きいというのが正直な印象」とやや厳しい表情見せた。

そのギャップがあまりに大きすぎたか、3月13日、STILE CORSEは第1戦から当面参戦を見合わせることを発表。ルマンを制した荒聖治と豊富なレース戦歴を誇るヤン・マグヌッセンのコンビが、少なくとも開幕戦を闘うことはなくなった。ファンにとっては残念であるが、復活劇を期待したい。

■GT300に「紫電」登場

もともと参戦マシンのバラエティではGT500以上の華やかさを見せるGT300クラス。今シーズンは「フォードGT」(DHGレーシング)、「紫電」(ベルノ東海)のお目見えが決定している。

なかでも紫電は、レーシングカーデザイナーとして有名な由良拓也氏が代表を務めるムーンクラフトが企画開発したオリジナル車両。およそ30年前“グラチャン”の名で親しまれた富士グランドチャンピオンシリーズでデビューしたレーシングカー「紫電77」のイメージを踏襲するこの車両は、新たに市販車として開発され、独自性豊かなそのスタイルには目を引くものがある。

ラインナップ豊かなマシンが繰り出す闘いは、例年以上に激しいものになりそうだ。(後編へつづく)

(文=島村元子/写真=KLM Photographics J)

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鈴鹿でGT500クラスのトップタイム、唯一の1分52秒台を叩き出した伊藤大輔/ラルフ・ファーマン組のNo.8 ARTA NSX。

鈴鹿でGT500クラスのトップタイム、唯一の1分52秒台を叩き出した伊藤大輔/ラルフ・ファーマン組のNo.8 ARTA NSX。

魅力的なフォルムと、印象的なエグゾーストノートを奏でた「STILE CORSE」のNo.51マセラティMC12(荒聖治/ヤン・マグヌッセン組)。残念ながら第1戦から当面参戦を見合わせることが発表された。

魅力的なフォルムと、印象的なエグゾーストノートを奏でた「STILE CORSE」のNo.51マセラティMC12(荒聖治/ヤン・マグヌッセン組)。残念ながら第1戦から当面参戦を見合わせることが発表された。

グループCカーを思わせるフォルムを持つ、No.2プリヴェチューリッヒ・紫電 (高橋一穂/加藤寛規組)。

グループCカーを思わせるフォルムを持つ、No.2プリヴェチューリッヒ・紫電 (高橋一穂/加藤寛規組)。

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