第256回:まさにアスファルト上のピーターパン!バレンティーノ・ロッシさまとワタシ(笑)

2006.03.14 エッセイ

第256回:まさにアスファルト上のピーターパン!バレンティーノ・ロッシさまとワタシ(笑)

中央がロッシ様、左は普段はコックのアンジェロ。2人ともマユ太いです。
第256回:まさにアスファルト上のピーターパン!バレンティーノ・ロッシさまとワタシ(笑)
とても世界最強のチャンプとは思えないほど華奢。どーなってんの?
第256回:まさにアスファルト上のピーターパン!バレンティーノ・ロッシさまとワタシ(笑)

■驚くほど、シャイ

全くもって友達でもナンでもないわけですけど、2007年にはF1転向もウワサされる世紀のド天才、モトGPライダーのバレンティーノ・ロッシさまとお会いする幸運に恵まれてしまいました。ジマンですけど、お会いするのは2回目。前は確か4年前のホンダ・ワークス時代で、我がライフワークとも言うべき『クルマバカ』連載に出ていただいたんだよなぁ。ホント、よく出てくれたよロッシさま。

友人からは愛を込めて「バレ」と呼ばれる天才クンを一言で言うと「繊細」。会えば驚くほどシャイです。画面や誌面では、かなりいたずらっぽく、ライバルにブツけても勝つ! ぐらいの図太いワルガキぶりを見せ付けてるロッシさまだけど、実際にお会いしてみればツメをカミカミ、ロクに目もあわせないくらいの繊細ぶり。ま、ガサツな日本人が苦手だけかもしれないけどさ。

でもまあ、通訳してもらった知り合いのイタリア人コック、アンジェロに言わせると「慣れたイタリア人とじゃないとペラペラしゃべらない」そうで、別に神経質ってほどじゃないけど、ワリと人見知りっぽい。某翻訳記事では「ピーターパンとハリーポッターをたして2で割ったよう」と表現してあったけど、まさにそんな感じで、言わば“アスファルト上のピーターパン”。おどけたいたずらっ子で、触れようとすればパッと逃げてしまいそうな独特のオーラ。“アイルトン・セナを少し陽気にしたような感じ”と言ってもいいかもしれない。

なんと去年、ロッシさまは「YZR-M1」の本物を貰ったとか!
第256回:まさにアスファルト上のピーターパン!バレンティーノ・ロッシさまとワタシ(笑)

第256回:まさにアスファルト上のピーターパン!バレンティーノ・ロッシさまとワタシ(笑)

■必ずF1でも成功する

ヤマハの某外人メカはこう言いました。「ロッシは女性に触れるようにマシンに触れる」と。メチャクチャ繊細で、マシンの特性をズバズバ見抜くとか。ヤマハに移籍した直後、モトGPマシンの「YZR-M1」用のインライン4エンジンを、等間隔爆発タイプから不等間隔爆発(同爆に近い)タイプに変更させ、「こっちのがスイートだ」と言ったのは有名な話。なんともまあ文学的な表現じゃあーりませんか!

以前インタビューした元祖・日本一速い男、星野一義さんもこう言ってた。「(F1に転向したら)ロッシは必ず成功する。辛抱強くフェラーリが使えばね」と。元々モトクロスの全日本チャンプだった星野さん。「2輪と4輪は全く同じ」だそうで、あれだけの走りをするロッシは、間違いなく4輪に乗せても速いと。天才は天才を知るってぇ言いますか。

さらにフレディ・スペンサー、ミック・ドゥーハンとホンダで歴代GPチャンピオンを担当したこれまた天才メカのジェレミー・バージェスさんも「ロッシは特別」と太鼓判。ちなみに彼は、ロッシさまがヤマハに引っこ抜いてきたんだけどね。

ま、F1の巨大な利権と複雑なシステムに、ピーターパンなロッシさまが挑むかははなはだ疑問だけど、やっぱり見てみたいことには違いない。
さし当たって今年もモトGPで勝ちまくって、シューマッハも顔負けの世界最多の6年連続WGPトップカテゴリーチャンピオンに輝いて欲しいもんだけど、果たしてどうか。今年も楽しみですよ。

(文と写真=小沢コージ/2006年3月)

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小沢 コージ

小沢 コージ

神奈川県横浜市出身。某私立大学を卒業し、某自動車メーカーに就職。半年後に辞め、自動車専門誌『NAVI』の編集部員を経て、現在フリーの自動車ジャーナリストとして活躍中。ロンドン五輪で好成績をあげた「トビウオジャパン」27人が語る『つながる心 ひとりじゃない、チームだから戦えた』(集英社)に携わる。 ホームページ:『小沢コージでDON!』