【カーナビ/オーディオ】iPod対応はすでに常識!? 最大の家電ショー「CES」でわかった2006年のトレンド(後編)

2006.01.21 自動車ニュース

【カーナビ/オーディオ】iPod対応はすでに常識!? 最大の家電ショー「CES」でわかった2006年のトレンド(後編)

アメリカ最大規模の家電ショーといえるコンシュマー・エレクトロニクス・ショー(以下CES)が、2006年1月5〜8日の4日間、ラスベガスで開催された。数千にのぼる出展社ブースの中から、カーオーディオ関連を中心に野村ケンジが紹介する。

<第3回 日本メーカーの動向>

さて、最終回はいよいよ日本製品の登場。今年の国内市場動向を占う意味でも、このショーで発表される新製品は要注目である。さっそく野村ケンジ氏に語っていただこう。


「アルパインPLシリーズサブウーファー」。平板振動板を3枚ずつ互い違いに配置、省スペースと大ボリュームを実現したというPLシリーズ。写真の通りユニークな構造を持つ。

■画期的な純正アップグレードを披露したアルパイン

──日本のメーカーはいかがでした?

野村:地元メーカーに続いて元気さがありました。会社によっては、日本以上のラインナップを取りそろえるところもあったり、なかなか充実していましたよ。やはりアメリカはカーオーディオの本場ですね。

──その中でも注目のメーカーは?

野村:なんといっても今年はアルパインですね。北ホールと別の場所に独自のブースを構えていたのですが、比較的広いスペースいっぱいに新製品がずらりと並べられていました。


アルパインからは、スペース効率の高い小型パワーアンプ「PDX」シリーズも登場。1、2、4chの3モデルが用意される。

なかでも高い注目を浴びていたのが、純正との統合システム、「VehicleHub Pro」です。こちらは単に純正オーディオを音質的にアップグレードではなく、その操作系も統合するシステム。カーナビの画面を使用して機器のコントロールを行うので、純正なのか追加した市販製品なのかを意識せず使用することができます。純正アップグレードの理想型ですね。

これのほかにも、iPodアダプターを内蔵したヘッドユニットやUSB接続アダプター、小型パワーアンプなどの新製品も積極的にアピールしていました。あと平板振動板を3枚ずつ水平かつ互い違いに6枚配置することで、省スペースと大ボリュームを実現したPLシリーズというサブウーファーもありました。


「パイオニア1041D」。アメリカパイオニアの上級ブランド「プレミア」から登場したサブウーファー「TS-SW」シリーズ。日本導入が気になるモデル。

■高級路線をアピールするパイオニア

──ほかのメーカーはいかがでしたか?

野村:中央ホールにホームシアターとの合同ブースを構えていたパイオニアは、「プレミア」シリーズという上級オーディオブランドを前面に展開していました。
日本では「ピュアコンポーネント」に相当するこのシリーズですが、日本で展開しているものとはロゴだけでなく、スピーカーコーンのなどデザインが結構異なっていて興味深かったです。

なかでも注目だったのが、新製品のTSシリーズサブウーファー。部分的に凹凸の付いた平面振動板や特殊な構造の駆動システムを採用することで、大口径ながらワンクラス下の設置性を実現したそうです。日本でも是非お目に掛かりたい製品ですね。


ケンウッドのブースでは、レクサスの純正オーディオにiPodや携帯電話などを接続するためのインターフェースを展示。

■各社がユニークな製品をアピール

──同じく中央ホールにブースを構えていたというケンウッドやソニー、松下はいかがでしたか。

野村:ケンウッドでは、レクサスやマツダの純正オーディオと市販オーディオを統合するインターフェースをアピールしていました。これを使うことで、市販カーナビやiPod、USB接続タイプのMP3プレーヤーが接続可能になります。

またもう一つ目を惹かれたのが、「DPX501」という2DINサイズのCD/MDレシーバー。こちらのフロントパネルにはUSB端子が用意されていて、MP3プレーヤーやUSBメモリから直接音楽を再生できるようになっていました。
現時点で詳細な仕様が発表されていないので何とも言えませんが、アダプターを介さず接続できるため、音質的にはメリットが高いでしょうね。


フロントパネルにUSB端子を配置した画期的な製品「ケンウッドDPX501」。

──もしかしてデジタル転送なのでしょうか。

野村:その可能性はありますが、現時点では不明です。日本での発売と詳細の発表を待ちましょう。

次にソニーですが、こちらにはなんと、iPodアダプターが展示されていました。ウォークマンを有するソニーが発売するくらいですから、アメリカでのiPod人気が絶大なのだということがわかりますよね。ソニーさん、胸中お察しします。
ちなみにウォークマン用のアダプターの発売は未定だそうです。


iPodの良きライバル、ウォークマンを有するソニーからもついにiPodアダプターが登場。アメリカでのiPod人気は絶大だ。

■ハイテク家電が凄かったパナソニック

野村:さて、続く松下ですが、こちらのブースは103型というダブルベッドぐらいはありそうな巨大プラズマテレビが、人々の目を釘付けにしていました。この大きさは、存在感も説得力もあった。

──写真を見ただけで、その大きさがわかります。数年すると、こんな大きさのテレビが買えるようになるのですね。いやはや、世の中の進歩はすごい。


パナソニックは、「CY-EM100U」を使った統合システムを提案。iPod接続アダプターやBLUETOOTH接続のハンズフリーホンなども設定されている。

野村:また今年発売となるブルーレイディスクプレーヤーの前も人だかりがすごかったです。で、肝心のカーオーディオですが、その2つほどの派手さはないものの、「CY-EM100U」というセンターユニットを使って、純正オーディオをアップグレードするシステムを提案していました。こちらを使うことで、衛星ラジオやハンズフリーホン、iPodなどが一元コントロールできるそうです。
日本への導入は全く予定なし、とのことですが、気になる製品ではありますね。


こちらはイクリプス。簡易ナビ機能を持つ「CD7000」と2DIN一体型カーナビAVN6600が、同ブランド初のiPod対応機種となる。接続には別売のiPC106を使用。

■イクリプスもiPodに対応

──日本メーカーはほとんど北ホール以外だったのですか?、

野村:いえいえ北ホールには、イクリプスやクラリオンなどがブースを構えていました。
このうちイクリプスでの(日本人の目から見た)注目製品は、やはりiPodアダプターでしょうね。これで主だったメーカーはiPodに対応したことになります。
また会場でiPodアダプターを接続していたCDレシーバー「CD7000」もユニークな製品でした。1DINサイズながら、カラーOEL液晶に地図画面を映すことができる、簡易ナビ機能を持っているのです。日本でいうと、日産マーチの純正オプションで用意されていたカーウイングスと似ていますかね、簡易カーナビがやっと広まりつつあるという段階のアメリカでは、こういう展開も有効なのでしょうね。


カーナビ需要の少ないアメリカでは簡易タイプのポータブルナビがユーザーに注目されている。クラリオンの「NICE P201」もそんなひとつ。

──クラリオンはどうでした?

野村:総合カーオーディオメーカーらしく、ヘッドユニットからアンプ、スピーカーまで、多くのジャンルで新製品をアピールしていました。アルパイン同様、こちらも新製品ラッシュでしたね。サブウーファーやヘッドユニットなどは、日本でもお目にかかれそうな製品でした。またアメリカで流行し始めた、簡易タイプのポータプルナビも展示して、結構な注目を集めていましたよ。


クラリオンからは、こんなアメリカンテイスト溢れるCDレシーバー「DFZ675MC」も登場。はたして日本導入はあるか!?

■iPodの衝撃未だ冷めやらず

──ほんと、ものすごい出展数ですね。主だったところをざっと紹介してもらっただけで、このボリュームですから。

野村:そうなんですよ。かけ足で3日間まわり続けても、全部を見ることは無理でした。おかげで帰国後は疲れがどっとでて、しばらく使い物にならなかったとか……。

──ははは、ではそろそろまとめにいきましょうか。全体を通して、今年のCESはいかがでした?

野村:とにかくiPodの存在感がすごかったですね。アメリカでは、iPodに対応していないと話にならない、そんな雰囲気すらありました。カーオーディオにとってiPodは、すでにスタンダードな存在になっています。アルパインから初めての車載用iPodアダプターが発売されたのが1年半ほど前ですから、時代の流れは早いですよね。

さらにいえば、ホームオーディオの世界でもiPodが絶大な影響力を持ち始めているようです。JBLやアルテックに続き、老舗の高級スピーカーメーカー、クリプシュからもiPodオーディオシステムがデビューしていました。

いっぽうで、純正のカーオーディオが気軽に交換できないという事実に対する提案も、ひとつのテーマになっていました。純正のデザインや機能を損なわず、いかによい音と便利な機能を盛り込むことができるか。それが実現できるかできないかで、今後のカーオーディオの盛衰も大きく変わってきそうですね。今後が楽しみです。

(文と写真=野村憲司)

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