【カーナビ/オーディオ】クルマで地上デジタル放送を楽しもう

2005.12.20 自動車ニュース

【カーナビ/オーディオ】クルマで地上デジタル放送を楽しもう

2003年12月1日に始まった地上デジタル放送(地デジ)が、開始から2年を経て徐々に視聴可能エリアを拡大。それにともない、車載用の地デジ・チューナーが各社から続々と発売されている。はたして地デジとはなんぞや、いま買いなのか、といったところを検証してみた。

■出そろった車載用 地デジチューナー

──春に発売したパナソニックに続き、カロッツェリア、アルパイン、イクリプスからも地デジ・チューナーが発売されましたが、そもそも地デジって何なんですか?

石田:今、多くの人が見ているテレビ放送は、VHF(30〜300MHz)という周波数帯で送信されているアナログ放送です。これに対して地デジはUHF(300〜3000MHz)の帯域を使い、映像&音声を0と1のデジタル信号に置き換えて送信する方式です。衛星から電波を送信するBSやCSと違い、地上の送信所から電波を送るから地デジ。走査線515本、横640×縦480ピクセル程度のSD(スタンダード・ディフィニション)と呼ばれるアナログ放送に比べて、地デジは横1920×縦1080ピクセルのHD(ハイ・ディフィニション)という高精細な映像を放送可能です。また、5.1chサラウンド放送、データ放送もできます。従来のアナログ放送のようにゴーストが出たり、電波の強弱によってノイズが出たりせずに、クリアな映像と音声でTV放送を楽しむことができます。

──この冬、一気に各社から車載用の地デジ・チューナーが発売されたのは、なぜでしょう?

石田:これまでは、関東・中京・近畿の一部でしか見られなかったんですが、今年(2005年)12月には世帯数の50%以上で見られるまでに視聴可能エリアが広がりました。また関東など、送信電波が弱かったエリアでもフルパワーで送信するようになったので、車載チューナーのエリアも大きく拡大され、発売が集中したのでしょう。ようやく、実用的になってきた、ということですね。
現在、地上放送は従来のアナログとデジタルの両方で放送されていますが、2011年7月にはアナログ放送が終了し、デジタル放送のみに切り替わる予定です。だから、いずれはすべて地デジ・チューナーに切り替える必要があります。

──えっ、そうなんですか? じゃあ、さっそく地デジ・チューナーを手に入れなきゃ。

石田:まあ、そうあせらずに。まだ5年以上あるわけですから。試しにクルマで地デジを見てみませんか? カロッツェリアHDDサイバーナビに車載用地デジ・チューナー・GEX-P7DTV(10万5000円)を接続したクルマを借りましたから。リアシート用にモニターが付いているので、それで地デジ放送を楽しんでください。じゃあ、出発します。(と、目黒通りから東名方面へ)

■どこまで映るか実際に走ってみた

──へぇ、きれいな映像ですね。アナログ放送だと横にトラックが並んだり、角を曲がったりしただけでも映像が乱れてしまっていたのでクルマでTVを見る気にはならなかったんですが、これならいけますね。郊外に向かって走っても、映像がまったく乱れない。

石田:以前は新宿から国道20号を調布方面に向かうと、環七の手前で受信できなかったりしたんですが、今は送信波がフルパワーになったおかげで、東京23区内ならほぼ問題なく受信できるようになりましたね。さすがにトンネルやアンダーパスでは映像&音声が途切れる場合もありますが、カロッツェリアの地デジ・チューナーは、デジタル・リバイズエンジンというデジタルデータのエラー補正技術で、途切れた音を補完したり、映像を補正したりするので、これ以上は受信が無理というギリギリまで、安定した受信ができるんです。では、東名を横浜方面に向かいます。

──(横浜IC付近で)周囲が開けているところではクリアに受信できますが、切り通しを抜ける時などは、ブロックノイズが出るようになりました。

石田:フィルムタイプのアンテナがフロントガラスに貼ってあるので、上り方向に比べて下り方向は受信状態が悪いんですね。だから下りはわりと早めに映像が途切れてしまいがち。それでも厚木あたりまでは、途切れ途切れになりながらも受信できますね。上りなら、厚木の手前あたりから安定した受信ができます。ちなみに中央道の上りは小仏トンネルを抜けたあたりで受信が可能になり、八王子あたりからはまったく途切れず、クリアに地デジ放送が楽しめます。

──ところで、このチューナーは、どんなTVにも接続できるんですか?

石田:出力端子を装備していますから、手持ちのカーTVに映像入力があれば、そこに接続して地デジ放送を楽しむことができます。また、S映像入力付きのカーTVならよりきれいな映像が楽しめます。D端子付きのカーTVは別売りの端子変換ケーブルを用意して、さらに高精細な映像を楽しむことができます。たとえばパナソニックの最上級HDDナビ=ストラーダFクラスは、VGAモニターを搭載しているし、D2端子を備えています。また同社の地デジ・チューナーもD2端子を持っていますので、地デジのハイクオリティをフルに引き出すことができます。

■買い時はいつ?

──もう買うっきゃないですね。これだけきれいな画像をみてしまったら。

石田:来年4月には携帯電話などでも楽しめる、移動体向けのワンセグという地デジ放送も始まります。映像のクオリティは320×240ピクセルと落ちますが、これが始まれば、より広範囲で安定した映像が楽しめるはずです。チューナーはまだまだ高価で、4〜5年後にはもっとリーズナブルな価格で購入できる可能性はありますが、これはパソコンなどと同じで、高価でも早くから楽しむか、いまは我慢して安くなるまで待つかってことですね。地デジを見たいと思ったときが買い時ってことではないでしょうか。

(文・写真=石田功)


付属アンテナは装着しても目立たないフィルムタイプ。2枚のフィルムアンテナを付属する。


操作はワイヤレスリモコンで。リモコン受光部も付属しているので映像入力を持っていれば、他社のTVに組み合わせることもできる。


リアシート用のモニターを用意すれば、前でカーナビ、後ろで地デジ放送を楽しむことができる。


プリセットしたチャンネルリストで選局できるほか受信可能な放送局のスキャンもできる


こちらはエリアリスト。電子番組表の表示もでき、チャンネル選びが簡単にできる。


チューナーはハイダウェイタイプ。シート下にも設置できるサイズだ。写真はゴルフVへの装着例。


HDD楽ナビにも接続可能。バスライン接続により、タッチパネルで操作ができる。

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