【ダカール・ラリー2006】「6連覇、11勝目は僕の手で」――増岡浩、ダカールラリー前に抱負を語る

2005.12.02 自動車ニュース

【ダカール・ラリー2006】「6連覇、11勝目は僕の手で」――増岡浩、ダカールラリー前に抱負を語る

“パリダカ”の名で知られる第28回ダカールラリーのスタートまで1ヶ月を切った2005年12月1日、3度目の総合優勝を狙う三菱のエース、増岡浩が都内で記者会見を開いた。

■「いい意味でリセットできました」

自身19回目のパリダカ出場で、2002、2003年に次ぐ3度目の総合優勝を狙う増岡。「三菱の6連覇、11勝目は僕の手で取りたいと思ってます」と、三菱が打ち立てた記録更新にも気合充分だ。


体調も万全という増岡。初優勝の時にナビゲーターを務めたパスカル・メモンが今回戻ってきた。「GPSが使える範囲が狭まったので、ナビゲーターの力も問われます。彼は攻撃的で元気がいいし、歳も同じで気が合うんです」

前回大会では、ラリーの半ばを過ぎてエンジンにトラブルが発生しリタイア。チームメイトのステファン・ペテランセルが優勝するのを見ながら悔しい思いを胸に帰国したが、「優勝したとき以上にまわりの方からあたたかい言葉をかけてもらえ、いい意味でリセットできました」と、日に焼けた顔で、いつものように穏やかに微笑む。
「ここ数年、首や肩が不調で、そのせいか気持ちにあせりのようなものがあったかもしれませんが、今回は体調も万全でのぞめそうです」と、優勝に向けて期待がもてそうだ。

■エンジン、サスペンション、駆動系を中心に

増岡をはじめ4人のドライバーが操る「三菱パジェロエボリューションMPR12型」は、2005年6月から、砂漠でのテスト、FIAクロスカントリーラリーワールドカップなどでの実戦を経験。本番の距離にも匹敵する1万1000kmを走破したという。

三菱自動車のモータースポーツチームを率いる中山修チームリーダーは、主にエンジン、サスペンション、駆動系を中心に改良したという。
前回増岡がリタイアした原因は、軽量化ピストンにあった。最新型では、エンジンのムービングパーツを新設計し、信頼性、耐久性の回復に努めるなど、各所に細かなリファインが施された。


記者会見の会場には、ひとつ前の型の「パジェロエボリューション」(レプリカ)が展示された。

■フォルクスワーゲンは強敵

現在5連覇中の三菱だが、決して勝負を楽観視しているようにはみえない。力をつけてきているフォルクスワーゲンを強く意識しているからだ。

今回、「VWレーストゥアレグ2」は1台増の5台体制を組み、WRC最多勝ドライバー、カルロス・サインツを筆頭に、ユタ・クラインシュミット、ブルーノ・サビー、ジニール・ドゥビリエら強力な布陣をしいてきている。

「彼らのテスト後のコースを見たのですが、轍が深くなっていて、所々で岩盤が見えるほど、そうとう走りこんでいましたね」という増岡。「前回レーストゥアレグに勝てたのは、パジェロの足まわりがよかったから。今回フォルクスワーゲンはサスペンションの改良に力を入れているようですから……」中山チームリーダーもライバルの出来が気になるようだ。


5連勝中の三菱は、増岡、ステファン・ペテランセルのエース陣と、リュック・アルファンとホアン・ナニ・ロマの4台体制。(写真=三菱自動車)

■ガソリン対ディーゼル

ガソリンエンジンのパジェロエボリューションに対し、レーストゥアレグはディーゼルエンジンを搭載している。
トルクにまさるディーゼルは、砂漠のスタックからの脱出などで優位だ。加えて「昔の技術のディーゼルにあわせたレギュレーション」(中山チームリーダー)により、エンジンへの空気流入を制限するリストリクター径もガソリンの方が狭く、ここでもディーゼルにアドバンテージがある。
「それでもパワーバンドはガソリンエンジンの方がまだ広い。これに耐久性を加えて戦っていきます」、中山チームリーダーはそう語った。

■コースはハイスピード、勝負は中盤までに決まる

今回のコースは、パリダカ初の上陸となるポルトガルを12月31日にスタート。1月2日のレグ3から場所をアフリカ、モロッコに移し、モーリタニア、マリ、ギニア、セネガルへと駒を進め、ダカールには1月15日にゴールする。全行程9043km、競技区間4813km。増岡は、「コースはハイスピード。マリに入ってからは追い抜きが難しくなるだろうから、勝負は中盤までに決まってしまうだろう」と予想する。


「パジェロエボリューション」は既に1万km以上のプログラムを消化。12月31日からの9000kmにおよぶ戦いに備えている。(写真=三菱自動車)

さらに、GPSの使用がかなり制限されるという。「主催者は、コースを高速にしながら、GPSを使わせないでミスコースを誘発させて、順位が大きく変わるようにしたいのでしょう」というのが増岡の分析だ。

増岡は、砂漠での長期戦では“力の強弱”が必要だというが、「いつもは90-95%の間でしたが、高速の今回はコンスタントに95%を維持しないと勝てないでしょう」と語る。

三菱はもちろん、日本のラリーレイドを引っ張るエースは、静かな闘志を燃やしながら、間もなく日本を離れ、本番車のシェイクダウンなど最終準備に取りかかるという。

(webCG 有吉)

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