【スペック】全長×全幅×全高=4455×1695×1470mm/ホイールベース=2525mm/車重=1230kg/駆動方式=FF/1.5リッター水平対向4SOHC16バルブ(100ps/5200rpm、14.5kgm/4000rpm)/価格=145万9500円(テスト車=153万8250円)

スバル・インプレッサスポーツワゴン1.5i Gパッケージ(FF/4AT)【ブリーフテスト】

スバル・インプレッサスポーツワゴン1.5i Gパッケージ(FF/4AT) 2005.11.26 試乗記 ……153万8250円総合評価……★★★★2005年6月、「インプレッサ」がフェイスリフトを受け、スバルが進める航空機をイメージした「スプレッドウインググリル」に変更された。ベーシックグレードのワゴンに試乗。


秋葉原にショールームを

インプレッサといえば、スパルタンなWRXを思い浮かべるだろうが、実は販売台数でいくと半数以上が1.5リッターモデルなのだ。さらにそのうち9割がワゴン。販売サイドでは「インプレッサ=1.5リッターワゴン」である。
売れている理由も明白だ。若者が手を出しやすいであろうこのセグメントでは、価格面でライバルに対して大きなアドバンテージがある。「トヨタ・カローラフィールダー」「日産ウイングロード」がそれぞれ153万3000円、149万3100円(1.5リッターベーシックグレード+4AT)に対して、インプレッサスポーツワゴンは135万4500円。さらにオートエアコン付きと、標準の装備にも不満はない。それ以前に語られるべきルックスも、ターゲットを若い人に絞っているせいか、デザインもあか抜けていて食いつきがよさそうだ。積載量を意識したユーザーよりは、ワゴンスタイルに惹かれる人をターゲットにする。やはりスバルというブランドは、ニッチなマーケットを狙うのが得意で、WRXの人気に便乗しているとはいえ、この“素”のスポーツワゴンも、居場所をうまく探し当てたようだ。
露出の機会さえ増えれば、ライバルたちを出し抜くことができるほどの実力はもっている。うまく若者にアピールすることが大事だろう。そう、たとえば最近なら秋葉原あたりにショールームを構えてみるのも、マニア受けするスバルは成功するかもしれない。



【概要】 どんなクルマ?

(シリーズ概要)
現行「インプレッサ」は2000年8月に発売された2世代目。しかし毎年のように各部の改良を行い、数度のフェイスリフトを受け、進化を続けている。2005年6月に行われたマイナーチェンジで、現在スバルブランドが進めている共通アイデンティティである、航空機をイメージした「スプレッドウインググリル」のフロントマスクに変更された。スポーツワゴンは、従来2リッターのNAユニットもあったが、現在は1.5リッターと2リッターターボの2種のみ。
(グレード概要)
「1.5i」はラインナップ中唯一のNAモデルで、その名の通り1.5リッターエンジンを搭載する。スポーティなWRXとエクステリアを異にする、プレーンなデザインのセダン/ワゴンである。駆動方式はFFと4WDの2種があり、さらにどのグレードにもMTとAT両方が用意される。1.5iはベーシックグレードで、上級「1.5i-S」はバケットシートやリアディスクブレーキなどが装着され、スポーティとなる。試乗車の「Gパッケージ」は人気装備をパッケージオプションとしたもの。






画像をクリックするとリアシートが折りたたまれるさまが見られます。

【車内&荷室空間】 乗ってみると?

(インパネ+装備)……★★★★
Gパッケージに装着される本革巻きステアリングホイールは、シルバーリング付きのレッドルミネセントメーターと共に、スポーティな演出に一役買う。さらに感触も良く、頻繁に触れる部分だけにちょっと得した気分になる。チルトはできるがテレスコピックが付かないところが残念。フロアの4ATはゲート式であるが、N→D→3が一直線上に並んでいる。頻繁にあるNとDの行き来は、目視せずにできるよう、切り方を変更してほしいところだ。
(前席)……★★★★★
今回のマイナーチェンジによって、ベージュの内装が加わった。ライフスタイルワゴンとしては、この追加は正解だろう。ライバルにはない、バケットタイプのシートも美点である。多少硬めの感触ではあるが、適度なサイドサポートとともに、座り心地は悪くない。運転席に付くシートリフターの可動幅が大きく、女性ドライバーでも位置決めはしやすいはずだ。
(後席)……★★★
前後長があまりない座面と、立ち上がった背もたれで、窮屈な姿勢を強いられる。可倒式シートなのでしょうがないところか。また後席用のドリンクホルダーがないあたり、ワイワイ家族向けではないかもしれない。後席中央シートには標準でヘッドレストが備わらず、2点式のシートベルトとなる。5人乗りなら5人分の安全装備があるべきで、こういうところは省略しないほうがいい。
(荷室)……★★★★
セダンにはない6:4分割可倒式リアシートや、ハッチゲートのおかげで、荷物の積み込みは簡便。しかし、スタイリングを重視した「スポーツワゴン」ゆえに、荷室容量に過度な期待はできない。リアシートを倒せば奥行きは170cmほどになるが、左右リアストラットタワーの張り出しが荷室を犠牲にしている。乗り味と引き替えということか。


【ドライブフィール】運転すると?

(エンジン+トランスミッション)……★★★
エンジンの振動が少なく、音も静かな水平対向ユニットは好印象。ただしトルクは物足りなく、高速道路の入口などの坂道で、変速せずに登ることは難しい。燃費は落ちるだろうが、ATのモードを「スポーツ」にするほうが自然に走ることができる。スバルのラインナップ中、インプレッサにしか採用されない1.5リッターエンジンは、主力エンジンと違っておいてきぼりの感がいなめない。もう少し開発に力を入れてくれるとうれしいところだ。
(乗り心地+ハンドリング)……★★★★★
このクルマで語るべきは価格よりも、秀逸なハンドリングかもしれない。なにせ上級「WRX」ゆずりのシャシーを持ち合わせているわけであるから、ライバルの「カローラフィールダー」「ウイングロード」とは一線を画す。サスペンションはそれほど硬くないが、シャキッとした乗り心地。ステアリングホイールには路面からの情報が十分に伝わって、ドライビングの楽しみが味わえる。コーナリング時のライントレース性能は、FFとしてはすばらしいデキだ。

(写真=荒川正幸)

【テストデータ】

報告者:webCG本諏訪裕幸
テスト日:2005年8月23〜25日
テスト車の形態:広報車
テスト車の年式:2005年式
テスト車の走行距離:5462km
タイヤ:(前) 195/60R15(後)同じ(いずれもブリヂストン ポテンザRE88)
オプション装備:ルーフスポイラー&HDDロービームランプ(7万8750円)
テスト形態:ロードインプレッション
走行状態:市街地(3):高速道路(5):山岳路(2)
テスト距離:349.3km
使用燃料:39.6リッター
参考燃費:8.8km/リッター

この記事の大きな画像を見るためには、画像ギャラリーをご覧ください。

関連記事
  • スバル・レヴォーグ2.0STI Sport EyeSight(4WD/CVT)【試乗記】 2016.10.17 試乗記 スバルのワゴン「レヴォーグ」に、「STI Sport」を名乗る最上級グレードが登場。一体、どんな走りを見せるのか? 排気量の異なる2タイプのうち、よりパワフルな2リッターモデルで、その実力を試した。
  • スバル・レヴォーグ1.6STI Sport EyeSight(4WD/CVT)【試乗記】 2016.10.4 試乗記 「STI Sport」とは、STIとのコラボレーションによって走行性能と質感を高めた、「レヴォーグ」の最上級グレードのこと。170psと“実用的”なパワーを持つ1.6リッター仕様のステアリングを握り、その走りをじっくりと味わった。
  • スバル・レヴォーグSTI Sport(4WD/CVT)【試乗記】 2016.7.20 試乗記 「スバル・レヴォーグ」にSTI(スバルテクニカインターナショナル)が手がけた新グレード「STI Sport」が登場。“台数制限ナシ”で販売されるカタログモデルの「STI」の出来栄えと、そこに込められたスバルの思惑をリポートする。
  • トヨタC-HRプロトタイプ【試乗記】 2016.11.14 試乗記 成長著しいコンパクトSUV市場に、トヨタが満を持して送り出すニューモデル「C-HR」。そのプロトタイプにクローズドコースで試乗。“攻め”のスタイリングと入念にチューニングされたシャシー&パワーユニットに、トヨタの意気込みを感じた。
  • スバルWRX S4 tS NBR CHALLENGE PACKAGE(4WD/CVT)【レビュー】 2016.11.30 試乗記 STI史上最強の「S207」に準ずる運動性能を身につけながら、快適性も考慮されたというコンプリートカー「スバルWRX S4 tS」。STIのスポーツパーツを全身にまとったその走りを、「NBR CHALLENGE PACKAGE」で試した。
ホームへ戻る