第239回:フェラーリF430スパイダー初試乗 ビックリ! コイツは“走る舞台芸術”だ!!

2005.11.17 小沢コージの勢いまかせ!

第239回:フェラーリF430スパイダー初試乗 ビックリ! コイツは“走る舞台芸術”だ!!

 
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■オモチャっぽい!

いやはやびっくりこきましたよF430スパイダー! 新車のフェラーリに乗るのは久々なんだけど、もはやコイツは乗り物じゃありませんね。同乗したグランツーリスモ山内クンも言ってたけど、まさに“走る楽器”であり、俺に言わせりゃ“走る舞台芸術”。というのも、乗ればまさしくF1気分で、ホントの速さだの、カッコだのはどうでもよくなるんだもん。さすがは世界最高のスポーツカーブランド「フェラーリ」であり、快楽の国、イタリア産。世界の超高級スポーツカーが進化する、ひとつの方向を示しているような気がしました。
ようするにそれは“夢の実現”という方向。

最初っからいままでのフェラーリとはちょっと違うと思ってたのよね。「360モデナ」ぐらいまでは単純に美しいと思ってたスタイリングだけど、430はどうにも凹凸が激しくオモチャっぽい。インテリアにしても、わかりやすくカーボンパネルを使ってたり、黄色い大きなタコメーター配してたり、「F430」ってデカくロゴが入ってたり、少年心をくすぐる。ステアリングに付いた最新ハイテクデバイスの「マネッティーノ」のコントローラーにしても、ほとんどゲーム機。その昔、新しいオモチャを手にした瞬間のようなワクワク感が、見るだけでわき出てくるのよ。

 
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■まさしくF1マシン!

それからなんっつっても“音”だよね。山内クンが“楽器”と称したのももっともで、スターターボタンを押した時から「ウォン!ウゥゥゥゥ……」って感じでまさしく野獣が目を覚ましたように「なんだコレは!」感ビシバシ。走り出せばさらに強烈。ギアボックスは最新型の6段セミATで簡単に発進すると、普通に走っていてもそこそこ排気音はうるさい。そこからさらにアクセルペダルを踏みこんだらもう別世界!! ヴウォン、ヴヴヴヴヴヴアアアァァァァァァコォォォォォォォォ……! って感じで、空に飛んでく勢いなのだ。

「まさしくコレはF1!」「俺はいま、F1マシンに乗ってるんだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」って思わせること必至!! ま、カン違いなんだけどさ。
そのほか、ボディはフルカーボンモノコックで超ボディ剛性が高い上、足まわりも締まってるから、街中レベルじゃ全然ロールしない。しかし硬いクセに、乗り心地よろしく「きっとF1もこんな風に違いない」と思わせる。いや、なんせ乗ったことないんで。
ステアリングも軽いんだけど、過剰なくらいにダイレクト&シャープでこれまた「F1だ!」気分。

きっとね。サーキットでプロドライバーが走ったら、感想も変わってくるんだろうけど、素人に毛の生えたドライバーレベルでは、これはまさしく“路上を走るF1マシン”そのものでしたね。使い古された言葉だけど。

 
第239回:フェラーリF430スパイダー初試乗 ビックリ! コイツは“走る舞台芸術”だ!!

■カン違いしまくり

でもね。その昔のフェラーリが「イタリアのよくできた、速い上質そうなクルマ」だとしたら、今は明らかに「ガキっぽいくらいにF1イメージをつなぐ、ハイテクスーパーマシン」。なんていうかな。その昔フェラーリのお高い車両価格の一部は「スクーデリアF1の活動資金になってる」って言われてたけど、F430スパイダーはそこんとこがますます増長してる。つまり「俺が今乗ってるのがまさに“路上のF1”で、同胞シューマッハが乗ってるのは“サーキット版F430”だ!」と思わせんばかりに、イメージがバッチリつながってるのだ。
ようするにこのクルマは単なるクルマじゃなくて、まさに“走るF1舞台芸術”! 世界でやってるF1グランプリも、俺がこのクルマに気持ちよく乗るための演出の一部に過ぎないのだぁ! って気もしてくるのだ。まさに主客転倒! おお間違いだけど。

でもね。青山トンネルの中を走った時は最高だったわ〜。ただでさえ、ウソみたいにF1っぽく演出された排気音が、トンネルの中をハチャメチャに反響して「ウヴヴァアアアアアアアアアアア……ァァァァァァァァァ……♪」と音の洪水になり、洗濯機にブチ込まれたよう!
「俺は今、モナコのトンネルをフェラーリF1で走ってるんだーー!」ってカン違いさせてくれること間違いなし。

ほとんど、ロボットアニメの見すぎで夢の中でロボット操縦してる少年ってのと同じだけどね。よく見ると作りはさほどお金がかかってないみたいだし、いわゆるドイツ車的高品質カーとはちと違う。でもね。こういうクルマもアリ。っていうかお金余ってたら「ちょっと欲しいな」っていうクルマでしたよ。ふぅ〜。

(文と写真=小沢コージ/2005年11月)

小沢 コージ

小沢 コージ

神奈川県横浜市出身。某私立大学を卒業し、某自動車メーカーに就職。半年後に辞め、自動車専門誌『NAVI』の編集部員を経て、現在フリーの自動車ジャーナリストとして活躍中。ロンドン五輪で好成績をあげた「トビウオジャパン」27人が語る『つながる心 ひとりじゃない、チームだから戦えた』(集英社)に携わる。 ホームページ:『小沢コージでDON!』

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