【WRC 2005】第16戦オーストラリア、トップランカーの脱落でデュバルが初優勝!

2005.11.14 自動車ニュース

【WRC 2005】第16戦オーストラリア、トップランカーの脱落でデュバルが初優勝!

世界ラリー選手権(WRC)第16(最終)戦ラリー・オーストラリアが、2005年11月10日〜11月13日、西オーストラリアの州都パースを舞台に開催された。

ステージはナローかつ高速なレイアウトで「ボールベアリングロード」と称されるとおり、球体状の小石が路面に散乱。そのため、数多くのドライバーが足もとをすくわれ、次々に脱落していった。
そんななか、シトロエンの2号車を駆るフランソワ・デュバルがレグ2でトップに浮上。波乱のサバイバル戦を無傷で走り抜き、待望の初優勝を飾った。

■ロウブ、グロンホルムが初日でリタイア

コルシカ、カタルーニャのターマック2連戦から一転、オーストラリアの赤土ロードで最終戦を迎えた。

今大会でもっとも注目を集めたのは、フォードのニューマシン「フォーカスRS WRC06」。詳細は発表されていないものの、両サイドにエアダクトを設けたボンネット、両端を切り落としたリアフェンダー、大型のリアウィングなど大胆なフォルムに変身。ストロークを確保するためにレイアウトを変更したのか、フロントサスペンションにも大幅に手を加えられたようである。
そのほか、エンジンも低速重視の味付けになっているようで、今回はテスト参戦にも関わらず、10日に行われた2本のスーパーSSではコーナーの立ち上がりで鋭い加速を披露。3号車を駆るトニ・ガルデマイスターはSS2でセカンドベストをマークした。

しかし、フォードは05年モデルのエンジンに乗せ換えていなかったことから、06年モデルを駆るガルデマイスターとロマン・クレスタには30秒のペナルティが加算されてしまった。

これに対して幸先の良いスタートを切ったのはスバルのペター・ソルベルグで、2番手にプジョーのマーカス・グロンホルムが続いた。
3番手と4番手はフランソワ・デュバル、セバスチャン・ロウブのシトロエン勢で、5番手に三菱のハリ・ロバンペッラ、6番手にスバルのクリス・アトキンソンがつけた。

翌11日は林道ステージを舞台に本格的な競技がスタートしたが、予想外のハブニングが続出。まず、SS3でプジョーの8号車を駆るダニエル・カールソンがコースアウト。マシンを炎上させそのままリタイアした。またSS3、SS4でベストタイムを叩き出しトップを守っていたアトキンソンもSS6でステアリングのトラブルに見舞われ6番手に後退した。

さらにSS7ではグロンホルムがサスペンションを破損。リエゾン区間で地元警察に走行不可能と判断され、安全上の理由でリタイア。SS7、SS8を制してトップに立ったロウブもSS9でコースアウト、マシンを立木にヒットさせて戦列を去った。

結果、ソルベルグがトップでレグ1をフィニッシュし、2番手にデュバル、3番手はシュコダの12号車で今季2度目の復帰参戦を果したコリン・マクレー。ロバンペッラが4番手、クサラWRCを駆るプライベーターのマンフレッド・ストールが5番手につけた。

■カンガルーに激突! ソルベルグの脱落で“三強”全滅

まさに波乱の幕開けとなったラリー・オーストラリアだが、翌日のレグ2でもハプニングは続いた。「すべてはパーフェクトだったのに。避けようがなかった」と語るトップのソルベルグがSS14で突然前に飛び出してきたカンガルーと激突。マシンを破損し、そのままリタイアした。

これで“三強”のすべてが脱落し、かわってデュバルがトップでレグ2をフィニッシュ。ロバンペッラVSマクレーの2番手争いはマクレーに軍配があがり、4番手にストール、5番手に三菱のジジ・ガリが浮上した。

そして迎えた最終レグでは、この日のセカンドステージとなるSS22でマクレーがコースアウトし3番手に後退、午前中のループを終えてサービスへと帰還したものの、クラッチ交換の際にエンジントラブルが発生。マクレーは午後のループを走ることなくラリーを終えた。

結局、「優勝できる日をずっと待っていたから本当に嬉しいよ。シトロエンと両親に感謝したいね」と語るデュバルがポジションを守り抜き、最終戦で今季初優勝を獲得した。
ロバンペッラが2位入賞を果たし、三菱が開幕戦モンテカルロ以来の表彰台を獲得した。

3位はストールで第6戦キプロス以来の快挙を達成。レグ1で出遅れたアトキンソンが脅威の追走で4位に入賞、ガリが5位でフィニッシュした。

なお、ニューマシンの投入で注目を集めたフォード勢は、ガルデマイスターがSS24でステージウインを獲得したものの、SS25でウォーターポンプにトラブルが発生し、コース脇にストップ。チームメイトのクレスタが6位入賞し、デビュー戦でポイントを獲得した。

■新井敏弘が今季4勝目、PCWRCチャンピオンに!

同時開催のプロダクションカー世界ラリー選手権(PCWRC)では、6位以上で入賞すれば無条件にチャンピオンが決まる新井敏弘が、2本のスーパーSSを経てトップに浮上。SS3以降は慎重な走りに徹しマーク・ヒギンズに交わされ2番手に後退したが、ランキング2位のマルコス・リガトがSS3のクラッシュでレグ1を離脱したため、新井にとって楽な展開となった。

3番手にガブリエル・ポッゾ、4番手にアキ・テイスコネンが続き、注目の日本人ドライバー、奴田原文雄がランサー勢のトップとなる5番手でレグ1をフィニッシュした。

翌日のレグ2では3番手のポッゾがSS12のパンクで5番手に後退、トップのヒギンズもSS14でパンクし2番手に後退した。

結果、「マークは意識してないから、今日もペースを落として走ったよ」と語る新井がリスクを避けながらトップを奪還。テイスコネンがヒギンズを交わして2番手に浮上、ポッゾも4番手まで追い上げており、「今日はタイヤがマッチしなかった」と語る奴田原は前日と同様に5番手でレグ2をフィニッシュした。

そして迎えた最終レグでも新井は最後までポジションをキープ。「ここまで本当に長かったよ。嬉しさとほっとした……という気持ちが半分ずつかなぁ」と語る新井が今季4勝目とPCWRCのタイトルを獲得。日本人初のラリー世界チャンピオンに輝いた。

なお、SS22でコースアウトをきっしたテイスコネンにかわって、ヒギンズが2位に入賞。ポッゾが3位で表彰台を獲得し、「完走できてほっとしました」と語る奴田原が4位でフィニッシュした。

(文と写真=廣本泉)


オーストラリアで話題をさらったフォードの新型フォーカス「RS WRC06」。ロマン・クレスタが6位でフィニッシュし、デビュー戦を入賞で終えた。


ハリ・ロバンペッラが総合2位でゴール、三菱の今季最高位を獲得した。


シュコダで今季2度目の復帰参戦を果したコリン・マクレー。ロバンペッラと2位争いを繰り広げるほど活躍したが、コースアウトし戦列を去った。


念願のPCWRCタイトルを最終戦で手に入れた新井敏弘(左)。

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