【スーパーGT 2005】最終戦、最終周の息詰まる展開を制した立川/高木組スープラが初代チャンピオンに!

2005.11.07 自動車ニュース

【スーパーGT 2005】最終戦、最終周の息詰まる展開を制した立川/高木組スープラが初代チャンピオンに!

逃げるNo.38 ZENTセルモスープラ(立川祐路/高木虎之介組)か、迫るNo.1ザナヴィニスモZ(本山哲/リチャード・ライアン組)か? 先に勝利のチェッカードフラッグを受けると、同時にシリーズタイトルも手に入る……。
2005年11月6日、三重県・鈴鹿サーキットで最終戦を迎えたスーパーGTは、ファイナルラップでNo.38とNo.1のトップ2台が、優勝争いだけでなく、タイトル争いをも展開し、文字どおり“ガチンコ勝負”となった。

激しい雨で周回数が減るという悪天候のなか、終始速さと強さを武器にしたのがNo.38スープラ。ポールポジションスタートからそつのないレース運びを見せ、怒涛の追い上げで詰め寄るNo.1 Zをシャットアウト。今季3度目の勝利とともにシリーズタイトルを獲得した。

2位のNo.1 Zにつづいたのは、No.6エッソウルトラフロースープラ(脇阪寿一/飯田章組)だった。
GT300クラスは、No.11 JIM GAINER FERRARI DUNLOP(田中哲也/パオロ・モンティン組)が初優勝を飾った。

■コースレコードを塗り替えたNo.38スープラがPP

秋晴れの天気に恵まれた予選日。GT500では、No.12カルソニックインパルZの井出有治がダンロップコーナーでマシンコントロールを失い、マシンを大破するアクシデントが発生。赤旗中断となったが、再開後は各車とも次々とベストタイムをマークし、ポジションが大きく変動した。

そのなかでコースレコードを更新する好タイムを刻んだのは、No.6スープラ。これにNo.38スープラ、No.37 OPEN INTERFACE TOM'S SUPRA(片岡龍也/山本左近組)がつづき、スープラ勢が予選1回目を独占した。

午後からのスーパーラップ(SL)では、No.6スープラの脇阪より先にコースインしたNo.38の立川がキレのいい走りを見せた。予選1回目で3位となったNo.37山本がひと足先にトップタイムを更新していたが、それをセクターごとに削り取る仕事ぶり。更新されたばかりのコースレコードを上回り、最終的にポールポジションを手にした。
最後のアタッカーNo.6も懸命の走りを見せたが僅かにおよばず、2位となった。

いっぽうGT300クラスは、No.31吉兆宝山MR-S(田中実/中嶋一貴組)が今季初のクラスポールポジション。また、タイトル獲得の権利を持つ3台は、No.0 EBBRO M-TEC NSX(黒澤治樹/細川信弥組)が3位と好位置を確保したが、No.43 ARTA Garaiya(新田守男/高木真一組)は7位、No.30 RECKLESS MR-S(佐々木孝太/山野哲也組)に至ってはSLへの進出もできず14位に沈んだ。

■悪天候でレース短縮、セーフティカー・スタートに

決勝日、朝のフリー走行は曇天のもとスタート。中盤からポツポツと雨が落ち始めたが、ほとんどのマシンはスリックタイヤのままだった。
しかし、午後2時からのスタートを前に、雨あしは強まるいっぽう。強風と相まって台風さながらの荒れ模様となったため、コース確認の練習走行時間が設けられ、さらにスタート・ディレイが宣告された。
だが、状況が一向に改善されず、その後何度かディレイを繰り返し、レースが始まったのは午後2時53分。しかも当初の予定周回数52周から39周へと短縮され、加えて、“セーフティカー・スタート”の形式がとられ、最低3周以上セーフティカーが先導することになった。

コーションランプを点灯させながらセーフティカーが44台のマシンを先導。結局4周を走り終えて、ピットロードへと戻ったのだが、その後方から6台のマシンがピットイン。次々とドライバー交代を行った。実はこれ、想定外のピットインではなく作戦に則ったもの。今回、周回数は短縮されたが、ひとりのドライバーが走行可能な規定周回数は通常どおりの35周であったため、タイムロスが少ない間に交代し、レースに復帰するのが狙いだったのだ。

次の周にはトップのNo.38スープラ、さらに2番手のNo.6スープラもピットイン。最終コーナーにより近いピットに陣取るNo.6がNo.38の鼻先を押さえ、ピットレーンで逆転に成功した。
だがその1周後、No.6は最終コーナーでスピンしていたGT300のマシンをかわそうとし、自らもハーフスピン。これでポジションを下げてしまった。

ドライバー交代を序盤に行わなかったチームのなかで、雨を得意とするドライバーでスタートしたチームが徐々に上位へと浮上。少しでも後方とのマージンを築きたいところだったが、中盤を前に、スプーンカーブ先でクラッシュした車両から負傷したドライバーを搬送するため、再びセーフティカーがコースイン。これでピットインを済ませている後方車両との差が一気に縮まってしまった。

加えて、ポイントリーダーだったNo.8 ARTA NSX(伊藤大輔/ラルフ・ファーマン組)には、他車との接触行為によるドライブスルーペナルティの判定が下り、タイトル獲得の可能性は薄らいだ。

■優勝とタイトル決定戦は、劇的な終焉を迎えた

中盤を過ぎると雨もあがり、コースコンディションも改善し始めた。そのなかですでにピット作業を終えているマシンは、セーフティカーを味方にして確実にポジションを挽回。ラスト10周を切る頃にはNo.38が2位へ、そしてその後方にはNo.1が大きくポジションを上げて逆転タイトルへの執念を見せた。

長らくトップを走っていたNo.36 OPEN INTERFACE TOM'S SUPRA(土屋武士/ジェームズ・コートニー組)がドライバー交代でようやくピットイン。これにより、ラスト4周による一騎打ちが幕を開けた。

No.38とNo.1の差は3.7秒。僅かながらも追いかけるNo.1のペースが速く、その差を削り取っていく。
セミファイナルラップでは、周回遅れのマシンをかきわけるNo.38に、No.1が一気に迫り、ついに1.4秒差へ。
No.1がタイトルを獲るには、自力優勝が必須。ファイナルラップのデグナーカーブでは、目前の獲物を0.7秒差まで追い詰める息詰まる攻防戦へと持ち込んだNo.1だったが、勝負に出た130Rの飛び込みで周回遅れを避けるためにコースを大きく外して走行することとなり、万事休す。No.38が今季最多の3勝目をあげると同時に、スーパーGT初代シリーズタイトルをも手中に収めた。

2位のNo.1はシリーズ3位タイ(もう1台はNo.36)。今回、ノーポイントに終わったNo.8がシリーズ2位となった。

■GT300、冴えたピット作業を味方に田中/モンティン組が初優勝

GT300で、予選クラス8位だったNo.11フェラーリが勝利したのは、的確なピットインのタイミングによるものだった。
ドライバー交代を予定し、準備していたさなかにセーフティカー。クラストップの2台、No.31 MR-SとNo.13エンドレスアドバンZ(木下みつひろ/影山正美組)はすぐさまピットインしたが、No.11は次の周に遅らせた。

実は、セーフティカーが先導し、隊列がメインストレートを通過する間、ピットロード出口には赤信号が点灯する。No.11はこの規則を味方につけ、タイムロスすることなくピット作業を終了。見事クラストップに収まり、レースを逃げ切った。

いっぽうタイトル争いでは、自力優勝しか残っていなかったNo.0 NSXはレースを2位で終了。シリーズランキングも2位となった。

3位に入ったのがNo.30 MR-S。セーフティカー・スタートを利用し、スタートドライバーの佐々木孝太は4周終了でピットイン。あとのすべてを山野哲也に託した。
レース序盤こそ、No.0とNo.43が攻防戦を展開する様子を背後から遠く眺める状態だったが、中盤、No.43が一か八かの大勝負に出るタイヤ交換で、一旦後退。その隙にじわりじわりとポジションをあげ、ついに3位まで浮上した。

結局、No.43はタイヤ交換の成果を活かせずにクラス8位でチェッカー。No.30が3位でゴールし、シリーズタイトルを獲得した。

スーパーGT2年目となる来シーズンは、8月の鈴鹿1000kmレースをシリーズ戦に組み込み、全9戦で開催される。開幕戦は、2006年3月19日、鈴鹿サーキットの予定だ。

(文=島村元子/写真=KLM Photographics J)

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悪天候にスタートは遅れ、セーフティカーに先導されながらレース開始。その後再びセーフティカーが登場し、作戦に明暗が出た。

悪天候にスタートは遅れ、セーフティカーに先導されながらレース開始。その後再びセーフティカーが登場し、作戦に明暗が出た。

2005年の最終戦、強く降りしきる雨にもかかわらず、大勢の観客が鈴鹿サーキットを訪れた。

2005年の最終戦、強く降りしきる雨にもかかわらず、大勢の観客が鈴鹿サーキットを訪れた。

GT300クラスは、No.11 JIM GAINER FERRARI DUNLOP(田中哲也/パオロ・モンティン組)が初優勝を飾った。ランキングはクラス4位だった。

GT300クラスは、No.11 JIM GAINER FERRARI DUNLOP(田中哲也/パオロ・モンティン組)が初優勝を飾った。ランキングはクラス4位だった。

GT500チャンピオンの立川祐路(左)と高木虎之介。立川にとっては全日本GT選手権時代の2001年に次ぐ2度目、フォーミュラから転向した高木にとっては参戦初年度で手に入れたGTタイトルだった。

GT500チャンピオンの立川祐路(左)と高木虎之介。立川にとっては全日本GT選手権時代の2001年に次ぐ2度目、フォーミュラから転向した高木にとっては参戦初年度で手に入れたGTタイトルだった。

今回3位に入ったNo.30 MR-Sの佐々木孝太(左)と山野哲也が、GT300のタイトルホルダーに。
トヨタはGT500、300両クラスのダブルタイトル獲得に成功した。

今回3位に入ったNo.30 MR-Sの佐々木孝太(左)と山野哲也が、GT300のタイトルホルダーに。トヨタはGT500、300両クラスのダブルタイトル獲得に成功した。

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