【東京モーターショー2005】「森口将之はこう見る!」
マセラティ・バードケージ75

2005.10.26 自動車ニュース

【東京モーターショー2005】「森口将之はこう見る!」マセラティ・バードケージ75

自動車ジャーナリストが気になるクルマを紹介する「オレはこう見る!」。森口将之は、コンセプトカー「マセラティ・バードケージ75」に注目。過去の遺産を使ったと陰口をたたくのではなく……。

■今昔のアイディアを盛り込んだ

1950年代終わりから60年代はじめにかけての、マセラティを代表するレーシングスポーツ「バードケージ」。鳥カゴを意味するニックネームどおり、細い鋼管を複雑に溶接したフレームが特徴で、実戦でも活躍した。
そんなバードケージが、ピニンファリーナ75周年を記念して復活! マセラティファンのひとりとして、たまらないデキゴトだ。

たしかにその実態は「MC12」、つまり「エンツォ・フェラーリ」をベースとしたコンセプトカーで、鋼管スペースフレームなど使っていないのだが、コクピットにはちゃんと鳥カゴが。それに前後のオーバーハングが短く、フェンダーはこんもり盛り上がり、ウインドスクリーンがフロントエンドまで伸びたフォルムは、ミドシップ・バードケージの第一作「ティーポ63」のデザインをしっかり再現している。

しかもこのスタイリングでクーペボディとするために、フロントからルーフまでをもろとも前にずらすように開閉してドアにしているなど、完全に昔のままとはせず、新しいアイディアを投入している点も見逃せない。

■小型モデルに期待

「クワトロポルテ」に「グランスポーツ」に「バードケージ」。最近のマセラティは過去の遺産ばかり使っていると、陰口をたたく人もいる。でも、その過去が偉大だったのは疑いないことだし、フェラーリと違って戦前生まれの長い歴史を持っているんだから、許されるべきだろう。むしろそのほうが、一歩引いたところでスポーツマインドを堪能する、マセラティのブランドイメージに似合っているように思う。

今度はもっと小型の、そう同じバードケージでもフロントエンジンの「ティーポ60」や「61」のようなスポーツカーを出してほしい。自分だけの意見じゃない。以前マセラティクラブオブジャパンの会長さんにお話をうかがったときも、そのようなことを口に出されていた。みんなの願いなのだ。

そういえばマセラティは、最近フェラーリからアルファ・ロメオへとパートナーを換えた。いままでよりも小型のモデルを開発するベースができたといえる。そう考えると、もしかしたらさっきの願いが実現するかもしれない。そんな期待さえ抱かせてくれる、バードケージの復活だった。

(文=森口将之)

 
【東京モーターショー2005】「森口将之はこう見る!」マセラティ・バードケージ75の画像

乗降時にはこのようにドア(?)が開く。
 

	乗降時にはこのようにドア(?)が開く。
	 

この記事の大きな画像を見るためには、画像ギャラリーをご覧ください。