【東京モーターショー2005】「コレはゼッタイ」
メルセデス・ベンツF600ハイジェニウス

2005.10.25 自動車ニュース
 

【東京モーターショー2005】「コレはゼッタイ」メルセデス・ベンツF600ハイジェニウス:メルセデスが提案する次世代ゼロエミッションカー

燃料電池車で世界をリードするメルセデス・ベンツが、新しい時代に提案するコンパクトなリサーチカーが「F600ハイジェニウス」だ。



 

■環境対策の選択肢は多いほうがいい

世界的な環境意識の高まりと、原油高による低燃費志向により、ヨーロッパでは燃焼効率が高く低燃費のディーゼルエンジンがシェアを伸ばし、一方、アメリカでは従来のガソリンエンジンの2倍近い低燃費を実現するハイブリッドが人気。さらに交通が集中する場所での環境汚染を解消するために、排ガスを出さないゼロエミッションビークル(ZEV)も、急ピッチで開発が進められている。メルセデスも例外ではなく、ディーゼルエンジンはもちろんのこと、ハイブリッドについてはGMやBMWとタッグを組むことを宣言しているし、ZEVについても燃料電池メーカーのバラード社やフォードとともに実用化を急いでいる。



 

■ワールドプレミアは燃料電池車

そんな取り組みをアピールすべく、メルセデス・ベンツがここ東京モーターショーに持ち込んだのが、V6ディーゼルを搭載する新型Sクラス「S320CDI」と燃料電池車のコンセプトモデル「F600 ハイジェニウス」である。前者は、クリーンな排ガスを誇る最新のディーゼルモデルを来年にも日本で発売することから、そのエンジンのクリーンさや洗練されたマナーをアピール。一方、後者は東京モーターショーが世界初公開となるリサーチカーで、燃料電池車についてもメルセデスが世界をリードするメーカーであることを示すには格好の話題となった。



 

■改良を重ねてさらに魅力的なクルマに

F600ハイジェニウスに搭載される燃料電池は、従来に比べて約40%の小型化が図られており、強力なリチウムイオン電池と組み合わされて、最高出力85kW(115ps)、最大トルク350Nm(35.7kgm)を発揮する。さらに新開発の加湿・除湿システムによって、より高い効率とコールドスタート性能を手に入れた。システムは、必要な電力に応じて、燃料電池とバッテリーのそれぞれから、または、両方から電気を取り出しモーターを駆動する。また、減速時にはモーターが発電機の役割を果たすことでクルマの運動エネルギーを電気に変換して再利用する。

■移動電源としてのF600ハイジェニウス

クルマを駆動するための燃料電池スタック、水素ボンベ、モーター、コントローラーなどはすべて床下に配置。それだけに、全長4348mmの比較的コンパクトなボディながら、室内は広々している。さらにこの発電システムは、燃料電池による移動型発電ステーションや、アウトドアでのポータブル電源としての役割を果たすことができる。この東京モーターショーがワールドプレミアということで、まだこのクルマの具体的なテストは始まっていないようだが、そう遠くない将来、到来するはずの燃料電池車の時代に向けて、楽しい提案がなされることはもちろん歓迎。必ずしも未来が悲観的でないことを示す材料を増やしてほしい。

(文=生方聡/写真=高橋信宏)

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