【東京モーターショー2005】「コレはゼッタイ」
フォルクスワーゲン・エコレーサー

2005.10.25 自動車ニュース
 

【東京モーターショー2005】「コレはゼッタイ」フォルクスワーゲン・エコレーサー:エコロジーの新しい姿を見せてくれるスポーツカー

コンパクトなスポーツカーは、極めて低い燃費と高いドライビングプレジャーを両立した意欲的なコンセプトモデル。



 

■VWのスポーツカーはダウンサイジング

外国勢のなかではこのフォルクスワーゲンも、東京モーターショーのたびにワールドプレミアを持ち込んでいる。前回はW12エンジン搭載のスーパースポーツがブースを飾ったが、今回用意されたふたつのワールドプレミアは、いずれもコンパクトなスポーツモデルだった。ひとつはゴルフの弟分にあたるポロに1.8リッターの直列4気筒ターボを搭載した「ポロGTI」で、「ゴルフGTI」を彷彿とさせるフロントマスクが人目を引く。そしてもうひとつが、当日までその中身が明らかにされなかったコンセプトモデル「エコレーサー」である。なんとこのクルマ、最高速度230km/h、0-100km/h加速6.3秒を誇りながら、100kmあたりの消費燃料はわずか3.4リッターという超エコカーなのだ。



 

■変幻自在のスタイリング

そんなデータを知らなくても、そのスタイリングを見れば、エコレーサーの素晴らしさは直感的にわかる。全長3770mm、全幅1740mm、全高1210mmのコンパクトかつ超ワイド&ローのクーペプロポーションは見るからにスポーティ。ボディはカーボンでつくられており、車両重量も850kgと超軽量だ。驚くのはこれだけではない。簡単な操作でTバールーフとテールゲートを外してロードスターに変身させることが可能。さらにフロントウインドーを取り外して低いフロントバイザーに交換すれば、レーシングカーのようなスピードスターに姿を変えることもできるのだ。



 

■熱いハートは未来型ディーゼルエンジン

この軽量コンパクトなボディを瞬く間にハイスピードに誘うのは、なんと1.5リッターの直噴ターボディーゼルエンジンだ。最高出力136ps/4000rpm、最大トルク25.5kgm/1900-3750rpmの高性能を誇るだけでなく、今後の排ガス規制をクリアするクリーンさを併せ持っている。そのうえ、合成燃料の使用にも対応する柔軟性を備えている。組み合わされるトランスミッションは、ゴルフGTIにも採用される2ペダルマニュアルのDSG。軽量ボディ、高効率ディーゼルエンジン、そして、マニュアルトランスミッションを凌ぐ燃費を実現するDSGを組み合わせることにより、3.4リッター/100kmを実現している。

■エコロジーとスポーツは両立できる

サスペンションは、前:ダブルウィッシュボーン、後:4リンクという組み合わせで、リアサスペンションはゴルフに採用されるものをベースにつくり上げられている。これだけ軽量化が図られたボディに高性能エンジンを搭載したエコレーサーなら、見かけどおりにスポーティなパフォーマンスが期待できる。VWは100kmを3リッターで走る“3リッターカー”を実用化したり、さらに低燃費の1リッターカーを試作しているが、このエコレーサーは環境へ配慮しながら、スポーツカーを諦めないという新しいスタイルを提案してくれた。このコンセプトカーは実走可能とのことだが、ぜひ、実用化を目指してほしいものだ。エコロジーとスポーツが両立できることを示す意味でも。

(文=生方聡/写真=高橋信宏)

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