【スペック】A6アバント 4.2quattro:全長×全幅×全高=4935×1855×1475mm/ホイールベース=2845mm/車重=1940kg/駆動方式=4WD/4.2リッターV8DOHC40バルブ(335ps/6600rpm、42.8kgm/3500rpm)/価格=941万円(テスト車=同じ)

アウディA6アバント2.4(CVT)/3.2FSIクワトロ(6AT)/4.2クワトロ(6AT)【試乗記】

まだあった! 「繊細なアウディ」 2005.07.16 試乗記 アウディA6アバント2.4(CVT)/3.2FSIクワトロ(6AT)/4.2クワトロ(6AT)……674万円/792万円/941万円セダンから約9か月遅れて、「アウディA6」のワゴン版となる「アバント」が日本に上陸した。先代に比べると大幅にボディが拡大され、ラゲッジ容量も増えたアッパーミドルワゴンの3グレードに試乗した。
自動車ジャーナリストの森口将之
 
自動車ジャーナリストの森口将之
	 
【スペック】
A6アバント 2.4:全長×全幅×全高=4935×1855×1475mm/ホイールベース=2845mm/車重=1730kg/駆動方式=FF/2.4リッターV6DOHC24バルブ(177ps/6000rpm、23.4kgm/3000-5000rpm)価格=586万円(テスト車=674万円/レザーパッケージ=35万円/プラスパッケージ(手動サンブラインド+アコースティックパーキングシステム+パドルスイッチ付き本革巻きステアリングホイール)=18万円/バイキセノンパッケージ=18万円/電動ガラスサンルーフ=17万円)
 
【スペック】
	A6アバント 2.4:全長×全幅×全高=4935×1855×1475mm/ホイールベース=2845mm/車重=1730kg/駆動方式=FF/2.4リッターV6DOHC24バルブ(177ps/6000rpm、23.4kgm/3000-5000rpm)価格=586万円(テスト車=674万円/レザーパッケージ=35万円/プラスパッケージ(手動サンブラインド+アコースティックパーキングシステム+パドルスイッチ付き本革巻きステアリングホイール)=18万円/バイキセノンパッケージ=18万円/電動ガラスサンルーフ=17万円)
	 

目立ち路線に抵抗する(?)リアスタイル

全長4935mm、全幅1855mm。アウディA6アバントのボディサイズだ。日本で正規に販売されるワゴンでは最大になる。しかも新型で採用されたシングルフレームグリルの顔つきは迫力モノで、サイズ以上の存在感がある。アウディといえば、かつてはドイツ車としてはセンシティブかつモデレートなイメージが特徴だったものだが、新しいA6に関しては、メルセデス・ベンツやBMWと同じように、目立つことを重視したデザインにスイッチした感じを受ける。ただアウディ自身は、とどまるところを知らないかのような拡大路線、目立ち路線を、よしとしていないのかもしれない。それを感じたのが、新型A6アバントのリアスタイルだ。

左右のパネルは大きく絞り込まれ、ルーフからリアゲートにつながるラインはなだらかなカーブを描き、とがった部分がない。優雅で控えめに見せようというデザイナーの気持ちが伝わってくる。それは、以前からのアウディのイメージそのままだ。その分、ラゲッジスペースは外から想像するほど広くはない。奥行きはかなりのものだが、床や壁は、けっして大きいとはいえないリアゲートの開口部そのままの位置にある。ただしこれは歴代アバントもそうだったから、伝統を受け継いだという言いかたもできる。

それに仕立てはアウディらしさにあふれている。フロアの左右にはレールがあって、フックやロッドやストラップをそこに固定できる。なによりもアルミ製パーツのていねいな作りや、レールの上をすべるような動きが印象的だ。デキのいい道具に触れたときの満足感を味わうことができる。

4.2クワトロモデルの内装
 
4.2クワトロモデルの内装
	 

 
アウディA6アバント2.4(CVT)/3.2FSIクワトロ(6AT)/4.2クワトロ(6AT)【試乗記】の画像
写真をクリックするとシートが倒れるさまが見られます。
 
写真をクリックするとシートが倒れるさまが見られます。
	 

良心的なグレード構成

運転席まわりはセダンと同じ。アバントにはセダンと同じように、「2.4」「3.2FSIクワトロ」「4.2クワトロ」の3グレードがあるが、グレードによって仕立てや装備にほとんど差がないのは良心的だ。リアシートは、シートバックだけを6:4分割で折り畳む方式となる。座り心地は、ドイツ車らしからぬまろやかな感触のフロントと比べると、少し硬めだ。しかしクッションやシートバックの傾きは理想的で、折り畳みの犠牲になったような感じはない。

ボディは狭い道ではさすがに大きく感じるが、走り出すと軽快な動きが、それをあまり感じさせない。とくに2.4でその印象が強かった。加速はこれでじゅうぶん。登り坂ではアクセル全開になるが、遅いと感じるほどではない。繊細に吹け上がるV6エンジンのおかげで、高回転まで回してもストレスを感じないし、マルチトロニックと呼ばれるCVTは限られたパワーとトルクを効率よく伝えてくれる。1730kgを2.4リッターで動かしているという事実以上によく走る。

同じV6でも3.2FSIクワトロのエンジンは、緻密さを保ったまま、力強いサウンドになる。ただし加速は、4WDになったことで120kg重くなったことと、トランスミッションがトルコン式の6速ATになるという違いもあって、スペックほどの差はないと感じた。

4.2クワトロは、ドドド……というよき時代のアメリカ車を思わせるサウンドともに、豪快に速度を上げていく。1940kgと重くなったボディを、この音とともに力ずくで引っぱり上げていくフィーリングは、どこかSUVっぽい。アメリカ人の嗜好に合わせたのかもしれないが、アウディのイメージに合っているのはV6、なかでも2.4リッターであると思う。

【スペック】
A6アバント 3.2 FSI quattro(写真左):全長×全幅×全高=4935×1855×1475mm/ホイールベース=2845mm/車重=1850kg/駆動方式=4WD/3.2リッターV6DOHC24バルブ(255ps/6500rpm、33.6kgm/3250rpm)価格=726万円(テスト車=792万円/レザーパッケージ=35万円/プラスパッケージ(手動サンブラインド+アコースティックパーキングシステム)=14万円/ガラスサンルーフ=17万円)
(写真右:4.2クワトロ)
 
アウディA6アバント2.4(CVT)/3.2FSIクワトロ(6AT)/4.2クワトロ(6AT)【短評】

エアサスもコイルも快適

A6アバントには、セダンにはないアダプティブエアサスペンション(エアサス)が、3.2クワトロにオプション、4.2クワトロに標準で装備される。センターコンソールのダイヤルでコンフォート、オートマチック、ダイナミック、リフトの4モードをセレクトできるのは、A8と同じだ。今回は4.2クワトロでこの足を試した。

コンフォートはかなりソフトだが、それゆえにタイヤの上下動がボヨンボヨンと残ることがあった。オートマチックではそれがなくなり、フラット感が増す。乗り心地も硬すぎず柔らかすぎずで、ちょうどよい。車高が15mm低くなるダイナミックでもガチガチではなく、245/40R18という太く扁平なタイヤからのショックをうまくいなしてくれる。

コイルスプリングの2.4や3.2FSIクワトロの乗り心地もいい。低速でタイヤからのコツコツ感を伝えるのが気になる点で、フラットな姿勢を保ち、上下の動きは大きなクルマらしくゆったりしていて、リラックスできる。とくにタイヤが3.2FSIクワトロの225/50R17から225/55R16にインチダウンされる2.4は、まろやかな乗り味が好印象だった。


 
アウディA6アバント2.4(CVT)/3.2FSIクワトロ(6AT)/4.2クワトロ(6AT)【短評】
4.2リッターエンジン
 
アウディA6アバント2.4(CVT)/3.2FSIクワトロ(6AT)/4.2クワトロ(6AT)【短評】

 
アウディA6アバント2.4(CVT)/3.2FSIクワトロ(6AT)/4.2クワトロ(6AT)【短評】

アウディ=知的と考えるなら……

ステアリングは最近の他のアウディと同じように、50〜60km/hあたりからねっとりした重さを感じるようになる。切れ味そのものは自然だが、感触は車種によって微妙に異なり、4.2クワトロでダイナミックモードを選ぶと、かなりスパッと切れるようになる。コーナリングの限界は、前輪駆動の2.4でもかなり高い。ただしスピードを上げていくとやはり前輪が悲鳴を上げるし、コーナー中にアクセルを離したとの挙動変化はわりとはっきり出る。その点クワトロの安定感はありがたい。公道ではかなりペースを上げても、切ったとおりに進んでいくだけだ。とくに4.2クワトロでは、245/40R18という太く扁平なタイヤとハイパワー/ビッグトルクを生かした、ねじ伏せるような走りが印象的だった。

3車種すべてに乗ったので、自分なりに「買うならどれにするか」も考えてみた。そうなると、価格のことが頭をよぎる。3.2FSIクワトロは2.4より140万円も高く、4.2クワトロはそれよりさらに115万円上になるからだ。しかしボディサイズは3車共通だし、インテリアの仕立てもほとんど差がない。加速は2.4で充分だし、なによりも繊細でまろやかな走りが心地よい。

クワトロやV8といったメカニズムに魅力を感じる向きもあろうし、ドイツ車の定義では速さこそ正義なのかもしれないが、あの大きなボディが2.4リッターでちゃんと走り、500万円台で買えるのは、知的な感じがする。それはまた、アウディらしいと言い換えることができるものだ。

(文=森口将之/写真=峰昌宏)

この記事の大きな画像を見るためには、画像ギャラリーをご覧ください。

A6の他の画像を見るためには、写真一覧をご覧ください。

関連記事
  • アウディS4(8AT/4WD)【試乗記】 2016.11.25 試乗記 アウディA4」の高性能バージョンである「S4」が登場。最高出力354ps、0-100km/h加速4.7秒をマークする、最新スポーツセダンの実力とは? 艶(あで)やかなミサノレッドに身を包んだプレミアムな一台に試乗した。
  • アウディS4/S4アバント 2016.10.25 画像・写真 アウディ ジャパンは2016年10月25日、フルモデルチェンジした「アウディS4/S4アバント」を発表した。従来モデルから100kg以上も軽量化された一方で、3リッターV6直噴ガソリンターボエンジンの出力は21ps強化されている。その姿を画像で紹介する。
  • アウディ、新型「S4/S4アバント」を日本導入 2016.10.25 自動車ニュース アウディが新型「S4/S4アバント」の日本導入を発表した。S4はDセグメントモデル「A4」の高性能バージョンであり、今回の新型では最高出力354ps、最大トルク51.0kgmの3リッターV6ターボエンジンが搭載されている。
  • メルセデス・ベンツE400 4MATICエクスクルーシブ(4WD/9AT)【試乗記】 2016.12.2 試乗記 3.5リッターV6ターボエンジンに4WDシステムを組み合わせる、新型「メルセデス・ベンツEクラス」の上級モデルに試乗。先行して発売された2リッター直4ターボ車とは異なる、その走りの質を報告する。
  • ミドシップスポーツ「718ケイマン」を知る 2016.11.15 特集 2016年春に世界初公開されたポルシェの2シータースポーツ「718ケイマン」が、日本上陸を果たした。新たに開発された水平対向4気筒ターボエンジンや、一段と磨きのかけられた足まわり、こだわりの内外装は、どんな運転体験をもたらすのか。上級モデル「718ケイマンS」に試乗し、その実像に迫った。
ホームへ戻る