革新的モデル「シトロエンDS」50周年イベント、仏で盛大に開かれる

2005.10.13 自動車ニュース

革新的モデル「シトロエンDS」50周年イベント、仏で盛大に開かれる

1955年秋、自動車史に残るエポックメイキングなクルマがフランスで誕生した――「シトロエンDS」。鋭く尖ったノーズを持つ斬新なフォルム、気体と液体で車高と姿勢を常に一定に保つ奇想天外な「ハイドロニューマチックシステム」らを備えた他に類を見ないモデルが、2005年、生誕50周年を迎えた。母国フランスはパリを中心に開かれたイベントの模様をお伝えする。


50年前のパリ・サロンでDSがデビューした当時のブースが再現された。

■30年先のテクノロジー

1955年10月6日、パリ・サロンで1台のクルマがデビューし、世間をあっと驚かせた。それが「シトロエンDS」だった。

カエルのような特徴的な外観、「ハイドロニューマチックシステム」という油圧サスペンションなど、当時の技術としては30年も進んでいたと絶賛される革新的テクノロジーが多数採用されていた。


紅葉が美しいパリ近郊でパレード参加車が集まり、巨大ミーティング会場となった。

デビューからちょうど50年を迎えた2005年、母国フランスでは数々の記念イベントか開かれた。
パリ・サロン会場としても知られるポルト・ド・ヴェルサイユでは、10月6日から10日まで「FIAC(現代アートフェア)」の一環として、DSの開発時に製作された木型模型やパーツ、ボディを縦1/2サイズに縮小したDSなどの芸術作品までが展示された。

いっぽう、DSオーナーたちが中心となり、シトロエン社後援のもと、大々的な祭典も計画された。彼らは約1年前に「JUBILE DS(DS50周年)」という組織を設立。専門のサイトを立ち上げ、世界各地に存在するDSやシトロエンのクラブに連絡。さらにスタッフは欧州で開催される大小自動車サロンに積極的にブースを構えて告知してまわった。


10月9日、パレード出発前。朝8時頃から凱旋門に続くフォッシュ通りにDSが続々と集合。

■世界中から1600台が集結

そして迎えた2005年10月9日(日)、DS50周年記念のハイライトとして、世界中から1600台ものDSがパリに大集結、大々的なパレードを行った。
参加はお膝元フランスから670台、オランダ430台、ドイツ118台と欧州を中心に、イスラエルや南アフリカ、日本を含む28カ国。モデルもDS19や21、デカポターブル、クーペ、さらに8人乗りの珍しいワゴンなど約70種類にもおよんだ。


群集から声援とフラッシュを浴びながら朝10時に凱旋門を出発。

DSファンはもちろん、パリジャンや観光客が見守るなか、パレードは凱旋門を10時にスタート。途中、50年前にパリ・サロンの会場であったグラン・パレを表敬訪問しながら、目的地エッフェル塔まで、クラクションを高らかに響かせながら華やかな行進となった。道中、故障して道路脇にDSを停める姿もチラホラと、まさにクラシックカーのイベントらしい光景も見られた。

また、同組織によって6日から8日まで、パリから南西20kmのサン・カンタン・アン・イヴリーヌのバーズ・ド・ロワジール(レジャー基地)という自然が溢れた敷地に、パレード参加車が集合。8日(土)にはオーナーを中心に4000人が出席した巨大パーティも開かれた。


目的地のエッフェル塔の下に広がるシャン・ド・マース広場前。

■日本ではエンスーモデルだが

ちなみに、日本ではDSはエンスー度の高いモデルとの印象が強いが、本国フランスでは異なった位置付けのようだ。
公私で愛用した第二次大戦の英雄であるド・ゴール大統領のイメージが強烈にあるいっぽうで、20年間で150万台も生産されたマスプロダクトでもあったのだ。「祖父や父親が乗っていた。幼少時代の思い出がたくさんある」と発言する人が多く、当時はファミリーカーとしてもポピュラーだったらしい。

そんなフランス人にとって、デビューして半世紀を迎えた“DS祭り”は、様々な想い出や懐かしさを蘇らせる“同窓会”でもあったようだ。

(文と写真=野口友莉)


現代アートフェアの一環として、シトロエンがブースを設置。DSの開発向けにつくられた貴重な模型から、DSのボディを利用したアートまで展示。


グループ5仕様のDS21クーペや150種類のミニカー展示など、DSの歴史が凝縮されたパリの北西、科学産業シティ内で開催中の「DS誕生50周年特別展」(10月31日まで)。


ボンネット内が断面構造になっているDS21。「DS誕生50周年特別展」から。

この記事の大きな画像を見るためには、画像ギャラリーをご覧ください。