【WRC 2005】第12戦、波乱の幕切れで、ソルベルグが3勝目を獲得

2005.09.19 自動車ニュース

【WRC 2005】第12戦、波乱の幕切れで、ソルベルグが3勝目を獲得

世界ラリー選手権(WRC)第12戦が、2005年9月15〜18日、イギリスのウェールズを舞台に開催された。ホストタウンはロンドンから西に約250km、カーディフで、ステージはウェールズの山林に設定。高速から中低速コーナー、さらにロングストレートなどバリエーションが豊富で、激しいアップダウンと三次元的な“うねり”が同コースの特徴だ。

そして、シトロエンのセバスチャン・ロウブがここでも序盤からラリーを支配するものの、レグ3のSS15で悲惨なアクシデントが発生。6番手につけていたプジョーのマルコ・マルティンがコースアウトをきっし、コドライバーのマイケル・パークが他界することとなった。

これですべてのステージがキャンセルとなり、3番手につけていたチームメイトのマーカス・グロンホルムが同ラリーを撤退。さらに、トップのロウブも敢えてペナルティを受けることで3位に後退したため、2番手だったスバルのペター・ソルベルグが今季3勝目を獲得することとなった。

■ロウブが序盤戦をリード

「RAC」と呼ばれた時代から数多くのドラマを生み出してきた伝統の1戦「ラリーGB」が9月14日、カーディフ市内のミレニアム・スタジアムで行われたセレモニアルスタートで幕を開けた。
午前中のシェイクダウンは激しい雨に見舞われたものの、午後からは天候が回復。そして、翌15日のレグ1は秋晴れの空のもと激しいタイムアタックが展開された。

幸先の良いスタートを切ったのは「もっと遅いと思っていたけど、タイムは良かったね」と語るグロンホルムで、ファーストステージを制覇。2番手にロウブ、3番手にソルベルグが続く。しかし、グロンホルムは続くSS2でブレーキトラブルに見舞われ総合19番手に後退。かわってロウブがトップ、ソルベルグが2番手に浮上し、ポジションをキープしたままレグ1をフィニッシュした。

3番手はSS2でトップタイムを叩き出した三菱のハリ・ロバンペッラで、脅威の追走を披露したグロンホルムが4番手に浮上する。
以下、前戦のドイツで2位入賞を果たしたシトロエンのフランソワ・デュバルが5番手、スバルのクリス・アトキンソンが6番手で続き、マルティン、フォードのトニー・ガルデマイスター、三菱のジジ・ガリがそれぞれ8番手、9番手、10番手でフィニッシュ。
シュコダの12号車でWRCへ復帰した注目のコリン・マクレーはSS3で6番手タイムをマークするものの、「タイヤがソフトだったのでラフな路面に合わなかったよ」と語るように13番手でレグ1を終えることとなった。

翌16日のレグ2も快晴に包まれるなか、ロウブの快走は続く。「マシンも完璧だし、タイヤのグリップも素晴らしいよ」と語るように、7ステージ中6本でSSベストをマークしトップをキープ。
対して2番手につけるソルベルグは路面温度の上昇とともにタイヤの消耗に苦戦し、ロウブから約45秒も引き離されることになってしまった。

一方、ロバンペッラVSグロンホルムの3番手争いは「3速が完全になくなってしまった」ことによりSS12で大きく後退。かわって、グロンホルムが3番手、デュバルが4番手に浮上する。
ロバンペッラは5番手で、マルティンとガリらがそれぞれ6番手、7番手に浮上。なお、レグ1で8番手につけていたガルデマイスターは、前日の車検で規定重量を満たしていなかったため、レグ2の出走を前にして失格となっている。

■レグ3でアクシデントが発生、波乱の結末に……

そして迎えた翌17日の最終レグは、この日も朝から好天に恵まれ、激しいタイム争いが展開するかのように思われた。
が、セカンドステージとなるSS15で悲惨なアクシデントが発生。予想外の結末を迎えることとなった。

総合6番手につけていたマルティンがスタート直後の左コーナーでコースアウト。マシンの右側面がコースサイドの樹木に激突し、その衝撃でコドライバーのパークが他界することになったのである。

このアクシデントによりすべてのステージがキャンセルとなり、各ドライバーに規定のタイムが加算。その結果、ロウブが優勝、ソルベルグが2位、グロンホルムが3位でフィニッシュするかのように見えたが、波乱の展開はさらに続いた。

まず、マルティンの事故を受け、チームメイトのグロンホルム+プジョーが同ラリーからの撤退を発表。さらにトップだったロウブも最終サービスのタイムコントロールを予定よりも早く通過し、2分のペナルティを受けることで自ら3位に後退した。

というのも、ランキングトップのロウブが2番手のグロンホルムに8ポイント以上の差をつけた場合、ロウブのチャンピオンがここで決定する。
当然、撤退したグロンホルムはノーポイントで終わるため、このままフィニッシュすればロウブが今季9勝目でタイトルを獲得するのだが、「こんな気持ちで勝ちたくない」とロウブは主張。さらに、シトロエン側も各マニュファクチャラーの同意を求めたうえで、ロウブの同ラリーにおけるポイント無効を主張したものの、FIA側はこれを受け入れなかったため、ロウブ+シトロエンは敢えてペナルティを受けることにより3位でフィニッシュした。

結局、ロウブのペナルティでソルベルグがトップに浮上し、後味の悪いかたちで今季3勝目を獲得。2位入賞はデュバルで、ロバンペッラが4位に入賞した。
以下、SS15のスピンで大きく後退したガリに代わって、シトロエンのプライベーター、マンフレッド・ストールが5位、フォードのロマン・クレスタが6位に入賞。注目を集めたマクレーは7位で同イベントを終えている。

■PCWRCはシムスのテイスコネンが初優勝を獲得!

同時開催のプロダクションカー世界ラリー選手権(PCWRC)第6戦はインプレッサを駆る新井敏弘、ランエボを駆る奴田原文雄ら日本人ドライバーが欠場。そのため、ランキング2位のナッサー・アル-アティヤーと同3位のマルコス・リガト、さらにシムスレーシングの50号車を駆るアキ・テイスコネンを加えたスバルユーザーの3人でトップ争いが展開された。

まず、SS1でテイスコネンがトップタイムを叩き出すものの、続くSS2はリガトが制覇。さらにセカンドベストを重ねてきたアル-アティヤーがSS3を制して総合トップに浮上する。

が、テイスコネンがSS4でベストタイムをマークしてトップを奪還。その後も互いに一歩も譲らないバトルが展開するものの、「ラストステージでフロントの右タイヤがパンクしたけど、ベストを尽くせたよ」と語るテイスコネンがレグ1をトップでフィニッシュ。「タイトル争いを考えると確実にポイントが欲しいからね。無理をせずにポジションをキープした」と語るアル-アティヤーが2番手、リガトが3番手で続いた。

翌日のレグ2では3本のステージでベストタイムを叩き出すなど、リガトが猛追を見せ2番手に浮上。アル-アティヤーは「最後のステージでパンクしてしまった」ことで3番手に後退する。
一方、この2番手争いを尻目にトップのテイスコネンは2本のステージを制覇。アル-アティヤーと同様にSS12でパンクするものの、ポジションをキープした。

結局、「パンクをしないようにペースをコントロールしたよ」と語るテイスコネンがレグ3でもキャンセル前のSS14でベストタイムをマークし今季初優勝を獲得。リガトが2位入賞を果たし、アル-アティヤーが3位で表彰台を獲得した。

(文&写真=廣本泉)

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フランソワ・デュバルは2位でゴール。

フランソワ・デュバルは2位でゴール。

不幸な事故のあとのチャンピオン決定を避けるため、自らトップから3位へと順位を下げたセバスチャン・ロウブ。

不幸な事故のあとのチャンピオン決定を避けるため、自らトップから3位へと順位を下げたセバスチャン・ロウブ。

元チャンピオン、コリン・マクレーがWRC復活。7位でラリーを終えた。

元チャンピオン、コリン・マクレーがWRC復活。7位でラリーを終えた。

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