【スーパーGT 2005】第5戦もてぎ、NAエンジンNSX、フィリップ/デュフォア組の手で勝利をつかむ!

2005.09.05 自動車ニュース

【スーパーGT 2005】第5戦もてぎ、NAエンジンNSX、フィリップ/デュフォア組の手で勝利をつかむ!

NAエンジン搭載のNSXが、ついにトップでチェッカードフラッグを受けた。
9月最初の日曜日である4日、栃木県ツインリンクもてぎで開催されたスーパーGT第5戦は、5万2000人の観客が後半戦の緒戦を見守るなか、予選3位のNo.100 RAYBRIG NSX(セバスチャン・フィリップ/ジェレミー・デュフォア組)がレース中盤からトップに浮上。手堅いレース運びで63周を走りきり、今シーズン初のNSX勝利を実現させた。

2位には同じくNSX勢のNo.18 TAKATA童夢NSX(道上龍/小暮卓史組)。No.12カルソニックインパルZ(ブノワ・トレルイエ/井出有治組)が3位に入り、NSX勢による表彰台独占を阻止した。

■スーパーラップで魅せたNSXの速さ

今回の予選から規則が変更され、スーパーラップ(SL)の実施手順が新しくなった。
まず、予選1回目にGT300、GT500クラスからそれぞれ上位10台を選出。午後からのSLに出走できるのはこの20台のみとなり、午後の予選2回目の結果による各クラス2台ずつの追加はなくなった。
さらに、2台1組だったワンラップアタック時のコースインが、1台ずつとなった。「次々とタイムアタックする様子がよくわかる」「実況放送でも盛り上げてくれるので楽しい」と、観客には概ね好評だったようだ。

金曜日の練習走行から快調な走りを披露したNSX勢。予選1回目でも常にNSX同士がタイムを削る競り合いを展開。トップタイムから10位までのタイム差がわずか0.4秒と、SL進出をかけ、拮抗した闘いを見せた。

SLでは、NSX勢の独走を許すまいとフェアレディZやスープラも意地を見せたが、フタを開けてみればやはりNSXの速さが特出していた。
No.8 NSX(伊藤大輔/ラルフ・ファーマン組)が今季2度目のポールポジションを獲得し、2番手にNo.18 NSX、3位にNo.100 NSXと続き、No.38 ZENTセルモスープラ(立川祐路/高木虎之介組)が4位に食い込んだ。

一方、GT300では、No.46 Dream Cube's ADVAN Z(星野一樹/青木孝行組)が初PP獲得に成功。シリーズランキング上位勢はウェイトハンデが足かせとなり、最前列確保とはならなかった。

■快走のNSX、苦戦のライバル

レース前半、NSX勢が安定した速さと順調な走りを見せるなか、後方から追撃を狙うライバルたちは、単独コースアウトや接触など出入りの激しい動きを見せることになり、真のライバルであるNSXとはガチンコバトルをさせてもらえなかった。

なかでもNo.38スープラと予選5位のNo.3 G'ZOX HASEMI Z(金石年弘/エリック・コマス組)はバトルの末に接触。フロントバンパーを激しく損傷したNo.38にはピットインを命ずるオレンジボールが提示された上、今回から導入されたペナルティ規定――「ダメージを伴う接触行為は、故意、過失をも問わずにタイムペナルティを適用する」というものが適用されることになり、ドライビングスルーペナルティが科せられた。

■トップNo.8に立ち込めた暗雲、ピットは騒然

騒々しい後続車を尻目に、NSX勢はNo.8を筆頭に、2位に浮上したNo.100、そしてNo.18と3台が隊列を組んでレースを消化。だが、緊急事態がトップNo.8に訪れる。27周を終えたNo.8が突然のピットイン。シフトリンケージのトラブルが発生し、その修復のためにピットへとマシンを戻すことになったのだ。

だが、ちょうど同じタイミングで、運悪く隣接するGT300クラスのNo.43 ARTA Garaiya(新田守男/高木真一組)がピットインしてしまった。こちらは予定どおりのルーティンワークだったが、作業の予定スペースを確保、使用することができず、タイムロスが生じてしまった。さらにもう一台とばっちりを受けたのがNo.18。No.8の後方でピットインしたため、リスタート時に前方を塞がれ立ち往生。スタッフの人力によってマシンを誘導し、大慌てでピットを離れた。

そんななか、“我関せず”とばかり涼しい顔でレースを続けたのがNo.100。No.100は僅差での闘いのなかからチャンスをつかむため、ピットストップ時の作戦を用意。タイヤ交換をリア2本に絞り込み、作業時間を短縮して逆転を狙った。

直前までNo.32 EPSON NSX(松田次生/アンドレ・ロッテラー組)も好走していたが、黄旗区間追い越しのペナルティが判明し、暫定トップの座を明け渡すことに。これでNo.100が単独トップへと躍り出た。

■NSX勢の飛躍で、ランキング競争が激化

No.100は、消耗の激しいフロントタイヤをいたわりながらも、ハイペースで周回を重ね、安定した走りで、勝利への階段を上っていく。
「後ろからコグレ(No.32小暮卓史)が来ていたので、プッシュしたんだ。4、5秒あれば抜かれないという自信はあった。でもチームは無線でペースダウンしろと言ってきたよ」というのはNo.100のステアリングを握っていたデュフォア。
2位との差をたくみにコントロールしながら走り抜き、今季初優勝。チームとしては、監督である高橋国光自身が達成した1999年以来、6年ぶりの美酒に酔いしれることとなった。

「練習のときからロングランでテストをして、2本のタイヤ交換でも大丈夫だというデータを得ることができたんだ。パーフェクトな週末を過ごせてうれしい」とは、スタートドライバーを務めたフィリップ。「勝利を待っててくださったみなさんに、ありがとうと言いたいです」と高橋監督も感無量の表情を見せた。
2位のNo.18、3位のNo.12にとっても今季初の表彰台となった。

今回、ランキング上位の各車は表彰台こそ上がらなかったものの、全車がポイントを獲得。ウェイトハンデを調整しながら、終盤戦への闘いに照準を合わせ、タイトル奪取を狙うことになるだろう。

■No.46 Zが独走! 星野Jr. 涙の初勝利!

GT300で、予選から文句なしの速さを見せつけたNo.46 Z。決勝でのスタートドライバーを務めた星野一樹は、いわずと知れた「元祖・日本一速い男」星野一義の息子だ。
今シーズンはチームを移籍、新たな環境で闘いに挑んできた星野。決勝でもミスなく、そつなくレースをまとめあげ、独走逃げ切り優勝。表彰台では、待ちに待った勝利の喜びを全身で表わしていた。

2位のNo.19ウェッズスポーツセリカ(加藤寛規/谷口信輝組)も今季初表彰台。一方、ランキング争いをする常連組のなかでは、No.43 ARTA Garaiyaが気を吐き健闘。途中、他車との接触でスピンを喫するなど、決してベストな状況ではなかったが、手堅く走りきり、3位でチェッカー。再びランキングトップに浮上した。

次回、第6戦は3週間後、富士スピードウェイでの一戦となる。終盤の闘いを見据えた作戦を立てるのか、それとも全開でポイント獲得を狙うのか。各チームの戦略競争にも注目だ。

(文=島村元子/写真=本田技研工業)


NSX、NAエンジンを得て不調から脱出。優勝したNo.100 RAYBRIG NSX。


勝利の美酒に酔いしれる、高橋国光監督(中央)と、セバスチャン・フィリップ(左)、ジェレミー・デュフォア(右)両ドライバー。

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