【FN2005】第7戦FUJI、ロッテラーが今季初勝利を飾る

2005.08.29 自動車ニュース

【FN2005】第7戦FUJI、ロッテラーが今季初勝利を飾る

予選、決勝を通じ、自分のレースができたアンドレ・ロッテラーが、ついに今季初優勝を遂げた。今季はレース中のアクシデントやミスに泣かされることが多く、納得のいかない結果が続いていたが、復活の勝利を果たし、表彰台でも満面の笑みを見せた。

夏休み最後の日曜日となった8月28日、静岡県・富士スピードウェイで全日本選手権フォーミュラ・ニッポン第7戦の決勝レースが開催された。薄曇の天気で残暑からも解放された中、予選3位から好スタートを切ったロッテラーがそつなくレースをまとめ上げ、思い通りのレース運びで優勝。2位は片岡龍也、3位に井出有治が続いたが、ポールポジションスタートのリチャード・ライアンは4位に甘んじた。

■王者ライアンが、今季2度目のPP獲得

前回のMINEでは、相性の悪さを引き合いに出して弱音を見せたライアンだが、今回は予選後に笑顔を見せた。今季2度目の開催となる富士は、彼が得意とするコース。金曜日からマシンコンディションに恵まれ、土曜の予選1回目からトップタイムをマークした。

午後からは暑さが和らぎ、気温、路面温度とも下がって、絶好のアタックコンディション。各車一斉にコースインし、ユーズドタイヤでのチェックを精力的に行い、開始10分にはニュータイヤでアタックに向かうドライバーも現れた。いつもよりやや早めのタイミングで暫定トップタイムを更新したのは、土屋武士。他車もこれに追随し、自己ベストタイムを塗り替えた。

ライアンが再びトップに立ったのは、残り15分。1分29秒後半だったターゲットタイムをクリアし、ライバル達を牽制。残り5分となり、本山哲も自己ベストを更新したが、ライアンのタイムには届かない。そんな中、ライアンはチェッカー直前にまたもタイム更新となる1分29秒372をマーク。今季2度目のPPを手にした。2番手には本山、3番手にロッテラーが続き、注目のルーキー、ロニー・クインタレッリは4番手につけた。

■スタートで本山がエンジンストール

午後2時30分、65周の闘いがスタート。PPのライアンがスタートで出遅れ、さらにその隣の本山はエンジンストールという大波乱。フロントローの2台をかき分け、ロッテラーが真っ先に1コーナーへと向かった。本山に加え、ブノワ・トレルイエまでもがエンジンストール。ピットロードに戻された2台は大きく出遅れた形で戦線復帰となった。

ロッテラーに次いで5番手スタートの片岡、これにクインタレッリ、松田次生と続き、ライアンは5番手でオープニングラップを終了する。だが、スタート直後の混乱が原因で、クインタレッリはリアのミッドウィングを一部損傷。さらに前回のMINE同様のノンストップ作戦だったため、重いマシンのコントロールが難しくなり、徐々にポジションを下げてしまった。

■大半がノンストップを選択、ライアンはワンストップ作戦

ロッテラー、片岡、松田のトップ3台のペースに対し、その後方にいたライアンは明らかにハイペース。燃料が軽いことは明らかだった。7周目にトップへと復帰したライアンは、できる限り後続車とのタイム差を稼ぎ出すため、懸命の走りを見せる。序盤に10秒、中盤には20秒近いリードを奪ったが、2番手以降のノンストップ組(ロッテラー、片岡、井出)のペースも比較的速く、大差を築くには至らなかった。

同じ頃、4位に浮上した山本左近が井出との差を詰めて、接近戦に発展。一度は井出を1コーナー飛び込みで逆転したが、勢い余ってダンロップコーナーでは井出に先行を許した。だが、山本の猛追は終わることなく自己ベストタイムを更新しながら井出をプッシュ。タイミングを狙って再度1コーナーで逆転。今度は続くコーナーでの攻防戦を制し、単独3位に浮上した。

井出と山本の壮絶バトルがスタンドを賑わせている間に、トップのライアンがピットイン。16.5秒かけてタイヤ交換と給油作業を済ませ、7位でコースへと復帰した。フレッシュタイヤでの追い上げは可能となったが、上位陣のペースも悪い状態ではなく、結局のところ逆転劇を演じるには厳しい状態。本山、井出に続くシーズン2回目の勝ち名乗りを上げることはできなかった。

■予測を裏切った山本のノンストップ快走劇

ライアンのピットインでトップに立ったのはロッテラー。片岡とは着かず離れずの差を保ち、終盤を迎えた。一方の片岡は、前のロッテラーを追うよりも、後方から急追する山本の存在が気になる状態。他車より明らかに速いペースでタイムを刻む山本には、最後の最後でピットインか!? という憶測もあったが、実際はノンストップを選択。「前半、井出選手のスリップにつき、燃費を持たせることができた」ことを武器に、52周目の1コーナーで片岡をパス。「最後はハードプッシュして走った」とレース後の記者会見でロッテラーに言わせるほどの勢いで、攻めの走りを見せた。

だが、好事魔多しとでもいうのか。その最終コーナー立ち上がりで、ややアクセルを開けすぎたマシンはスピン。そのままコースアウトし、エンジンストール。息絶えたマシンの中で、山本は行き場のない悔しさを全身で表わしていた。

後続からのプレッシャーから解放されたロッテラーは2番手との差を保ったまま、レース終了。「運に恵まれなかったときもめげないで前向きにいこうと思ったのが良かったと思う」と、待望の勝利を喜んだ。2位の片岡は、今季初ポイントを獲得。3位には燃費走行を心がけたという井出。これにより、所属するTEAM IMPULが早くも今季のチームタイトルを獲得。本山、井出、ライアンの間で白熱するチャンピオン争いに好影響を与えそうだ。

次回第8戦は、10月23日、栃木・ツインリンクもてぎで決勝を迎える。

(文=島村元子/写真=KLM Photographics J)

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ポールポジョンを獲得したリチャード・ライアン(DoCoMo DANDELION)(写真中央)。

ポールポジョンを獲得したリチャード・ライアン(DoCoMo DANDELION)(写真中央)。

決勝スタート。アンドレ・ロッテラー(PIAA NAKAJIMA)がトップを1コーナーへ。後方には、エンジンストールでスタートできなかった、本山哲(Arting IMPUL)とブノワ・トレルイエ(mobilecast IMPUL)がグリッドに残る。

決勝スタート。アンドレ・ロッテラー(PIAA NAKAJIMA)がトップを1コーナーへ。後方には、エンジンストールでスタートできなかった、本山哲(Arting IMPUL)とブノワ・トレルイエ(mobilecast IMPUL)がグリッドに残る。

スタートで後退したリチャード・ライアン(DoCoMo DANDELION)だが、ノーピット作戦のロッテラーを交わし序盤トップに踊り出た。ピット作業時間を確保するため飛ばしに飛ばした。

スタートで後退したリチャード・ライアン(DoCoMo DANDELION)だが、ノーピット作戦のロッテラーを交わし序盤トップに踊り出た。ピット作業時間を確保するため飛ばしに飛ばした。

ピットウォールでアンドレ・ロッテラーの優勝を出迎えるPIAA KAKJIMAのスタッフ。ロッテラーは今季初ポイントゲットが優勝となった。

ピットウォールでアンドレ・ロッテラーの優勝を出迎えるPIAA KAKJIMAのスタッフ。ロッテラーは今季初ポイントゲットが優勝となった。

残り2戦を残して、チームタイトルを決めたTEAM IMPUL。

残り2戦を残して、チームタイトルを決めたTEAM IMPUL。

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