【スーパーGT 2005】第4戦、大荒れのレースをかいくぐった片岡/山本組スープラが初優勝!!

2005.07.25 自動車ニュース

【スーパーGT 2005】第4戦、大荒れのレースをかいくぐった片岡/山本組スープラが初優勝!!

マシン炎上による赤旗・中断、そして再スタート後は、壮絶バトルが起因の接触事故……。2005年7月24日、夏休み最初の日曜日、宮城県のスポーツランド菅生で開催されたスーパーGT第4戦は、荒れに荒れた一戦となり、誰に勝利の女神が微笑むのか最後までわからないレースとなった。

そのなかで闘いを制したのは、26歳と23歳の若手コンビ。No.37 DYNACITY TOM'S SUPRAをドライブする片岡龍也はGT500クラス2年目、そしてパートナーの山本左近はルーキーというフレッシュなふたりが、荒波をものともせず闘い抜き、優勝という大きな成果を手にした。
2位には、予選での出遅れを挽回したNo.39デンソーサードスープラGT(アンドレ・クート/ロニー・クインタレッリ組)が、また3位には落ち着いてレースをまとめ上げたNo.36 DYNACITY TOM'S SUPRA(土屋武士/ジェームズ・コートニー組)が入った。

■波乱は予選のスーパーラップから

前回の第3戦セパンで新たにNAエンジンを搭載したNo.8 ARTA NSX(伊藤大輔/ラルフ・ファーマン組)が好成績を収めたことから、残る3台のNSX勢すべてがNAエンジンを採用し、菅生に登場。各クラス上位12台がグリッド順を決めるためのタイムアタック「スーパーラップ」(SL)に4台すべてが駒を進めるという速さを披露した。

だが、ワンラップアタックでタイムを競うSLでは、No.8 NSXがスピン、コースアウト、さらにNo.18 TAKATA童夢NSX(道上 龍/小暮卓史組)がコースアウトをきっし、痛恨のノータイム。
かわってNo.32 EPSON NSX(松田次生/アンドレ・ロッテラー組)が暫定ポールポジションについたのだが、ライバルチームから抗議文が出され、ポジション降格のペナルティを受けた。これは、No.8がアタック中にコースアウトしてSLが一時中断した際、次のアタッカーとしてコースインしていたNo.32が待機のため一度ピットに戻り、給油したため。レギュレーション上は禁止されているSL中の給油だが、No.32はオフィシャルから給油可能の確認を取って作業をしたことから、情状酌量の裁定となり、結果としてポジションひとつ降格に留まった。

見解の相違が巻き起こした騒動を経て、ポールポジションについたのは、No.12カルソニックインパルZ(ブノワ・トレルイエ/井出有治組)だった。2位はNo.32 EPSON NSX、3位にはNo.22モチュールピットワークZ(ミハエル・クルム/柳田真孝組)、そして4位にはNo.100 RAYBRIG NSX(セバスチャン・フィリップ/ジェレミー・デュフォア組)が入り、ホンダとニッサンが上位の座を二分した。
なお、GT300クラスでは、セパンで苦戦したNo.0 EBBRO M-TEC NSX(黒澤治樹/細川慎弥組)がトップタイムをマーク、今季2度目のポールポジションを獲得した。

■レース序盤に赤旗・中断のアクシデント

レースは、上位陣が11周目に入ったとき、その後方でGT500とGT300の車輌が接触。この勢いでGT300の車輌が最終コーナー立ち上がりのガードレールにぶつかり、炎上した。幸いドライバーに怪我はなかったものの、消火・清掃作業のためレースは赤旗・中断となった。

およそ1時間後、68周のレースが再開。最初のレースでトップの座を奪っていたNo.12 Zがリードするかに思われたが、加速が鈍く、後続車の猛追を受けて後退。
かわってNo.32、No.100のNSX勢がトップ争いを展開した。No.32は早めのピットインで、左タイヤ2本のみを交換。右回りのサーキットならではの作戦を遂行した。
その後、各マシンが相次いでピットイン。コース復帰後は接近戦が続いたが、そのなかでコースに復帰したばかりのNo.100とすでに周回を重ねていたNo.18のNSXが最終コーナーでまさかの同士討ち! ホンダにとって厳しいシナリオが用意されていた。


全車NA化されたNSX勢は、予選でのスピンやペナルティ、レースでの同士討ちなどで結果を残せず。最高位はNo.8 ARTA NSX(伊藤大輔/ラルフ・ファーマン組)の6位だった。(写真=本田技研工業)

■終われば表彰台はトヨタ勢が独占

激しい接触や単独のコースアウトなど、さまざまなアクシデントが発生するなか、確実なレース運びを見せたのはトヨタ勢だった。
No.37スープラは、トップに立つや後続との差を確実に広げて走行。No.32 NSXとNo.6エッソウルトラフロースープラが2位争いでティル・トゥ・ノーズの攻防戦を繰り広げたが、4コーナーでインラインを取ろうとしたNo.6がNo.32をプッシュし、No.32 NSXはコースアウト、No.6にはドライブスルーペナルティが科された。
これでNo.39デンソーサードスープラGTとNo.36DYNACITY TOM’S SUPRAがそれぞれ2位、3位に浮上。初優勝のNo.37スープラに続き、この2台が順にチェッカードフラッグを受けた。4位にはNo.6、5位にNo.12 Zが入り、NSXはNo.8の6位が最高位だった。

■No.31 吉兆宝山、勢いを味方にクラス初優勝!

GT300クラスでは、レース序盤に上位勢が激しいバトルが展開されたが、その後続にいたのがNo.31吉兆宝山MR-S(田中実/中嶋一貴組)だった。
周回を重ねるうちにマシントラブルや接触、赤旗以前に負ったアクシデントの痛手などでNo.43 ARTA Garaiya(新田守男/高木真一組)やNo.0 NSX、No.30 RECKLESS MR-S(佐々木孝太/山野哲也組)らが予選ポジションより大きく後退した。
それらを尻目に、No.31 MR-Sは着実に走行、気温上昇でタイヤパフォーマンスが向上したことも加勢し、速さだけでなく、ライバル勢を押さえ込む強さをも披露。緻密なレース運びが功を奏し、トップでゴール!ベテランの田中実と若手で伸び盛りの中嶋一貴が、絶妙のコンビネーションで今季初優勝をさらった。

2位にはNo.0 EBBRO M-TEC NSX。赤旗直前にスローパンクチャーが原因でピットイン、クラストップに差をつけられていたが、持ち前の速さを武器に上位へと食い込む意地を見せた。3位はNo.30 RECKLESS MR-Sが続き、シリーズタイトルを意識するチームが手堅くポイントを重ねた。

次回、第5戦もてぎはシリーズ後半戦の初戦となる。菅生ではNAエンジンを手に入れたNSX勢がその優位性を結果につなげられず悔しさが残っただけに、ホームコースでのリベンジを誓うことだろう。
GT300クラスもタイトル争いが僅差になってきた。シリーズのターニングポイントとなるもてぎで、いち早く波に乗れるのはどのチームとなるだろうか?

(文=島村元子)

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