【WRC 2005】第9戦アルゼンチン、ロウブ、前人未到の7勝目!

2005.07.19 自動車ニュース

【WRC 2005】第9戦アルゼンチン、ロウブ、前人未到の7勝目!

世界ラリー選手権(WRC)第9戦が、2005年7月14〜17日、南米大陸アルゼンチンを舞台に開催された。ホストタウンは首都ブエノスアイレスから北に約750kmのカルロス・パスで、標高1000m超の丘陵ステージ。全開区間の長い高速パートとツイスティな低中速セクションをあわせ持つルーズグラベルが特徴で、ラリーウィークは気まぐれな天候の影響により、多くのドライバーが不安定な路面コンディションに苦戦を強いられることとなった。

そんななか、シトロエンのセバスチャン・ロウブが安定した走りを披露し、今季7勝目を獲得。ディディエ・オリオール、そして、昨シーズン自身が記録した年間最多勝利数を1年の折り返し地点で早くも更新した。

■ソルベルグ失速、ロウブがトップに

地中海のラフグラベル4連戦を消化し、2005年のWRCもついに後半戦へ突入した。折り返しとなるイベントは今年で25回目を迎える「ラリー・アルゼンティーナ」。14日夜、モータースポーツ複合施設プロレーシングに設置されたスーパーSSで同大会が幕を開けた。

南半球はすでに冬を迎えており、当日は吐く息が白くなるほどの肌寒いコンディション。そのなかで幸先良くスタートを切ったのが、シトロエンのセバスチャン・ロウブとの一騎打ちを制したスバルのペター・ソルベルグだった。それぞれ2番手、トップタイムを叩き出し総合トップに浮上。2番手にはオープニングステージを制したプジョーのマーカス・グロンホルム、3番手にはSS2でセカンドベストをマークした三菱のハリ・ロバンペッラが続き、ここまで5連勝をあげているロウブは4番手に留まった。

しかし、翌15日から本格的に競技がスタートすると、ついにロウブが本領を発揮する。前日の雨の影響で路面はウェットコンディションになるものの、SS4、5を連取し総合トップに浮上。午後のループでもロウブは好調で3本のステージを制覇し、レグ1を首位でフィニッシュした。

一方、前日のスーパーSSで好走を披露したソルベルグは、この日のファーストステージとなるSS3を制するものの、「ウォータースプラッシュの対策が充分ではないからリスクを避けるためにペースを落として走ったよ」とのことで2番手に後退。
SS7で勝ったグロンホルムが総合3番手につけ、以下、4番手にフォードのトニー・ガルデマイスター、5番手にロバンペッラ、6番手にプジョーのマルコ・マルティンらが続いた。

その他の主要ワークス勢としては、第6戦キプロス以来の参戦となるシトロエンのフランソワ・デュバルが7番手、スバルのクリス・アトキンソンが9番手、フォードのロマン・クレスタが11番手。SS4まで総合4番手だった三菱のジジ・ガリはSS5でサスペンションのトラブルが発生し、この日の走行を断念することとなった。


プジョーのマーカス・グロンホルムが2位入賞で8点を獲得。ランキング2位のペター・ソルベルグの3点差までやってきた。

■グロンホルムが2位、ソルベルグ3位で表彰台

明けた翌16日のレグ2も早朝まで雨が降り続いた影響から、ウエット路面のなかで熾烈なタイム争いが展開された。
午前中のループではグロンホルムが好調で3本のステージを制覇し2番手に浮上。かわって、「ブレーキフルードの問題だと思うけど、ノーブレーキの状態になった。本当に運が悪いよ」と語るソルベルグが3番手に後退する。

一方、午後のループではロウブが2本のステージでトップタイムを叩き出し、後続に26秒の差をつけてレグ2を1位でフィニッシュ。グロンホルム、ソルベルグらが2番手、3番手で続き、4番手以降はポジションが入れ替わることなく、レグ1の通過順のままでフィニッシュした。

そして、翌17日の最終レグは晴天のもと、フローズングラベルのなかで午前中のループ開始。ロウブがファーストステージとなるSS18でトップタイムを叩き出し、後続をさらに引き離す。
続くSS18ではガルデマイスターが最速タイムをマークし、ロバンペッラがサービスを挟んだ後の2本のスーパーSSを連取するものの、結局、「とても難しいラリーだったけど、勝利を飾ることができた。チャンピオンを獲ることがもっとも重要だけど、レコードを更新できたことも嬉しいよ」と語るロウブが今季7勝目を獲得し、シリーズ折り返しで年間最多勝利数を更新した。

「原因はわからないけど、2日目からコンスタントにグリップするようになったよ」と語るグロンホルムが2位入賞を果たし、「とてもハードな週末だったけどチームはいい仕事をしてくれた。母国ノルウェーからも多くのファンが応援に来るから次のフィンランドは勝ちたいね」と語るソルベルグが3位に入賞。
4位はガルデマイスター、5位はロバンペッラで、以下、マルティン6位、デュバル7位、シトロエン・クサラ駆るプライベーターのマンフレッド・ストールが8位でポイントを獲得した。


スーパーSSの好調さが維持できなかったソルベルグは3位でゴール。チャンピオンシップで首位をひた走るロウブとの間には、27点ものギャップができてしまった。

■アル-アティヤンがPCWRCで勝利

同時開催のプロダクションカー世界ラリー選手権(PCWRC)第5戦は、距離的な問題と翌週にラリー北海道を控えていることからポイントリーダーの新井敏弘と注目の日本人ドライバー、奴田原文雄がスキップ。さらに第2戦ニュージーランドのウィナー、クサビエ・ポンズや地元アルゼンチンの強豪、マルコス・リガトらがA8クラスに参戦したため、ランキング上位陣が相次いで欠場することとなった。

好調な出だしを見せたのはランキング4位のスバルユーザー、ナッサー・アル-アティヤン。「とてもタフなステージだったけど、トップに立つことができた」と語るように、レグ1をトップで通過した。
2番手には三菱ユーザーのアンジェロ・メディギーニ、3番手にはスバルユーザーのマーク・ヒギンズが続き、フェデリコ・ヴィラグラやカブリエル・ポッゾ、セバスチャン・ベルトランなどの地元スバルユーザーたちはマシントラブルで大きく出遅れることとなった。

翌日のレグ2ではポッゾ、ヴィラグラが激しい追い上げを見せるものの、アル-アティヤンがトップをキープ。さらに最終レグでも安定した走りを披露し、アル-アティヤンが今季初優勝を獲得した。

一方、ステアリングにトラブルが発生した2番手のメディギーニがSS18でマシンをストップ。かわってヒギンズが2番手、ヴィラグラが3番手でフィニッシュする。
しかし、ヒギンズがタイヤ違反、ヴィラグラがリストリクターの封印違反で失格となり、結局、マシンを止めたメディギーニが2位入賞を果たし、三菱ユーザーのルイス・ルースロが3位で表彰台を獲得した。

(文&写真=廣本泉)

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