第220回:復活! ナンバラ劇場 結局“ふりだしにもどる”だよ(笑)

2005.07.15 エッセイ

第220回:復活! ナンバラ劇場 結局“ふりだしにもどる”だよ(笑)

パソコンに向かって、なにやら打ち続ける南原竜樹氏、そのワケは……?
第220回:復活! ナンバラ劇場 結局“ふりだしにもどる”だよ(笑)

■どうなった!? “マネーの虎”

春先に大好評を博した“マネーの虎”ことオートトレーディングルフトジャパン社長、南原竜樹さんの“激動の一ヶ月”。最後にレポートしたのは、たしか英国MGローバー本社が経営危機に陥った4月頭のこと。あのときは「さすがにこれは想定外!」ということで、バタバタの状態だったが、あれからはや3か月。我らが“マネーの虎”はどうなったのか? 直撃してみた。
TEL:プルルルル、プルルルル、ガチャ……「ハイ、ナンバラです」
小沢:あー、ナンバラさん。ご無沙汰しております。小沢です。今どこにいるんですか?
TEL:前と同じ、上池台のショールームだよ。
小沢:ええっ! MGローバーはどうなったんですか。
TEL:下のショールームはとりあえずクライスラーに貸すことが決定した。MGの看板はとっくにないよ。とりあえず来てみる?
小沢:はい。

すぐさま俺は中原街道をロールスロイスで飛ばした。するとそこには看板もない、デモカーもないがらんどうのショールームが。2階のオフィスも同様で、一部机は残るものの、ほぼがらんどう。その中に、数人のスタッフと共に我らが“マネーの虎”はいた。


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ガランとしてしまったショールーム。
ガランとしてしまったショールーム。

■アフターケアはOK

小沢:3ヶ月ぶりですねぇ、南原さん。相変わらず、表情は精力的ですね。ヤル気に満ちているというか。
南原:やることは決まってるからね。残務整理や後処理で手いっぱいだよ。
小沢:あれからどうなったんですか。
南原:報道から10日後、ローバー英国本社は正式に再生不能ということになって、僕は社員全員に解雇通知を出さざるをえなくなった。5月末で終わりだと。分かりやすくうどん屋に例えたら、うどんの玉が入らなくなったようなもんだからね。どうしようもない。ほぼ100人がいなくなったよ。そのときはさすがに涙しか出なかったね。
小沢:今はショールームに何人かいらっしゃいますが。
南原:6月に入って延長戦のために15人残って貰い、この7月で8人になった。
小沢:結局、MGローバーはどうなるんですか。主に今まで買ったユーザーに対しては。
南原:それは大丈夫。幸いにもワランティーの保険に入ってたし、パーツは他の会社に無事、事業譲渡したからこの供給も問題ない。今までもMGディーラーはほとんど他ブランドとの併売だったから、そこに行けばサービスは受けられます。
小沢:その他のブランドは?
南原:ロータスを売ってるLCIは完全に別会社化して、株式の51%をVTホールディングが持ち、残りの49%がウチ。
小沢:ロータスは順調でしたもんね。
南原:TVRは英国のTVR自体が買収されたんで建て直し中だね。ニコライ・モレンスキーって若いロシア人がオーナーになったんで、新たに組織編制をして再出発しています。
小沢:そっか。じゃ、元々の並行輸入業とTVRが残ったんですね。あと名古屋のショールームも。
南原:そう、イチからやり直し。すごろくでいえば「ふりだしにもどる」だよ(笑)。

2005年7月14日に発売された『南原スタイル』(ゴマブックス)。
2005年7月14日に発売された『南原スタイル』(ゴマブックス)。

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■サメみたいな人ですよね。

小沢:冷静に見てみれば、なくなったのはMGローバーだけということですね。かえってスッキリして良かったような気も。ちなみに聞きにくいんですけど、負債とかあるんですか?
南原:アハハ。みんな心配してくれるみたいだけど、僕は粗食だけど食べていけてるよ、今のところ夜逃げもしなくてよさそうだよ。銀行からの借り入れがン十億ってあるけど、今すぐには返せないけど今後のことがもうすこし分かってきたら相談に行こうと思っています。
小沢:今はどういう状態なんですか。残務整理って具体的には?
南原:社員の再就職先の件とか、MGの部品の事業譲渡やショールームの件とかはめどがついて、300本ある電話回線の整理や細かいものを整理してるよ。よかったら電話回線いる? いるんならあげるよ。その他にたとえばこういうMGグッズとかどうすんのかって。2か月ぐらいはやることはわんさかあったよ。
小沢:離婚は、結婚の何倍ものパワーが要るって言いますもんね。
南原:だから、今までは負の遺産の整理に追われていたけど、やっと最近になってようやく自分自身のことも少しは考えられるようになった。
小沢:今後どうするんですか。
南原:今はまだなにも決まっていないけどちょっと人生の節目の隙間を使って本を書いたよ。2冊。ダイヤモンドさんからは7月28日発売で「日本の若者よ、元気を出せ」(タイトルはまだ決まっていない)みたいな本を出すし、7月14日にはゴマブックスから『南原スタイル』を出す。人生、能力はあるけど細かいポイントで損してる人っているでしょう。損しないコツを教えてあげる。
小沢:まさかこの期に及んで本を書いてるとは。だからさっきからパチパチ打ってるんですね。
南原:そう(笑)。
小沢:遂に南原竜樹、作家デビューか(笑)。しかし、南原さんってサメみたいな人ですよね。常に動いてなきゃいられない。
南原:それってホメ言葉? だとしたらありがとう。僕は全然めげてないよ。だいいち、落ち込んでるなんてそのヒマがもったいなから。これからこれからよ(笑)。

つくづく降参です。

(文と写真=小沢コージ)

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小沢 コージ

小沢 コージ

神奈川県横浜市出身。某私立大学を卒業し、某自動車メーカーに就職。半年後に辞め、自動車専門誌『NAVI』の編集部員を経て、現在フリーの自動車ジャーナリストとして活躍中。ロンドン五輪で好成績をあげた「トビウオジャパン」27人が語る『つながる心 ひとりじゃない、チームだから戦えた』(集英社)に携わる。 ホームページ:『小沢コージでDON!』