D1グランプリ入門その1「ドリフト競技のトップシリーズ」

2005.07.06 自動車ニュース

D1グランプリ入門その1「ドリフト競技のトップシリーズ」

全日本プロドリフト選手権「D1グランプリ」をご存知だろうか? 文字どおり、ドリフト競技の最高峰シリーズで、今では国内のみならず海外でも開催。数多くのパーツメーカーがワークスマシンを投入し、経験豊富なスペシャリストたちが激しいバトルを展開している。今回は国内外で人気を集める“D1”の世界をクローズアップしてみた。

■日本から海外へ! 設立5年目のプロ選手権

曲がる方向とは逆にハンドルを切る、つまりカウンターステアをあてながら後輪、もしくは四輪を滑らせてコーナーを立ち上がる“ドリフト”は、ラリーではお馴染みのテクニック。その迫力ある走行シーンは幅広い層に親しまれており、ミニサーキットなどの舗装路でも若者たちの“遊び”として人気を集めている。

そのテクニックの頂点を決するイベントが全日本プロドリフト選手権「D1グランプリ」だ。当初は雑誌社主催のコンテストとして開催されていたものの、2001年より本格的なプロ競技としてスタート。それ以来、急速な発展を続けており、今季はアメリカのアーウィンデールスピードウェイや東京のプレイスポット・お台場の特設コース、スポーツランドSUGO(宮城県)、オートポリス(大分県)、エビスサーキット(福島県)、富士スピードウェイ(静岡県)など全7戦のスケジュールでタイトル争いが展開されている。

そのほか、前述のアーウィンデールスピードウェイを舞台にした“日米対決”や、イギリスのシルバーストーンを舞台にヨーロッパ進出を果たすなど、エキシビジョンマッチも開催。さらに今後はドイツやオーストラリアでの開催、世界選手権への発展なども噂されており、まさにD1グランプリは国内のみならず日本発のモータースポーツとして海外でも注目を集めている。

■数多くのパーツ&タイヤメーカーが参入

国内外で人気が高まるD1グランプリだが、その魅力のひとつが豊富な車種バリエーションだ。詳細は次回紹介するが、まさに新旧のスポーツモデルが勢揃い、という状態で、いずれも市販車両をベースにチューニングを施したドリフト専用のモンスターマシンだ。

HKSやAPEXi、ブリッツ、RE雨宮、ORC、トップシークレット……などなど数多くのパーツメーカーが参入し、ワークスマシンを投入。スーパーGTで活躍するNISMOがユーザーサポート、レースシーンで活躍する名門ガレージがマシン開発を行うほか、アメリカラウンドではGMやフォードなどの自動車メーカーもワークス体勢で参戦している。

そのほか、使用されるタイヤも市販のラジアルモデルで、マーケティングにも大きく影響することから、ブリヂストンやヨコハマ、ダンロップやファルケン、さらにグッドイヤーやトーヨーなど数多くのタイヤメーカーも参入し、激しい開発競争を展開中だ。

もちろん、ステアリングを握るドライバーたちも経験豊富なスペシャリストで、美しいマシンを武器に豪快なドリフトを披露。まさにその対決は“ショー”そのもので、D1グランプリはビジネスシーンにおいても、エンターテイメントしても大きく成長しているのである。

■勝敗を左右するポイントは「カッコイイ走り」

では、気になるルールについて説明しておこう。現在は人気カテゴリーとしてエントリー台数が多くなっていることから、ポイントランキング上位10名の「シード選手」を除いて、まずは本戦日の前日に行われる予選から大会がスタートする。ここでは1台ごとに2、3本の単独走行を実施し、審査員がその走りを評価する。

ちなみに、審査員長は“ドリフトキング”の異名を持つ土屋圭市。「角度」「スピード」「ライン」「エンジン音」「直線でフル加速をしているか?」などの項目を総合的に評価し、もっとも得点の高い1本を対象に、上位20数名のドライバーが翌日の1回戦に進出する。

1回戦からはシード選手も加わり、予選と同様の単独走行で審査員が評価。そして、上位のドライバーが次のステージに進めるわけだが、ここからがD1グランプリの醍醐味となっている。

1回戦の1位vs16位、2位vs15位、3位vs14位……という組み合わせで、上位16名のドライバーが「追走トーナメント」で一騎打ちを展開。先行は追走を引き離したら勝ち、その逆に先行との距離を詰め、インに入れば追走の勝ち……という2台同時のドリフト対決だ。

あくまでもテクニックを競う競技なので、必ずしもパワーのあるマシンが勝つとは限らない。この奥の深さもD1グランプリの魅力といえるだろう。

1つの対戦につき、前後の車両を入れ替えながら計2本の走行を行い、決着がつかない場合はサドンデスの延長戦に突入。勝敗が決まるまで2台同時のドリフト対決が続く。そして、追走1回戦、準々決勝、準決勝、決勝と追走トーナメントを勝ち残ったドライバーが晴れてウイナーに輝くのだが、簡単に言えば、「カッコイイ走り」が勝敗を左右するポイントとなっている。

次回はD1グランプリをわかす注目モデルとトップドライバーたちを紹介する。

(文&写真=廣本泉)

D1グランプリ:
http://www.d1gp.co.jp/

D1グランプリ入門その1「ドリフト競技のトップシリーズ」の画像

大手タイヤメーカーやパーツメーカー、チューナーが参戦。

大手タイヤメーカーやパーツメーカー、チューナーが参戦。

審査員長を務めるのが土屋圭市、いわずと知れた“ドリキン”である。

審査員長を務めるのが土屋圭市、いわずと知れた“ドリキン”である。

お台場の特設コースには、たくさんの観客がつめかけた。

お台場の特設コースには、たくさんの観客がつめかけた。

この記事の大きな画像を見るためには、画像ギャラリーをご覧ください。