【ルマン2005】アウディまたも優勝、クリステンセン通算7勝目で記録更新

2005.06.20 自動車ニュース

【ルマン2005】アウディまたも優勝、クリステンセン通算7勝目で記録更新

真夏の暑さのもと行われた第73回ルマン24時間レースは、序盤からトップを走り続けたチャンピオンレーシングのNo.3アウディR8(レート/ベルナー/クリステンセン組)が、スキのないレース運びで370周を完走。優勝をさらった。
クリステンセンは前人未到のルマン6連覇を達成。ジャッキー・イクスの最多勝記録を塗り替える通算7勝目を手中に収めた。

2位にはポールポジションスタートのNo.16ペスカローロスポーツ(コラード/ブリオン/コマス組)。中盤からハイペースの猛追を見せたが、序盤から何度かマシントラブルに見舞われ、ピット作業でのタイムロスが最後まで尾を引いた。3位には、もう1台のチャンピオンレーシング、No.2アウディR8(ビエラ/ピロ/マクニッシュ)が入った。

■アウディの手強さとペスカローロの踏んばり

メーカーのワークスチームが不在の今年、ひときわ速さが目立ったのがペスカローロチームだった。ドライバー6人は全員フランス人、その中にはWRCで現在ポイントランキングトップのセバスチャン・ロウブも含まれるなど、オール・フレンチのチームは観客からの声援も相当なものだった。

だがレースが始まれば、高い信頼性を誇るアウディが抜け出してしまった。

No.5童夢も懸命に追い上げるが、序盤の遅れに加え、深夜に発生したオルタネーターのトラブルでピット作業を強いられ、差は開くばかり。
その後、順調な流れを作り上げ、深夜には金石勝智がベストタイムを更新するなど、順位は表彰台を見据えられるところまで浮上したが、最終的には午前5時過ぎにトランスミッションのトラブルで戦線離脱となった。

「それまで何ひとつトラブルがなかったのですが、道上龍選手から交代してからしばらく走り、アルナージュのコーナーに入る手前でシフトダウンしたら駆動に力が伝わらなくて、そのまま惰性でポルシェコーナーを超えましたが、その先で止まってしまって……。ピットロードが見えている場所だったので、戻りたかったんですけどね」とは荒聖治。
去年チームメイトだったクリステンセンと攻防戦を繰り広げて完全燃焼したいと意気込んでいただけに、その悔しさも大きなものだった。

とはいえ、No.2、No.3のアウディもトラブル・フリーだったわけではない。タイヤ交換の緊急ピットインや、明け方のコースアウト、もう一台のアウディとの接触など、様々なトラブルを被ったものの、最小限のダメージに食いとどめることができただけのこと。その中で、したたかにレースを組み立ててきたのが、No.3アウディだった。

追い上げモードに入っていたNo.16ペスカローロは、一時はマシントラブルで22位まで後退した遅れを取り戻すべく、他車よりも2〜6秒も速いペースで周回。たが、1周遅れの壁は大きかった。24時間という長い時をかけて作り上げたマージンを守り切ったNo.3が優勝し、そのドライバーのひとりであるクリステンセンにとっては、7回目の優勝という快挙を成し遂げたレースにもなった。

(文&写真=島村元子)


優勝したチャンピオンレーシングはアメリカからのエントリー。かの地のチームによる38年ぶりの勝利となった。また「アウディR8」は、過去67戦して54回目の優勝と、ずば抜けた戦績を残した。来年は次期「R10」に道を譲るといわれている。今年のルマン勝利は名マシンにとって最後の花道となるだろう。


プレスルームに掲示される各マシンの情報。アナログ情報ながら、実に簡潔でわかりやすいインフォメーション・ボード。赤字で書いてあるのは、レースリタイヤを示すものだ。


記者会見の1ショット。どうしてもトム・クリステンセンの前人未到の7勝目に目が行くが、JJレートにとっても95年の初優勝に次ぐ2勝目となる。写真左から2番目には、日本のスーパーGT選手権で活躍中のエリック・コマス。公式車検日では、日本人プレスに日本語で対応し、まわりの関係者を驚かせていた。

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