「フェアレディZ」ファンが集結した「Kz meeting in HARUNO」余話

2005.06.10 From Our Staff
 
 「フェアレディZ」ファンが集結した「Kz meeting in HARUNO」余話

「フェアレディZ」ファンが集結した「Kz meeting in HARUNO」余話

2005年5月22日、静岡県は周智郡春野町の春野ふれあい公園で、「日産フェアレディZ」ファンが集う「Kz ミーティング in HARUNO」が開催された。一見、自動車とはなんら関係のない静かなところに思える春野だが、意外やクルマ&オートバイとも関係が深い。
近隣に故郷がある別冊CG編集室の道田宣和はイベントに参加しつつ、彼の地とモータリゼーションの奇妙(?)な縁に思いをはせる。

緑滴る山里に歴代Zが集まった。その数、実に約700台。この会場だけでは収まりきらず、何カ所にも分散せざるを得なかった。
Kz meetingは恰好の「町興し」ともなった。春野町の特産物は茶とシイタケ。町内を流れる気田川(けたがわ)の清流ではアユも獲れる。
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山間に響く咆哮

緑と清流に囲まれた山間の静かな町に全国から700台もの新旧フェアレディZが蝟集した。ここは静岡県西部の中核都市浜松から北に約30kmの春野町。稀代の量産スポーツカーを世に送り出し、その功によってアメリカの自動車殿堂入りを果たした“Mr. K”こと片山豊さんが96年前(!)に生を享けた地である。誇るべき郷土の傑物を讃え、「片山豊記念館」(仮称)の建設を計画しながら、2005年7月には浜松市に編入されることになっているこの小さな自治体にとって、この日は文字どおり空前絶後の晴れ舞台と言えた。人口6300人の町は時ならぬ6気筒エンジンの咆哮や遠来の参加者たち、豪華なゲスト陣とで終日沸き返った。

オープニングセレモニーでオーナーやファンを前に挨拶するMr. K。隣は右から順に伊藤町長、かつての“(初代)Z遣い”柳田春人さん、その御子息で自身も現代のZを操り“スーパーGT”を闘う柳田真孝選手。
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遠州浜松良いところ

デトロイトやコヴェントリーがアメリカやイギリスを代表する“モータウン”なら、日本のそれはどこだろう? トヨタの本丸、愛知県だろうか、それとも近年生産工場が急速に増殖した栃木県や九州北部だろうか?実は、ウナギやメロンほど知られていないけれども静岡県の西部、特に浜名湖周辺もある意味相当な“メッカ”で、その資格が充分にある。

光明小学校の「郷土・本田宗一郎資料室」児童たちの絵や習字も展示されている。彼らの真剣さや微笑ましさが伝わってきて清々しい。宗一郎さん自身が生前、学校創立100周年にちなんで贈った言葉、「試す人になれ」を教育目標にしている。平日の授業時間(9時〜16時)であれば一般の参観も可能とのこと。なお、これとは別に「本田宗一郎記念館(仮称)建設構想」が生誕100周年(2006年11月17日)の起工式を期して地元天竜市の手で準備が進められ、合併後も新・浜松市に引き継がれることが決定している。
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それでも浜松市が3大モーターサイクルメーカー(ホンダ、スズキ、ヤマハ)発祥の地であることはまずまず認識されているのだろうが、ほかにもトヨタ・グループの創業者にして発明王である豊田佐吉翁生誕の地が、その西岸(湖西市、もちろん静岡県)に位置することまでは想像外に違いない。

今でもこの地に本拠を置くスズキ(浜松市)やヤマハ(磐田市)はそれぞれ本社敷地内に自社の歴代製品展示スペースを備えているが、まだ翁自身が自動車に手を染めていなかったトヨタの場合はその生家や織機を紹介するための「豊田佐吉記念館」を公開している。ホンダはホンダで、メーカー自身の運営ではないものの、「世界の本田宗一郎」が学んだ「光明小学校」(天竜市、7月からは春野町と同じく浜松市に合併される)の一角にメモリアルルームが開設されている。

母校の大先輩、本田宗一郎さんは夢と勇気を与えてくれた。もうすぐ「天竜市立光明小学校」から「浜松市立光明小学校」になる予定の学舎。
郵便番号431-3303 天竜市山東2550/問い合わせは同校教頭の藤村先生宛に。電話は0539-25-3032。
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Mr. Kこと片山豊氏はいうまでもなく、かつてアメリカ日産を強力なリーダーシップで率いていた人物だ。つまり、ドライブがてらに風光明媚な湖を一周すれば主要なメーカーゆかりの地が、ひととおり探訪できてしまうというわけだ。

なにを隠そう、かく言う自分も浜松市の出身である筆者としては、この際メーカーの垣根を超えて互いの連携を提案したい。たとえば小は「スタンプラリー」に始まり大は共同企画や共同事業に至る「コンソーシアム」の結成などである。
その方がゼッタイに楽しい。

翁の発明になる「豊田式木製人力織機」や自動織機などが展示されている内部。敷地は入口の展示棟のみならずひと山全体に及び、生家は一番奥まったところにある。「障子を開けてみよ。外は広いぞ」の心意気が随所に感じられ、直接自動車には結び付かなくても一見の価値がある。
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地縁のチェイン
この日のイベントには伊藤晋一郎春野町長はむろんのこと、浜松の北脇保之市長や「天竜川・浜名湖地域合併協議会」の飯田彰一事務局長も駆け付けた。人口78 万余を擁し、政令指定都市を目指す合併後も『「Z」(片山豊)記念館整備事業』として新しい浜松市に引き継がれることがすでに約束されているからである。

日産広報車のフェアレディZロードスター(Version T 2WD/6MT)で神聖なるトヨタの始祖を訪ねるのは何となく気がひけたが、取材の流れとあっては致し方ない。こちらは郵便番号431-0443 湖西市山口113-2にある「豊田佐吉記念館」年末・年始と水曜日(休日の場合は翌日)を除いて基本的に毎日無料で開放されている。ただし、2月と9月の月曜日・火曜日の一部も休館となるので、要注意。電話&ファクスは053-576-0064。
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同時に、浜松に本社がある軽合金ホイールのトップメーカー、エンケイの鈴木順一社長と元アメリカ日産社員で現在MAS INCを主宰する萩原正明社長も顔を見せた。私事ついでで恐縮だが、彼ら(と飯田事務局長、そして僭越ながら実はここでも筆者が登場する)は地元高校の同期生同士。さらに片山さんとは、かつて筆者が裏方を務めた「昭和シェル石油-CAR GRAPHICマイレッジマラソン」で特別賞審査委員長として、20年間に亘りお世話になった間柄だ。

片山さんが2年前から春野町の「ふるさと大使」を買って出るようになった、そもそものきっかけも彼らの橋渡しがあったためというから、世のなか広いようで案外狭い。ちなみに、彼らと筆者とは少なくとも在学当時直接の面識がなかったのだから、不思議と言えば不思議な巡り合わせである。

 (文と写真=CG別冊単行本編集室 道田宣和)

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