【FN2005】第4戦富士、突然の雨を味方につけたトレルイエが今季初V

2005.06.06 自動車ニュース

【FN2005】第4戦富士、突然の雨を味方につけたトレルイエが今季初V

第3戦SUGO同様、またも雨がレースを動かした。
2005年6月5日に行われた全日本選手権フォーミュラ・ニッポン第4戦の決勝は、序盤に突然の大雨に見舞われ、レースは赤旗・中断。天候回復を待ってレース再開となった。赤旗を挟み、第1パート、第2パートと区分された後も、言葉どおり雨で足もとをすくわれるドライバーが続出。そのなかで得意の雨を味方につけて優勝したのは、ブノア・トレルイエだった。

2位には本山哲、3位には松田次生が入賞。ポールポジションからスタートしたリチャード・ライアンは、第1パートのスタートでつまづいたのが響き、4位に終わった。

■新人クインタレッリ好走、PPはライアンの手に

リニューアル後の富士スピードウェイ初開催となったフォーミュラ・ニッポン(FN)で、ポールポジションを奪ったのは、リチャード・ライアン。意外にも今季初の獲得だった。
だが、今回それ以上に話題をさらったのは、ロニー・クインタレッリだった。ヤレック・ヤニスに代わり参戦のチャンスを得たクインタレッリは、昨年の全日本F3選手権王者。シーズンオフにはFNマシンをドライブする機会には恵まれたが、今シーズンは全日本GT選手権のみ出場していた。

レースウィークの水曜日に出場が決まり、まさにぶっつけ本番で予選を迎えたクインタレッリだが、なんと予選1回目の終盤に暫定トップタイムをマーク!普段ならチェッカー5分を切って激しい上位争いが繰り広げられるのだが、このタイムを上回る選手があらわれずそのままアタック終了となった。

午後からの予選2回目は、雲行きが怪しい天候を考慮し、大半が序盤からアタックモード全開。ニューカマーの快挙に刺激を受けたのか、ライアンがすぐさま総合トップタイムをマークし暫定PPを奪取した。

その後、大半のマシンも自己ベストを更新、クインタレッリも同様に3番手に留まる健闘を見せた。そして迎えたチェッカードフラッグ。フィニッシュラインを通過するマシンが1台、また1台とベストタイムを刻み、激しくポジションが変動。ライアンのトップタイムは不動だったが、2位にルーキーの平中克幸が入り、FN2年目の片岡龍也が3位に続いた。結局、クインタレッリは6番手まで後退したが、若手の飛躍が目立った予選となった。

■雨に流れたノンストップ作戦

65周の決勝レースをタイヤ無交換・ガソリン無給油のノンストップ作戦で挑む予定のチームもあったが、すべては雨によって“お流れ”に。
スタートでトップに立った平中がジャンプスタートでペナルティを受け、その後トップに立った片岡龍也をトレルイエが追い、3番手にクインタレッリがつけるかたちで30分が経過。ところが、ここで思わぬ刺客……雨が訪れたのだ。

パラパラと落ち始めた雨のなか、最初に動いたのは6番手にいた本山だった。25周を終えてピットイン、レインタイヤを装着してコースへ復帰したのを見届けたかのように大粒の雨がコース一面を覆い、たまらずピットインするマシンが続出。大慌てでタイヤを交換するピット前はまさに修羅場と化していた。

しんがりでピットインしたライアンは、ピットロード入口でコントロールを失い、ガードレールにタイヤをヒット。さらにピット作業でもてこずり、最後尾へドロップした。一方のトレルイエも再スタートでエンジンストールのミスをし大きく順位を下げていた。
これでトップに浮上したのが、片岡。ところがその片岡も川ができるほどの突然の豪雨になす術もなく、スピン。グラベルにマシンをスタックさせた。

この状況下で水を得た魚となったのが、アンドレ・ロッテラーだった。予選が不調に終わり、13位でスタートしたが、レインタイヤを装着するや、あっという間に上位へと浮上。ついにトップへと躍り出た。だが、路面を叩きつける地雨は、2位走行中の土屋武士をもスピンへと追い込み、レースはついに赤旗・中断となった。

■悲運のロッテラー、復活のトレルイエ

午後4時30分、セーフティカー先導によるローリングスタートで32周にわたるレースが再開。ロッテラーの首位は変わらず、松田、トレルイエが順位を上げてトップ3を形成した。
だが、ここにきてロッテラーが突然のスローダウン。電気系トラブルに見舞われ、あえなく戦線離脱となり、松田がトップを奪取する。

ようやくトップに立った松田だが、それも束の間。雨を得意とするトレルイエが攻め立て、ついに2台が接触。この勢いで松田がスピンし、トレルイエもハーフスピンしたが、2台とも最小限のダメージで戦線復帰。ひと足先に戻ったトレルイエがレースを先行した。

滑るマシンをコントロールしながら、周回を重ねるごとにトップの座を確固たるものにしていくトレルイエを懸命に追う松田だったが、接触を機にマシンバランスが崩れたのか、ペースが上がらない。そこに、しばし2台の動きを様子見していた本山が加勢して松田を攻略。これを機に、トップ3のポジション争いは終焉を迎え、このままチェッカードフラッグを受けることとなった。

■2パート制のレース結果は……

FNのレース規則により、2パート制レースの場合、結果は第2パートの成績が最終結果となる。よって、トップでゴールしたトレルイエが覇者となり、自身今季初の勝利を手に入れた。
2位の本山は、前回の優勝に引き続き、2戦連続の表彰台。3位の松田は第2戦鈴鹿に次いで、2回目のポディウムフィニッシュとなった。
4位のライアンに続き、5位入賞を果たしたのはクインタレッリ。目まぐるしい展開となった波乱のレースを走り抜き、デビュー戦ながらポイント獲得に成功した。6位には平中が入った。

次回、第5戦はシーズン2度目の開催となる鈴鹿が舞台。ライバルたちとのバトルだけでなく、灼熱との闘いが待ち受けるであろうタフなレースを、誰が制するのか。そろそろ気になり始めたチャンピオン争いとともに、その行方に注目したい。決勝は7月3日だ。

(文=島村元子/写真=荒川正幸)


予選、決勝と話題を振りまいた新人、ロニー・クインタレッリ。2004年全日本F3選手権チャンピオン、今年はスーパーGT(500クラス)に参戦している25歳のイタリア人だ。(写真=KLM Photographics J)


突然の雨でマシンは水煙にまかれ、スピンに追い込まれるドライバーが続出。赤旗・中断を経て第2パートが行われた。


首位をゆくトレルイエを、松田次生が追う。その後両車は接触したものの、コース復帰を果たし、トレルイエは今季初Vを手に入れた。松田は、本山哲に抜かれ結果3位でゴール。


マシンから飛び出し喜びをあらわにするトレルイエ。


トレルイエ(中央)、星野一義チーム監督から熱烈な(!?)祝福を受ける。2位本山(左)とともに、mobilecast TEAM IMPULは1-2フィニッシュを達成。3位(右)には松田が入った。

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