市立博物館に栄光のマシンが集結〜四日市市立博物館企画展「鈴鹿や富士を翔けた名車たち」報告

2005.05.24 自動車ニュース

市立博物館に栄光のマシンが集結〜四日市市立博物館企画展「鈴鹿や富士を翔けた名車たち」報告

2005年4月23日(土)から、三重県四日市市の「四日市市立博物館」で開催されている企画展「鈴鹿や富士を翔けた名車たち〜アイビーに、エレキに、サイケだったあの頃〜」を観覧してきた。

■日本グランプリ・マシンの数々

この企画は、我が国のモータリゼーションが幕を開けた1960年代、出来上がったばかりの鈴鹿サーキットや富士スピードウェイで開かれたスピードイベント「日本グランプリ」を走ったマシンを中心に、当時の時代風俗や若者文化を伝える品々、そして3人の作家による自動車関連アートを展示したものである。

未成熟で貧しかったが活気にあふれ、明るい未来を信じていた60年代をもう一度見つめ直す。単に過去を懐かしむのではなく、過去を知ることで未来をイメージする。当時の日本の姿から元気をもらい、創造性と志のある社会の創造を起したい、というのが企画意図だという。

企画展示が行われているのは、博物館の1階と4階。エントランスを兼ねる1階部分に足を踏み入れると、いきなり8台ものレーシングマシンが展示されている。

1963年に鈴鹿で開かれた第1回日本グランプリの優勝車そのものである「ダットサン・フェアレディ1500(SP310)」をはじめ、同じく第1回グランプリにも出走した「ジャガーEタイプ」、64年の第2回グランプリで後世に語り継がれる戦いを繰り広げた「ポルシェ904GTS」と「プリンス・スカイラインGT」、国産初のプロトタイプスポーツであり、富士初のビッグイベントである66年の第3回日本グランプリで優勝した「プリンスR380」とそのライバルだった「ポルシェ・カレラ6(906)」。

そして先ごろ富士スピードウェイのリニューアルイベントでも力走した69年グランプリ優勝車である「日産R382」、さらには68年の第5回グランプリに出場した「トヨタ7」のレプリカ(複製車)というラインナップである。

これらのマシンはいずれも見学者がじっくり観察できる場所に展示されており、また写真撮影も許可されている。モータースポーツファンにとってうれしいところだ。

■「アイビー」や60年代の自動車カタログも

4階の展示室には、日本グランプリに出場したのと同型(レーシングバージョンではなくノーマル仕様)の小型車を中心とした展示がされている。
車種は「オースチン・ヒーレー・スプライトMk1」「MGミジェットMk1」「ホンダS800」「トヨタ・スポーツ800」「スバル360」「マツダ・キャロル」「ホンダNIII360」の7台であるが、いずれもコンディションはすばらしい。

それらの車両の周囲には、60年代に生まれ、流行ったさまざまな品々が展示されていた。「アイビー」と呼ばれる、アメリカンスタイルのファッションを日本に紹介し、一大ブームを巻き起こしたVANヂャケット。その衣類と販促用のノベルティ類を、当時のVANショップのショーウィンドウ風にディスプレイ。
そのほかニコンやキヤノンのカメラコレクション、ビートルズをはじめとするレコード類、資生堂のキャンペーンポスターなどの広告やノベルティ類なども飾られていた。

また4階展示室には、Bowことイラストレーターの池田和弘氏、二玄社カレンダーでもおなじみのペーパーアーティストの大田隆司氏、モデラーの野村勲氏という、3人の作家による60年代にちなんだ作品、および60年代の自動車カタログコレクションも並べられており、見ごたえがあった。

クルマ好きなら楽しめるに違いない、この「鈴鹿や富士を翔けた名車たち」は、5月29日(日)まで開かれている。観覧料は一般900円だが、1階部分のレーシングマシンはすべて無料で見られるという太っ腹ぶり。近隣に在住の方は、ぜひ訪れることをおすすめする。

(文&写真=田沼哲)


69年日本グランプリで、黒沢元治のドライブにより優勝した「日産R382」と、国産レーシングマシンの開発に多大な影響を与えた「ポルシェ906(カレラ6)」。


68年の第5回日本グランプリに出場したトヨタ初のプロトタイプスポーツである「トヨタ7(セブン)」の、愛好家の手でつくられたばかりの複製。


4階展示室には小型のスポーツカーと軽乗用車が並ぶ。


かつてのVANショップのショーウィンドウを模したという展示。


60年代のヒット商品のひとつである資生堂MG5(男性化粧品)の広告ポスターを中心とした展示。








Bowこと池田和弘氏のイラストレーション原画、大田隆司氏のペーパーミュージアム、野村勲氏のフェラーリを中心とする1/43スケールのモデルカーによる「3人の作家展」(以上写真3点)。


「鈴鹿や富士を翔けた名車たち」の図録表紙。なお、同企画展に関する問合せは四日市市立博物館(電話0593-55-2700/http://www.city.yokkaichi.mie.jp/museum/)まで。

この記事の大きな画像を見るためには、画像ギャラリーをご覧ください。