三菱自、インホイールモーター&リチウム電池を使ったEV

2005.05.12 自動車ニュース

三菱自、インホイールモーター&リチウム電池を使ったEV

2005年5月11日、三菱自動車工業は同社の次世代型電気自動車に関する説明会を開催し、リチウム電池でホイール内部にモーターを内蔵した「インホイールモーター」を駆動する電気自動車(EV)の開発を発表した。2010年には、軽自動車ベースのEVを市販化する予定だという。


インホイールモーターで後輪を駆動する「コルトEV」(写真上)と、モーターのアップ。最高出力20kW(約27ps)だが、最大トルクは600Nm(61.2kgm)に達するという。航続距離は、現在150km。

三菱が「MIEV」(ミーブ=Mitsubishi In-wheel motor Electric Vehicle)と呼ぶEVは、車両のホイール内部にモーターを内蔵してタイヤを直接駆動する「インホイールモーター」と、リチウムイオン電池を組み合わせた電気自動車のこと。説明会冒頭でプレゼンテーションを行った同社常務執行役員の相川哲郎氏は、2006年に発表する予定の新型軽自動車をベースにしたEVを、2010年に市販化したいと語った。


フロントにエンジン、トランスミッションはなく、展示車はラゲッジスペースになっていた。パッケージングが自由になるだけでなく、かさばる重量物がないため、衝突安全性を高めることもできる。

インホイールモーターを使うメリットは、駆動系やトランスミッションが必要ないため、パッケージングの自由度が高いこと。EVに不可欠な重くて大きなバッテリーを積むスペースを確保できるほか、ハイブリッド車や燃料電池車にも応用できる技術というワケだ。さらに、「ランサーエボリューション」などで培った4輪を独立制御する4WDシステムにも、応用できる可能性があるという。エネルギー源となるリチウムイオン電池の性能が高まってきたこともポイント。EVが発売される予定の2010年には、1回の充電で200km以上の航続距離が確保できると同社は予測する。


アウターローター型インホイールモーターを装着したランエボ。

しかし、イイ話ばかりでもない。インホイールモーターはモーターで直接タイヤを駆動するためバネ下が重く、乗り心地の悪化が予想される。軽自動車をベースにする理由も、“中低速、近距離での利用”という前提があるからだが、一方、価格は当然ながら高くなってしまう。


アウターローター型インホイールモーターは、車軸を使ってタイヤを回転させるのではなく、輪状のコイルの周りを回転する磁石がホイールを回す仕組み。そのため、操舵輪にも使うことができる。

といっても、完全な電気自動車だからハイブリッドよりもクリーンであることは確実。価格は、国の補助金やリース制度などを利用して現実的になる可能性もある。これを、ユニークな技術で実現しようとする三菱自動車のチャレンジは興味深い。リポーターが面白いと思ったのは、三菱独自の4輪独立制御技術をぞんぶんに活かす(であろう)、インホイールモーターを使った「ランサーエボリューション」こと“エコ・エボリューション”。太いトルクを自在に操って走る、曲がる、停まるクルマなんて、面白そうじゃないですか?

(webCGオオサワ)


アウターホイール型のインホイールモーター。出力はインナー型より高く、50kW(約68ps)の出力があるという。デメリットは、重くて大きいこと。単体で28kgあり、ホイールサイズは20インチ。

三菱自動車:
http://www.mitsubishi-motors.co.jp/japan/

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