【FN2005】第2戦、井出、完璧な作戦でレースを圧勝!

2005.04.18 自動車ニュース

【FN2005】第2戦、井出、完璧な作戦でレースを圧勝!

2005年4月17日、全日本選手権フォーミュラ・ニッポンの第2戦が、三重県・鈴鹿サーキットで開催された。春の穏やかな陽気に包まれ、3万4000人の観客がレースの行方を見守る中、予選10番手だった井出有治が優勝。2位には地元・三重県出身の松田次生が、3位には小暮卓史が入った。

■トレルイエ、鈴鹿初PPを獲得

今回のレースは、MFJ全日本ロードレース選手権との併催で、レースファンには“一度で二度オイシイ”イベントだった。


マシンを降りた井出に、担当エンジニアの村田卓児が駆け寄ってきた。「おまえは、すごい、すごいよ」と叫びながら、ふたりは喜びを分かち合っていた。

だが、午前中の予選は、大半の選手がラスト10分のみ走行。二輪の予選が終了した直後では、路面コンディションが決していいとはいえない状態だったため、短時間でのアタックを選んだのだ。
結果、計測2ないし3周のチャンスをモノにして暫定トップに立ったのは、ブノワ・トレルイエだった。

午後の予選では、午前とは打って変わり、早い段階で自己ベストタイムを更新するマシンが続出するも、本格的なアタックが始まったのは、やはり午前同様、残り10分を切ってからだった。
路面コンディションが向上し、新たなファステストラップに期待が膨らんだが、ひと足先に自己ベストを更新していたトレルイエのタイムを上回る選手は現れず、アタックが終了。トレルイエにとっては、鈴鹿での初PPとなった。


序盤のトップ3。先頭は松田次生、ブノワ・トレルイエ、片岡龍也が続く。

2番手には松田次生。ファイナルアタックでは区間タイムでトレルイエを上回るパフォーマンスを見せ、ポジションアップに成功した。3番手は参戦2年目の片岡龍也だった。

なお、開幕戦のウィナー、リチャード・ライアンは、予選1回目で2位につけたが、予選2回目でタイムが伸び悩み、9番手と出遅れた。

■小暮、怒涛の追い上げ

レース序盤を盛り上げたのは、予選7位の小暮だった。2ストップ作戦のため、搭載するガソリンも少なく、軽いマシンを武器に1周1台のペースでライバルを料理。ヘアピン、シケインと容赦なく前車を追いたて、スタートでトップに立った松田やそれを追うブノワも逆転。5周目にはトップに上り詰めた。


レース序盤を盛り上げた小暮卓史は、結局3位でゴール。

■ピットストップで順位に変動が……

ピットストップを最初に行ったのは、3番手のトレルイエ。レース直前までギアボックスの修復作業をしていたことが原因なのか、エンジンカウルが浮いているのが確認されたため、予定を早めてのピットインとなった。

これを境に、他車も順を追ってピットストップを開始。各自ポジションが前後していく中で、コース上でひたすら好ラップタイムを刻み続けたのが井出だった。
予選10位と出遅れたが、持ち前のタイヤを酷使しない走りで周回を重ね、22周目には暫定トップに浮上。満を持して36周にピットインするときには、2番手のトレルイエに50秒もの差をつけていた。

■出走15台中、完走は9台

ピット作業をスムーズに終えて、井出は首位を明け渡すことなくコースに復帰。最後まで攻めの姿勢を貫き、そのままチェッカードフラッグを受け、今季初優勝を飾った。

これとは裏腹に2位以下は、激しいポジション争いの末に接触やコースアウト、マシントラブルでリタイヤを強いられるなどのサバイバルレースとなった。
なかでも早めのピットストップが響き、グリップを失ったタイヤで2位を死守していたトレルイエは、マシントラブルも抱えながら松田の猛追を抑えていたが、40周目のヘアピンで痛恨のスピン。その後、2コーナーでコースアウトを喫し、レースを終えた。

2位に浮上した松田も、中盤にはアンドレ・ロッテラーをリタイヤに追い込む壮絶なバトルを展開。忍耐強く闘い抜いた末に得た結果だった。

3位には小暮。2回目のピットストップを終えて7位でコースに復帰した後は、序盤同様、前車を蹴散らすような走りで瞬く間に3位まで浮上し、今季初の表彰台に上がった。

■チームの総合力がレースの行方を左右する

今回、2回のピットストップを行ったのは小暮ひとり。この他、奇襲作戦も見られなかったが、結果として予選上位陣の中で表彰台に上がったのは松田だけ。予選一発の速さだけでなく、決勝での緻密な作戦が今後のレースにどういう変化を与えるのか、興味深い。

さらに、第3戦の菅生から給油装置の流速速度が変更されることで、レース戦略にも影響を与えそうだ。コース上では抜きつ抜かれつのバトルが増えた今年のフォーミュラ・ニッポン。菅生の闘いにも期待がかかる。

(文=島村元子/写真=KLM Photographics J)

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