第191回:新型「ヴィッツ」試乗!でも、カッコがイマイチ……

2005.02.10 エッセイ

第191回:新型「ヴィッツ」試乗!でも、カッコがイマイチ……

■日本の“自動車グルメ”を担う!?

新型「トヨタ・ヴィッツ」に試乗してきました。個人的見解では、ヴィッツは「スズキ・ワゴンR」「ダイハツ・ムーヴ」「ホンダ・フィット」などと並ぶ、クルマ版“標準価格米”。日本人のクルマに対する感性をを左右するクルマ、と思っております。要は普段から“いいコメ”食ってると、そこの国民はクルマの味にうるさくなり、逆もまた真なりと。つまり非常に重要なクルマなのですね。
で、新型ヴィッツ、一言でいうと大変良くなってます。っていうか品質、使い勝手は凄い進歩!

……ただねぇ。最大の問題っつうか、欠点があって……。カッコがイマイチなんだよねぇ。特に顔よ顔。初代ヴィッツのフロントマスクに、無理やり最近のトヨタ路線の2本の縦エッジを刻んだ感じで、コレが似合わない。なかでもヘッドランプはイヤだな。横長だったのが無理やり縦長になってゆがんでます。個人的には正直ツライ。ただね、サイドやリアを見るかぎり、イタ車風のセクシーなラインを付けようと努力した後が見られ、それは悪くない。おそらく前のヴィッツが良すぎたんだよね。あのデザインを捨てきれず、無理やりセクシー路線というか、イタリア的お色気を入れようとして、上手く混ざり合ってない気がする。まったくの個人的感想ですが。


第191回:新型「ヴィッツ」試乗!でも、カッコがイマイチ……の画像
縦長センターコンソールに、ダイヤル式エアコンスイッチを配置。ニューヴィッツのインテリアを象徴する部分です。
縦長センターコンソールに、ダイヤル式エアコンスイッチを配置。ニューヴィッツのインテリアを象徴する部分です。

■足腰はなかなか

一方、乗った感じは非常にイイです。特にハンドリングね。昔の「ほとんどタイヤがどこ向いてるかわからない!」ってニブさは減り、手応えが軽く研ぎ澄まされてる。もっと飛ばさないとホントんとこはわからないだろうけど、かなり良くなってると思われます。
ボディの出来もいい。さすがはトヨタの世界戦略車! 日本ではバカ売れの「ホンダ・フィット」などに影響され過ぎず、サイズが全長11cm増しで収まったのもエラい。使い勝手を悪化させず、ほどよくリアシートとトランクスペースが拡大しております。

乗り心地はほどよく硬め。俺が試乗したのは1.3リッターエンジンの「Fグレード」だけど、気持ちよく走れました。ただ、足まわりのセッティングは、ホンダ・フィットの功績も多少はあるのでは? とも思いましたね。「あれだけ足が硬くても売れるんだから、日本でもこの程度の締まり具合は全然OK」って判断。一つの目安にはなったかと思われます。

浮いたスペースは漏らさず小物入れ等に活用。物入れに困ることはアリマセン。
浮いたスペースは漏らさず小物入れ等に活用。物入れに困ることはアリマセン。
簡単操作で倒すだけのリアシート。
簡単操作で倒すだけのリアシート。

第191回:新型「ヴィッツ」試乗!でも、カッコがイマイチ……の画像

■道具としては高評価

あとインテリアもいいね。ほどよくシンプル&モダン。それほど高そうな素材は使ってないんだけど、そこそこリッパに見える。特に、試乗車に使われていた白いメタリック調の素材はよかった。また話には聞いてたけど、物入れがいっぱいあってやたら便利。床下に半分納められるリアシートも使い勝手が良さそうだし、この辺でも国内ではライバルのホンダ・フィットを見事牽制してると思われました。

ってなワケで、コージ的に走り、実用性は高評価。日本人の舌もこれで多少はレベルアップするのでは? って勝手に喜んじゃいました。ヴィッツは今後、プラッツ、ファンカーゴ、bB、ist、プロボックス、ラウム、シエンタ、パッソ、ポルテへと、やたら使いまわされるベース車だけに、それが国民の“舌”に与える影響は大きい。ただし、何度も言うけど問題はデザイン。せっかく上がった国民のカーデザインに対する美意識がこれでちょっと落ちちゃうのでは? なーんて考え過ぎですかねぇ。

(文と写真=小沢コージ/2005年2月)

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小沢 コージ

小沢 コージ

神奈川県横浜市出身。某私立大学を卒業し、某自動車メーカーに就職。半年後に辞め、自動車専門誌『NAVI』の編集部員を経て、現在フリーの自動車ジャーナリストとして活躍中。ロンドン五輪で好成績をあげた「トビウオジャパン」27人が語る『つながる心 ひとりじゃない、チームだから戦えた』(集英社)に携わる。 ホームページ:『小沢コージでDON!』