【年末年始特別企画】島下泰久が鋭く迫る! 2005年、日本の自動車界はどう動く?(日本車編)

2005.01.03 自動車ニュース
 

島下泰久が鋭く迫る! 2005年、日本の自動車界はどう動く?(日本車編)

リコール隠しや鋼材不足、工場火災など、2004年は暗い話題が多かった印象がある。今年は、自動車好きをワクワクさせてくれるクルマが続々と登場してくれることを望みたい。2005年に登場する予定の日本車のテーマは、パワーなのか、エコなのか、はたまたデザインなのか。気鋭の自動車ライター島下泰久が大胆に予想する。


2004年9月に行われた、日産自動車の発表会の模様。「SHIFT_design(デザインの変革)」をスローガンに6台のクルマを発表した。(写真=河野敦樹)
 

■大型サルーンからコンパクトカーへ

クラウンに始まり、「フーガ」、「レジェンド」と大型サルーンが目立った2004年だが、2005年はまず、コンパクトカーが旋風を起こしそうだ。

まず初っ端に登場するのは、フルモデルチェンジを行なう「トヨタ・ヴィッツ」と、ブランニューモデルとなる「日産ノート」である。ヴィッツは、さらにその下に位置する「パッソ」の登場によって、よりハイグレード指向を強める模様。一方のノートは、男性の「キューブ」、女性の「マーチ」に対して、ファミリーカーとして男女隔てなく好まれるデザインとユーティリティを得ての登場となりそうである。
さらに春以降には、ホンダが新型「シビック」を投入する。現行モデルですっかり影が薄くなってしまったシビックだが、新型は「フィット」のプラットフォームをベースに、よりスポーティな雰囲気をまとって登場しそうだ。


「日産フェアレディZ」35周年記念モデル
(写真=岡村昌宏)
 

■オーバー280psカーは様子見

あいかわらずの景気の先行き不透明感もあって、小型車人気はここにきてさらなる高まりを見せている。特に、上級車からの乗り換え需要が急増しているのだという。オーバー2000万円級の高級輸入車が隆盛とはいっても、それはほんの一部の“勝ち組”の間での話。少なくとも我々庶民にとっては、もはやクルマがヒエラルキーの象徴という時代ではなくなりつつあるのかもしれない。そんなニーズに応えようと、魅力的な小型車が投入されれば、さらにその傾向には拍車がかかる。メーカーにとっては嬉しいんだか悲しいんだか、わからなくなりそうな話である。

話題を呼びそうなスポーツモデルも、いくつか登場する。その筆頭は「マツダ・ロードスター」。3世代目はボディが若干拡大されるものの、重量増は最小限に抑えられているなど、ロードスターの精神は変わらず踏襲される由。ふたたびブームを巻き起こすことができるか注目だ。
また、2004年に例の280ps自主規制が撤廃されたのを受けて期待されるオーバー280psカーだが、しばらくの間は各社、あまり派手な動きは見せない模様である。エンジンに手が入れられた「フェアレディZ」の生誕35周年モデルも、北米仕様が300psを掲げるのに対して、290ps前後に抑えられるという噂。やはり春にはお目見えと言われる「三菱ランサー・エボリューションIX」も、最高出力は280psに据え置かれるという。


2005年8月にスタートする、レクサスディーラーのモデルルーム。
 

■要注目はトヨタ/レクサス

ここを大きくブレークスルーするのは、やはり巨人トヨタなのか。秋のF1日本グランプリに向けては、F1参戦記念車と言われる、噂のV10エンジンを搭載したミドシップスポーツがお披露目になるに違いない。排気量を含めて詳細は何ひとつ明らかではないが、V10を積んで280psということは無いはず。ただし問題は、そのF1が2006年から2.4・V8に規定変更されてしまいそうなことだ。これは早く売らなくては…。

トヨタといえば、夏までには「ハリアー・ハイブリッド」も登場するはずだ。3.3・V6エンジンと前後輪にモーターを備えたハイブリッドシステムの出力の総和は270ps程度に達するという。それでいて燃費はヴィッツ並みと言われているのである。ポルシェが欲しがるのも無理はない。
そのトヨタには、さらに大きな話題がある。いや、これこそ2005年の日本の自動車業界最大の話題と言えるだろう。そう、「レクサス・チャンネル」がいよいよ、9月から本格展開を開始するのだ。


島下泰久(しました・やすひさ)
自動車ライター。学生の頃より二玄社CG編集部にてアルバイトをはじめる。1996年、24歳の時にフリーランスに。AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員。
 

これまでの自動車ディーラーとはまったく異なる上質なサービスを提供するというレクサス。取り敢えず用意されるのは、完全な新型車となるのが、「アリスト」の後継たる「GS」と「アルテッツァ」の後を継ぐ「IS」、さらに「ソアラ」が「SC」として加わるはずだ。肝心要の「LS」、つまり「セルシオ」は当面はセルシオのまま、トヨタ店で販売される模様。おそらく2006年あるいは2007年に登場の次世代モデルで、華々しくLSとして再デビューすることになるのだろう。

果たしてこのレクサス店が日本のユーザーからどのように受け取られるのか。目論み通り、輸入車と同じだけのプレステージ性を獲得して、それらのユーザーを振り返らせることができるのか。2005年と言わず、今後数年の展開は大いに注目である。

(文=島下泰久/2005年1月)

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