M3を超えるパフォーマンス、ニュー「BMW M6」発表

2004.12.21 自動車ニュース
 

M3を超えるパフォーマンス、ニュー「BMW M6」発表

新しい「M5」をリリースしたばかりのBMWが、スーパースポーツクーペ「M6」を発表した。5リッターV10を積む「6シリーズ」ベースの高性能車には、パワーソース以外に大きなチューンが施されているという。ドイツ通の自動車ジャーナリスト、木村好宏が現地からリポート。



 

■ドレスアップは控えめ

2004年に「1シリーズ」「5シリーズ・ツーリング」(ワゴン)「6シリーズ」「M5」、そしてニュー「3シリーズ」をフォトデビューさせたBMWは、年末になっても手綱を緩めない。今度は「6シリーズ」の最高峰たる「M6」を発表した。ベースとなる「645i」に、新型「M5」が搭載する5リッターV10エンジンを移植したスーパースポーツクーペである。

外観のドレスアップは控えめだが、中身はノーマルと大きく異なる。M6のインテークおよびクーリングシステムはまったく新しいもので、前エアインテークの直後にこれらシステムのクーラーが設けられた。

左右のオープニングがV10エンジン用の吸気取り入れ口、両フェンダーにM5のような、熱気を逃がす「エラ」はない。リアエンドは、左右2本ずつ、合計4本のエグゾーストパイプと、それらの中央にレイアウトされたディフューザーが特徴的。M6は空力的に洗練されたフォルムのため、付加的なスポイラーは必要ないという。

19インチの専用軽合金ホイールも、M6の視覚的な特徴のひとつ。タイヤはM5と同サイズで、フロントが255/40ZR19、リアに285/34ZR19インチを履く。このビッグフットのおかげで、全長4.87mに達するクーペのサイドビューが引き締まり、さらに躍動感溢れるものとなった。

もちろん、大径ホイールの採用はパフォーマンスに見合った大型ディスクブレーキの採用を意味する。フロントが374x36mm、リアに370x24mm径のドリルドベンチレーテッドディスクを備え、100km/hから静止まで36mというストッピングパワーを誇る。

インテリアは基本的にノーマルと変わらず、507psのV10エンジン搭載車としては、素っ気ないほどだ。
細かく観察すれば、330km/hスケールのスピードメーターや、レッドゾーンが8250rpmから始まり9000rpmに達するタコメーターに、このクルマの素性がうかがえる。
「SMG」のシフトレバー&パドルにオーナは納得するかもしれないが、“華”に欠けるコックピットではある。



 

■ハイテク素材で軽量化

エンジンはM5と同じ、排気量4999ccのV型10気筒。一部で「M3よりパワーアップ」と噂されたが、最高出力507ps/7750rpm、最大トルク53.0kgm/6100rpmのアウトプットはM3と同一。しかし、M5の車重が1830kg、かたやM6は1710kgと120kgも軽いのだ。

M6がこれほど軽く仕上がったのは、「M3 CSL」と同じカーボン製ルーフの採用による。F1のボディと同じ素材でつくられたルーフは、スチールに比べて約50%も軽い。しかも、ボディのもっとも高い位置を軽くすることで重心が低められ、結果的にM6のダイナミクスは一層高まった。
ボディとはハイテク素材で接着され、スチール溶接より剛性は高く、ノイズ特性や耐候性はスチールと同レベルに保たれる。前後のバンパーキャリア(ステー)にも同じ素材が用いられ、フロントで20%、リアは40%軽量化された。

その結果、パワー・トゥ・ウエイトレシオは、M5の3.61kg/psに対し、M6は3.37kg/psとなった。明らかにM6の方が速そうだが、残念ながら現段階の発表では、0-100km/h加速がM5=4.7秒、M6=4.6秒という数字しか入手できなかった。2005年初夏の発表が待ち遠しい。



 

■噂にのぼるCSL

ところで、M6の発表に際して面白い噂が飛び交った。コンペティティブな軽量バージョン「M6 CSL」が登場する、という予想だ。

6シリーズの歴史には、ツーリングカーレースで無敵を誇った「CSL」という軽量モデルが輝かしく名を残す。さらに、BMWは2003年、M3にカーボン製ハイブリッド軽量ボディを与えた「M3 CSL」をリリースして好評を得た。これらをふまえると、M6 CSLがプログラムに加えられてもおかしくはないどころか、噂が正当性を帯びてくる……。

BMW M社のウルリッヒ・ブルーンケ社長にそれとなく聞くと、まんざらでもなさそうな苦笑いで応えてくれた。
果たして、M6 CSLは存在するのだろうか?

(文=木村好宏/写真=BMW)

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