第178回:世界の「GT4」ついに発表!俺の身近な“天才クン”の話(その2)

2004.12.20 エッセイ

第178回:世界の「GT4」ついに発表!俺の身近な“天才クン”の話(その2)


第178回:世界の「GT4」ついに発表!俺の身近な“天才クン”の話(その2)

■ドライブからカーライフへ

前回からの続き)
まず驚いたのは盛り込まれた新しさ、つまり革新性だ。正直、3作目でも“ドライビング・シミュレーター”としては十分にやり尽くした感はあり、俺のなかでは「これからどーすんだろう?」とさえ思っておりました。で、本人に「次はどうなるの?」と聞くと「クルマ好きの街をつくりたい」というお答え。なんかわかったような、わからないような……。そしたら、GT4の予告を見てやっとわかりましたね。「ああ、こういうことがやりたかったのね」と。

そう、GT4は“ドライビング・シミュレーター”から“カーライフ・シミュレーター”に進化したのだ。具体的にはやってもらうのが一番だけど、一般的には今回加わった「Bスペック」という、ディレクターモードが新しいとされている。つまり、レースゲームにドライバーとしてではなく、監督として参加できるモードのこと。これはたしかに新しい。でも、個人的には「フォトモード」に一番わかりやすく、彼の趣味が表れてると思いましたね。

次期社長ともウワサされる、ソニーの久夛良木健副社長(ソニー・コンピュータエンタテインメントの社長兼CEOでもある)も来てた。先輩と後輩、父と息子みたいな関係だったのね〜。
第178回:世界の「GT4」ついに発表!俺の身近な“天才クン”の話(その2)

■“見る”もまた楽し

要するにさ、クルマの楽しみって果てしなく広くて深いワケよ。一番大きなものは「運転」。やっぱこの身体感覚というか、走る、曲がる、止まるという行為がクルマの楽しみの根源でしょう。で、前3作でもソイツはしっかり押さえられてたけど、GT4では飛躍的な進化を遂げている。
それから「レース」という競争行為自体はもちろん、レース全体を通じて行う戦略的な駆け引きも面白い。そういう意味でディレクターモードはそれを特化し、純粋培養したものともいえる。これも凄い。

でもさ、このフォトモードってのはさらにユニーク。ユニークかつ、鋭いところを付いていると思う。というのもクルマには、走ったり競わせたりする楽しみ以外に、「見る」という要素を欠くことができないからだ。
GTシリーズは初代から、リプレイモードで見ることをエンターテイメント化していたが、それをさらに進めるにはどうすればいいのか。コンクールデレガンスみたいにして、クルマをイッキに見せるのか、それともユーザーにクルマをデザインさせるか……。

これがフォトモード。写真ヘタですいません。
第178回:世界の「GT4」ついに発表!俺の身近な“天才クン”の話(その2)

そう。そのなかに、クルマの写真を撮るという手があったのだ。ロケ地を決め、クルマの位置を決め、背景と連動させてアングルを決め、レンズを決め、焦点距離を決め、露出を決め、シャッタースピードを決める。その他もろもろ一連の写真撮影という作業を通じて「クルマを見る喜び」をゲーム化するという、まあなんていう巧妙な手法。

この辺のくくり方に、彼の天才性が現れてると思いましたね。ゲームができ上がって、操作してみると「なるほどそういうことか」なんだけど、俺は実際に見るまで思いもよらなかった。しかも、最近のデジカメ用プリンターのクオリティアップなども計算して商品化する用意周到さ。まさに“コンピュータ世代”かつ“クルマ好き”の天才だと思う。(続く)

(文と写真=小沢コージ/2004年12月)

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小沢 コージ

小沢 コージ

神奈川県横浜市出身。某私立大学を卒業し、某自動車メーカーに就職。半年後に辞め、自動車専門誌『NAVI』の編集部員を経て、現在フリーの自動車ジャーナリストとして活躍中。ロンドン五輪で好成績をあげた「トビウオジャパン」27人が語る『つながる心 ひとりじゃない、チームだから戦えた』(集英社)に携わる。 ホームページ:『小沢コージでDON!』