第177回:世界の「GT4」ついに発表!俺の身近な“天才クン”の話(その1)

2004.11.29 エッセイ

第177回:世界の「GT4」ついに発表!俺の身近な“天才クン”の話(その1)

東京・神宮外苑にある絵画館前広場で開催された、グランツーリスモ4の完成披露会。
第177回:世界の「GT4」ついに発表!俺の身近な“天才クン”の話(その1)

■世界一の自動車メディア

天才の話はいつしてもイイものである。きらめく才能は、見るだけでなく、話すだけでキモチよくなる。イチローが話題になるのはそのせいだもんね。べつに日本国民の大半がメジャーなベースボールを好きなわけじゃなく、イチローが活躍するから見たいだけ。要するに彼は今や“日本国民の息子”なんだよね。愛する息子の活躍はいつだって見たい。多少ヒネくれてようが、生意気であろうが、見たいもんは見たい。それだけの話である。そういうマインド。

で、俺にも幸運なことに身近に天才クンがいる。その名も山内一典。知る人ぞ知る男で、知名度ではイチロー、中田とは比べようもないし、本人はおそらく「天才」と呼ばれることを拒否するだろうが、その実績は果てしなく凄いのだ。
というのも、彼がつくったプレイステーション用ソフト、『グランツーリスモ』シリーズは、世界トータルでの販売枚数がざっと3661万本! 大雑把にコレまで3作つくったから、一作につき約1200万枚を販売したことになる。

ポリフォニーデジタルプレジデントの山内一典氏と。
第177回:世界の「GT4」ついに発表!俺の身近な“天才クン”の話(その1)

■進化するほどに伸びる

これがいかに凄いことかご存知か!? ジャンルはちょっと違うが、宇多田ヒカルのアルバムで一番売れた『ファーストラブ』が約800万枚、ホイットニー・ヒューストンのデビューアルバムが、たしか2000万枚。無論、ゲームソフトと音楽ソフトでは性格がかなり違うが、嗜好品という意味では一緒。グランツーリスモは、それらにまったく遜色がない。
しかも一番凄いのは、これらが1作目、2作目、3作目とくるに従って、落ちるどころか伸びる傾向があることだ。それも海外で特に伸びている。
大抵のアーティストは最初の作品で「引き出し」を使いきってしまうと、次はクオリティが落ちる。映画もそうだよね。2作目は1作目よりつまらなくて、3作目は2作目よりつまらない。それが普通。
が、グランツーリスモにはその常識が当てはまらない。いわゆる作家性で勝負する商品ではなく、“リアル”さを競う作品ということもあるのだが、これはかなり恐ろしい。要するに、稀に見る“成長するソフト”なのである。

その最新作、2004年12月に発売が決定した『グランツーリスモ4』の発表会に行ってきました。でね、これがまた驚きだったのよ。実は俺、当の山内君とは毎月ある雑誌で対談があり、それなりにゲームの開発状況はわかっているつもりだったのだが、ぜんぜん判ってませんでした。ガハハのハ。
発表会でわかったんだけど、今回のGT4は、彼の趣味の世界の広がりを思わせます。ある意味、作家性は広がっていると感じさせられましたね。(続く)

(文と写真=小沢コージ/2004年11月)

この記事の大きな画像を見るためには、画像ギャラリーをご覧ください。

小沢 コージ

小沢 コージ

神奈川県横浜市出身。某私立大学を卒業し、某自動車メーカーに就職。半年後に辞め、自動車専門誌『NAVI』の編集部員を経て、現在フリーの自動車ジャーナリストとして活躍中。ロンドン五輪で好成績をあげた「トビウオジャパン」27人が語る『つながる心 ひとりじゃない、チームだから戦えた』(集英社)に携わる。 ホームページ:『小沢コージでDON!』