第175回:新作「フォーフォー」について“スマート教”信者からひと言 これは一種の踏み絵です 前編

2004.11.29 小沢コージの勢いまかせ!

第175回:新作「フォーフォー」について“スマート教”信者からひと言 これは一種の踏み絵です 前編

■欠点があるからイイ

俺に言わせればスマートに乗るという行為は、一種の宗教活動である。といっても2人乗りの「フォートゥ」、100歩譲って2人乗りの「ロードスター/クーペ」に限ってだけどね。というのも、あれは「2人乗りのクルマに乗ることで全世界を幸せにしよう」という一種の“世界革命”キャンペーンだからだ。
全長わずか2540mm、全幅1515mmなのに、衝突安全性は見方によってはSクラスと同等。そういうクルマに乗ることにより、世界的な環境問題、あるいは渋滞問題をイッキに解決しようという崇高な理想の下に生まれたクルマなのである。

でね。実際、俺も今年初めに「スマートK」を買った“スマート教の信者”なんだけど、まさに毎日お経か聖書でも読んでるようなんですよコレが。
正直、クルマとして完璧ではない。長年の懸案であるセミATのギクシャクは未だバリバリ残っているし、下から生えてるキノコペダルも扱いづらい。ハンドリングが気持ちいいとも、けっしていえない。

でもね。その他、欠点を含め、いや、欠点があるからこそ愛せる部分がある。というのもすべてのタッチ、概念が画期的に軽く、新しいからだ。ヘンテコリンだがキュートなスタイル、ドラム缶に入ってるかのような強烈剛性感の「トリディオン・セーフティセル」、チャリチャリいうオモチャのようなエンジン、動力伝達効率だけがよさそうなセミAT……。未完成なところが逆に「俺って新しいことしてる!」気分を倍増させ、非常によろしい。

気分的にはダイエットにハマったリベラルな都会人! って感じだよね。ムダな肉を取り去り、毎日ヘルシア緑茶を飲んで、早朝多摩川土手を走ってるような。実際スマートでするドライブ、特に晴れた冬の朝のドライブなんて気持ちいいもんです。(後編に続く)

(文と写真=小沢コージ/2004年11月)

【スペック】
1.5:全長×全幅×全高=3790×1685×1460mm/ホイールベース=2500mm/車重=1060kg/駆動方式=FF/1.5リッター直4DOHC16バルブ(109ps/6000rpm、14.8kgm/4000rpm)/価格=228.9万円
【スペック】
	1.5:全長×全幅×全高=3790×1685×1460mm/ホイールベース=2500mm/車重=1060kg/駆動方式=FF/1.5リッター直4DOHC16バルブ(109ps/6000rpm、14.8kgm/4000rpm)/価格=228.9万円
 
第175回:新作「フォーフォー」について“スマート教”信者からひと言 これは一種の踏み絵です 前編の画像
 
第175回:新作「フォーフォー」について“スマート教”信者からひと言 これは一種の踏み絵です 前編の画像
小沢 コージ

小沢 コージ

神奈川県横浜市出身。某私立大学を卒業し、某自動車メーカーに就職。半年後に辞め、自動車専門誌『NAVI』の編集部員を経て、現在フリーの自動車ジャーナリストとして活躍中。ロンドン五輪で好成績をあげた「トビウオジャパン」27人が語る『つながる心 ひとりじゃない、チームだから戦えた』(集英社)に携わる。 ホームページ:『小沢コージでDON!』

関連記事
  • ルノー・トゥインゴ インテンス/スマート・フォーフォー ターボ(後編)【試乗記】 2016.10.11 試乗記 「ルノー・トゥインゴ」と「スマート・フォーフォー」、国籍もメーカーも違うコンパクトカーだが、この新型から基本構造を共有する“兄弟車”になったのはご承知のとおり。後編はトゥインゴとフォーフォーを乗り比べ、それぞれの特徴を明らかにする。
  • ルノー・トゥインゴ インテンス キャンバストップ(RR/6AT)【試乗記】 2016.9.14 試乗記 パリジャン&パリジェンヌはシンプルで合理的なクルマがお好き? ルノーのAセグメントコンパクト「トゥインゴ」が3代目にフルモデルチェンジ。RRの駆動方式がかなえる走りと、このクルマならではの魅力をリポートする。
  • ルノー・トゥインゴ ゼン(RR/5MT)【試乗記】 2017.1.6 試乗記 「ルノー・トゥインゴ」に追加されたエントリーグレード「ゼン」の、自然吸気エンジン+5段MTモデルに試乗。ベーシックであることを突き詰めたフレンチコンパクトには、普通であることの素晴らしさが凝縮されていた。
  • ケータハム・セブン スプリント(FR/5MT)【試乗記】 2017.5.1 試乗記 「ロータス・セブン」の魅力を今日に伝える「ケータハム・セブン」に、“オリジナル・セブン”の誕生60周年を祝う限定モデル「セブン スプリント」が登場。クラシカルなデザインとプリミティブな走りがかなえる唯一無二の魅力に触れた。
  • フェラーリGTC4ルッソ(4WD/7AT)【試乗記】 2017.5.8 試乗記 ユニークなシューティングブレークボディーをまとう「フェラーリGTC4ルッソ」に試乗。6.3リッターV12エンジンが発する咆哮(ほうこう)に浴すれば、この異形のフェラーリが、正統派の系譜にあることがすぐに理解できるだろう。
  • アペリティフ365 in東京の会場から 2017.5.19 画像・写真 東京・渋谷区の代官山ヒルサイドテラスで、「アペリティフ365 in東京」が開催された。フランス人が好むとされる、食事の前に飲み物とアミューズ(おつまみ)を楽しむ“アペリティフ”という習慣を、日本でも楽しもうというイベントである。会場の様子を写真でリポートする。
  • ポルシェ911 GT3(RR/7AT)/911 GT3(RR/6MT)【海外試乗記】 2017.5.22 試乗記 ピュアなレーシングカーである「ポルシェ911 GT3カップ」譲りの4リッター水平対向6気筒エンジンを得て、一段とサーキットに近い成り立ちとなった新型「911 GT3」。その実力を南スペインで試した。
  • アバルト595(FF/5AT)【試乗記】 2017.5.19 試乗記 FCAが擁する高性能スポーツブランド「アバルト」のラインナップにおいて、最もベーシックなモデルとなるのが「595」である。刺激的な走りと門戸の広さを併せ持つAT仕様に試乗し、“さそり印”のスポーツカーに受け継がれる伝統に思いをはせた。
  • アウディQ2ファーストエディション(FF/7AT)【試乗記】 2017.5.18 試乗記 アウディのSUVファミリーである「Qシリーズ」に、最もコンパクトな「Q2」が登場。「今後の販売の柱」と位置づけられるニューモデルの実力を、装備充実の1.4リッターモデルで確かめた。
  • フォルクスワーゲンhigh up!(FF/5AT)【試乗記】 2017.5.17 試乗記 「フォルクスワーゲンup!」が初のマイナーチェンジ。内外装ともにリフレッシュされた、“末っ子”の使い勝手をテストした。走らせて一番快適だったのは、小さなボディーとは結びつかない意外な場所だった。 
ホームへ戻る