第173回:決定!日本カーオブザイヤー 個人的にはちょっと残念ですな

2004.11.12 エッセイ

第173回:決定!日本カーオブザイヤー 個人的にはちょっと残念ですな

 
第173回:決定!日本カーオブザイヤー 個人的にはちょっと残念ですな
2004年のイヤーカー「ホンダ・レジェンド」。前後のみならず、左右に駆動力を配分してクルマを“曲げる”、「SH-AWD(Super Handling All-Wheel-Drive)」を搭載する。レジェンドは、同時に「Most Advanced Technology」も受賞した。
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2004年も遂に“年グルマ”、日本カーオブザイヤーが決まりました。不肖、小沢コージも選考委員なるものをやらせていただいて、小淵沢で投票というか、配点をさせていただきました。ありがとうございました。でね、今年のイヤーカーは「ホンダ・レジェンド」に決定しました! うーむ、おめでとうございます&ちょっと残念ですね、個人的には。

「セドリック/グロリア」の後継たるFRラージセダン「日産フーガ」。
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“ゼロクラウン”を標榜して走りに磨きをかけた、「トヨタ・クラウン」と「クラウンマジェスタ」。
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というのもね。レジェンドの久々の“ホンダらしさ”にはたしかに感動したのよ。最近の「オデッセイ」や「エリシオン」もそうだけど、“らしさ”は確実に戻ってきてる気がします。今度、新型レジェンド、インプレッションに詳しく書きますけど。
ただねぇ。俺、単純に高級車としては正直、あんまり買わないだろうなぁと思ったのね。“個性派”や“ホンダ党”にはいいけれど。
つまり、高級車としては他にイイのがいっぱいある。っていうかあり過ぎる。具体的には輸入車とかね。あえて率直に言うとそういう表現になります。

そういう意味では「日産フーガ」も個人的にはどうかな? 美しいし、走りも悪くないけどインパクト不足だと思う。「クラウン/クラウンマジェスタ」は難しいところだよね。走りの楽しさを謳いつつ、ことステアリングフィールはトヨタならではの部分も残っていて、そこがいいといえばイイのだが、個人的に好みでない。やはりオヤジくさい。

コンパクトカー(というほど小さくないが)の定番、「フォルクスワーゲン・ゴルフ」(左)と、ミニバン「ゴルフトゥーラン」。
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作り込まれたデザインがウリの軽自動車「スバルR2」。
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でですね、俺の配点を申しますと……

「フォルクスワーゲン・ゴルフ/ゴルフトゥーラン」 10点
「日産フーガ」 7点
「スバルR2」 4点
「トヨタ・クラウン/クラウンマジェスタ」 3点
「ホンダ・レジェンド」 1点

で、一応満足です。最初は日本カーオブザイヤーなんだから輸入車をトップにするのはどうかな? とも思ったんだけど、どうしようもないことに、俺が積極的に推したい国産車がイヤーカーレースの予選である「10ベストカー」に入ってない! 本当は「トヨタ・ポルテ」、「ホンダ・エディックス」あたりが気に入っていたのだ。安いし、画期的だし、面白いしね。日本ならではのアイデアを感じます。

アグレッシブなアウディの先鋒「A6」。
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こんなものまで用意してました。
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■高級車はムズカシイ

だいたいにして、国産セダンって、今やちょっとツラすぎるじゃないですか。やっぱり輸入車とは差が大きく開いてると思うんだよね。
「だからこそイヤーカーに!」ってことでみなさんも推したんだとは思うけど、もうちょっと実力が備わってから評価した方がいいのでは? というのが俺の意見である。
レジェンドもフーガも、BMW、ベンツに比べて「これがあるから乗りたい!」と、心の底から思えるものがあまりない。他のライバルを押しのけて「俺はこれに乗る!」というほど、強烈で揺ぎない個性が育ってないというか。

コンパクトカーに“上質さ”を与えた「マツダ・ベリーサ」は、「Most Value」を受賞した。
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BMWは後輪駆動しかつくらない。Cセグメントでもそのポリシーを貫く「BMW 1シリーズ」は、「Most Fun」に輝いた。
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っていうかそれってホント、1回、2回のモデルチェンジじゃ作れないものだと思うのよ。だからしょうがないことだし、恥じるべきことでもなんでもない。
だって高級車ってまさしく“ブランド”じゃないですか。そういう意味ではレジェンドもフーガもまさにこれからであって、クラウンはもはや揺ぎ無いけど、超ドメスティックカーでしょ。日本限定ってとこがツラい。将来、中国でバカ売れしたら話変わってくるけど。
それに比べて、メルセデスベンツ、BMW、ジャガー……。どれもマネできない個性があって強くて凄いよね。5年、10年じゃ追いつかないレベル。
でもそれくらい高級車ってのは難しいジャンルであり、難しくてもいいと思うのです。だから挑戦しがいがあるんじゃないですか。

でね。それに比べてゴルフは凄いと思った。正直、ステアリングフィールやブレーキのかっちり感、スタイリングに関する“ゴルフっぽさ”は、たしかに薄れたのよ。しかし、ボディ製造に多大なコストと技術を必要とする、レーザー溶接を多用し、クルマの一番キモであるボディ剛性を上げ、安全性を上げ、静粛性を上げ、リアシートの居住性をよくし、トランクを広くしたのは、まっとうな進歩だと思いました。デカくなったのがツラいけどね。時代の変化だからしょうがない。なにより、一番のよさは価格。値上がりしたヨーロッパとは逆に、日本では実質据え置き、もしくは一部下がったのだ! だから日本カーオブザイヤーでもいいのかな? と。
だから次点には入ったみたいですけどね。いやー、惜しかったですねぇ〜、フォルクスワーゲングループジャパンの方々! 特に結婚した“池ちゃん”!? 今度、お祝いカラオケしましょうね!

(文と写真=小沢コージ/2004年11月)

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小沢 コージ

小沢 コージ

神奈川県横浜市出身。某私立大学を卒業し、某自動車メーカーに就職。半年後に辞め、自動車専門誌『NAVI』の編集部員を経て、現在フリーの自動車ジャーナリストとして活躍中。ロンドン五輪で好成績をあげた「トビウオジャパン」27人が語る『つながる心 ひとりじゃない、チームだから戦えた』(集英社)に携わる。 ホームページ:『小沢コージでDON!』