Fニッポン最終戦、トレルイエ今季2勝目、王者はライアンに決定!

2004.11.08 自動車ニュース

Fニッポン最終戦、トレルイエ今季2勝目、王者はライアンに決定!

2004年11月7日、全日本選手権フォーミュラニッポンの最終戦が、三重県・鈴鹿サーキットにて開催された。
レースは、ポールポジションスタートのリチャード・ライアンと、予選2位のブノワ・トレルイエの一騎打ちとなり、2台同時のピットインを制したトレルイエがそのまま逃げ切り、今季2勝目を挙げた。

2位には予選9位から奮闘した井出有治。ライアンは残り2周で井出にかわされ3位となったが、念願の2004年シリーズタイトルを手に入れた。

■ライアン、スペシャルステージで今季5度目のPP獲得

アンドレ・ロッテラーかライアン、あるいは井出――。最終戦を迎え、今季の王者になる可能性を持つドライバーはこの3人。当然ながら、予選順位が勝敗の鍵を握ることとなった。

今回はスペシャルステージ(SS)方式が採用され、予選上位10位のドライバーは、各自計測2周のアタックを行う。王者候補の3人は井出が10番手、ロッテラーは6位、ライアンはトップで予選を通過。SSへと駒を進めた。

午後3時、SSがスタート。気温も21.6度と申し分ないコンディションのなか、予選10位の選手から順番にタイムアタックが始まった。
真っ先にアタックを行った井出は、マシンを合わせ切れずにアタック終了。5番目にコースインしたロッテラーもストレートスピードが伸びず、自らの予選タイムを下回る。
これに対し、ラストアタッカーを務めたライアンだけが自身も納得できる走りを見せ、今季5度目となるポールポジションを獲得。逆にロッテラーが8位、井出は9位に甘んじた。

■ホールショットはライアンが死守

決勝では、タイトルの行方を巡る攻防戦もさることながら、今季最後の一戦に賭けるドライバーの執念と意地を垣間見ることができた。

午後2時30分、おだやかな秋空の下、46周にわたる決戦の火蓋が切って落とされる。4番手スタートの本山哲がスタートダッシュに成功、フロントローの2台の間隙を突く勢いを見せる。が、辛くもライアンがホールショットを取り、トレルイエ、本山のオーダーとなる。
一方、井出は7位とジャンプアップを果たしたが、逆にロッテラーは13番手までドロップ。ペースの上がらないマシンに行く手を阻まれたため、早めのピットイン戦略を採って逆転のチャンスをうかがった。

付かず離れずの攻防戦を展開するトップ2台に新たな動きが出たのは、19周目。トップのライアンがピットに向かうと、トレルイエもこれに続く。ライアンは17.5秒、そしてトレルイエは15.6秒で作業終了。ライアンに対し、1コーナー寄りにピットがあるトレルイエは、ライアンの鼻先をかすめるようにしてコースに復帰。順位を入れ替えて後半戦を闘うことになった。

■猛チャージの井出は、終盤の追い上げ実り、2位獲得

大半のマシンがピットインするなか、トップに立った井出。視界良好となったコースをハイペースで周回し、見えない敵とのタイム差を詰めていく。

30周を終え、井出はようやくピットイン。ライアン、トレルイエ同様、4本のタイヤ交換とガス補給を14.9秒という速さで終え、4位の好位置でレースに戻った。
前方には、エキゾーストトラブルでペースの上がらない脇阪寿一。36周目のシケインで、サイド・バイ・サイドを制して逆転、3位に浮上する。
また、40周目にはペースが上がらない2位ライアンとの差も7秒強から約3秒まで縮まり、井出の猛追がさらに加速する。

このころ、トップのトレルイエはほぼ独走態勢。ピットインの際、温存していたニュータイヤを装着し、ライアンに対して10秒以上のマージンを築いていた。
逆にライアンはタイヤの内圧が上がらずペースアップも叶わない。さらに残り4周で、3位井出との差はついに1秒を切る。
勢いに乗る井出は、43周を終えたメインストレートでライアンのスリップにつき、1コーナー進入でイン側に飛び込む。翼端板が接触するほどの緊迫した攻防戦に井出が競り勝ち、2位へと浮上した。

■僅差のポイントを巡るタイトル争いは?

タイトル争いに絡む3人のうち、ポイントでリードするロッテラーは、このとき7位。このままチェッカーとなれば、ライアンの王者が決定する。
だが、ロッテラーは前の本山を猛襲。逆転に成功すれば、タイトルが転がり込む。さらに、着目すべきはトップ2台が同チームであるという点だ。チームオーダーが出て、かつロッテラーが7位で終わればタイトルは井出のもの。レースは、チェッカーまで僅か2周を残し、監督の采配とドライバーの奮闘が入り乱れた展開となった。

緊張の糸が切れたのは、セミファイナルラップ。ロッテラーが勢い余ってS字でコースアウト。6位入賞のチャンスが途絶える。さらに、トレルイエと井出の監督である星野一義は、チームオーダーを出さずに勝敗の行方を見守った。

結局、トレルイエがそのまま逃げ切って今季2勝目となるチェッカードフラッグを受け、井出が2位。ライアンが3位でレースを終え、今シーズンのチャンピオンに輝いた。ライアンは、参戦4年目にして、初めてシリーズチャンピオンを獲得した。
7位でレースを終えたロッテラーは総合獲得ポイントでライアンと並んだが、最終戦を無得点で終わったため、2位に甘んじた。
3位には、井出。その差1点という激戦を展開し、今シーズンのフォーミュラニッポンが閉幕した。

(文=島村元子/写真=KLM Photographics J)

 
Fニッポン最終戦、トレルイエ今季2勝目、王者はライアンに決定!の画像

スタートの模様。ポールポジションスタートのライアンが辛くもトップを守り、鈴鹿サーキットの1コーナーへ飛び込んだ。
 

	スタートの模様。ポールポジションスタートのライアンが辛くもトップを守り、鈴鹿サーキットの1コーナーへ飛び込んだ。
	 

序盤、ライアン(前)を追い立てるブノワ・トレルイエ(後)。やや距離を置きながら周回を重ね、同時にピットに飛び込んだ後、トレルイエが逆転に成功した。
 

	序盤、ライアン(前)を追い立てるブノワ・トレルイエ(後)。やや距離を置きながら周回を重ね、同時にピットに飛び込んだ後、トレルイエが逆転に成功した。
	 

DoCoMo TEAM DANDELION RACINGの村岡潔チーム代表とチャンピオン獲得を喜ぶライアン。
 

	DoCoMo TEAM DANDELION RACINGの村岡潔チーム代表とチャンピオン獲得を喜ぶライアン。
	 

ゴール後、タイトルを逃した井出有治は、悔し涙を流していた。
 

	ゴール後、タイトルを逃した井出有治は、悔し涙を流していた。
	 

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