ザナヴィニスモZ、序盤の混乱から優勝、タイトルに王手

2004.11.01 自動車ニュース
 

ザナヴィニスモZ、序盤の混乱から優勝、タイトルに王手

2004年10月31日、シーズン終盤を迎えた全日本GT選手権の第6戦決勝レースが、大分県のオートポリスで行われた。
ポールポジションからスタートしたNo.38 auセルモスープラ(立川祐路/荒聖治組)は、スタート直後に他車との接触で大きく後退。一度はポジションを下げたものの、激しいトップ争いに加わったNo.1ザナヴィニスモZ(本山哲/リチャード・ライアン組)が今シーズン2勝目をあげ、シリーズタイトルに王手をかけた。
GT300クラスでは、PPスタートのNo.7雨宮アスパラドリンクRX7(山路慎一/井入宏之組)が、終始安定した速さを見せ、パーフェクト・ウィンを果たした。

 

■No.38の立川祐路、2年連続PP獲得

金曜日は、走行スケジュールの大半で雨に見舞われたが、土曜の予選は朝から青空が広がり、すっきりとした天気に恵まれた。
午前10時40分、ドライコンディションのもと、予選1回目がスタート。まわりの動向を見ながらコースインするマシンが多く、最初のターゲットタイムはNo.1の1分44秒105となった。
開始からおよそ10分、第2ヘアピンで2台のマシンが接触。そのうち、目の前でスピンしたマシンを避けきれずクラッシュしたNo.100 RAYBRIG NSX(中野信治/加藤寛規組)が、走行を諦めてピットインする一幕も見られた。

引き続き行われたGT500占有走行では、終了間際になってNo.6エッソウルトラフロースープラ(脇阪寿一/飯田章組)がタイムアップしてトップへ。だがその直後にNo.38が1分43秒725でこれを上まわり、暫定トップにつけた。

一方、GT300では、暫定トップのNo.80エンドレスダイシンアドバンZ(木下みつひろ/星野一樹組)の1分50秒601をはじめ、上位3台がコースレコードを更新する健闘を見せた。

予選2回目は午後2時50分からスタート。20分にわたるGT300、500両クラスの混走を経て、まずGT300の占有走行が始まった。

しばし膠着状態が続いたが、No.19ウェッズスポーツセリカ(青木孝行/谷口信輝組)が自己ベストタイムを更新したのを機に、タイムアップするマシンが次々とあらわれた。そのなかでも大幅にタイムを削ってきたのが、No.7雨宮アスパラドリンクRX7。1分50秒443という新たなコースレコードをマークし、今季2度目となるPP獲得を果たした。2番手は予選1回目のトップだったNo.80エンドレスダイシンアドバンZが、3番手にはNo.19ウェッズスポーツセリカが続いた。

GT500の占有走行では、暫定トップのNo.38がスピン、スポンジバリアに激しくぶつかってクラッシュするアクシデントに続き、No.100がスピンしてコース上に一旦ストップしたため、赤旗中断に。幸い、No.38、No.100ともに自力でピットにマシンを戻し、再度アタックのチャンスを得た。

この中断で、残されたセッションは9分。再開後、先を争うようにコースインしたマシンが次々とアタックを始めた。
ここでまずNo.25 ECLIPSE ADVANスープラ(織戸学/ドミニク・シュワガー組)が暫定総合トップに立つが、すかさずNo.1が逆転。引き続きアタックを続けるNo.25はさらにタイムを削るも、No.1のタイムには届かない。さらに大詰めを迎えてNo.6が1分43秒050でトップタイムを更新、そのままPP獲得が決定するかに思われた。
が、間髪おかずNo.38が1分42秒840で逆転。これでアタッカーを務めた立川の2年連続PPが確定し、2位にNo.6エッソウルトラフロースープラ、3位にはNo.1ザナヴィニスモZがつけた。

 

■波乱の幕開け、大渋滞のなかで繰り広げられた攻防戦

日曜午後2時、ダミーグリッドを離れ、ローリング走行でコースを1周してきたマシンが隊列を整えてメインストレートに戻り、あとはシグナル点灯を待つのみ。既にペースカーは退避していたが、シグナルが点灯せず。結果、1周見送って再びペースカーを導入。仕切りなおしのスタートを迎えた。これにより、レースは2周減算の63周で行われることになった。

スタート直後、1コーナーへの飛び込みまでにNo.1がポールのNo.38の横に並ぶ。イン側のラインを取ったNo.1と接触したNo.38はコースアウト、大きくポジションを落とした。同様にNo.1もポジションダウン。そのスキにNo.6が難なくトップを譲り受けた。だが、温まりが早いアドバンタイヤを装着するNo.25があっさりトップを奪取。No.6はパッシングを狙うが、そのチャンスがつかめない。
そうこうするうちに、後方のマシンもトップ2台に追いつき、縦一列で緊迫した攻防戦へと変貌。そのなかで真っ先にピットインしたのはNo.6だった。

24周目、No.6のピットインにより均衡が破られた上位陣の争いは、その後、ピットインを終えてコースインするマシンと、メインストレートを通過するライバル勢とが1コーナーを舞台にした熾烈なポジション争いへと発展した。

周回遅れの車両をかいくぐりながら、No.25がトップに立ち、No.1、No.6の2台がこれを追う。さらに40周を過ぎ、ペースが落ち始めたNo.25をNo.1が攻め立てる。そして43周目のS字でイン側を取り、No.25をパス。この後、No.1は勝利への道を進み、今季2勝目を果たした。

一方、2番手をキープしたいNo.25。終盤に入ってペースアップしてきたNo.6からのプレッシャーを受け、また、No.6もNo.39デンソーサードスープラ(ジェレミー・デュフォア/アンドレ・クート組)とのテール・トゥ・ノーズを展開し、3台がまさに一触即発状態となる。

すると54周目の第2ヘアピンで、No.6とNo.39が接触。No.6が単独スピンし、表彰台ゲットのチャンスを喪失した。No.39はこれで3位へと浮上。58周目には、2位No.25を捕らえて逆転。結局、このポジションのまま闘いを終えた。

 

■RX7がポール・トゥ・ウィンで今季2勝目を果たす

オートポリスとの相性のいいNo.7はスタートから安定した強さを披露。一方、タイトル争いが絡んだNo.43は、確実にポジションアップを果たしながら、中盤には2位までジャンプアップに成功した。

トップよりもひと足先にピット作業を終えていたNo.43は、ルーティンワークを終えてコースに復帰してきたNo.7を一時は射程距離にまで追い詰めるが、逆転までには至らない。逆に終盤に入ると、3位に浮上していたNo.77クスコスバルADVANインプレッサ(小林且雄/谷川達也組)が2位に迫る勢いを見せる。一時は周回遅れに行く手を阻まれたNo.43を逆転し、2位に浮上。だが、No.77も周回遅れに苦戦。最後まで息つく暇もない展開で見せ場をつくり、3位でチェッカードフラッグを受けた。

レースはNo.7が揺るぎない強さで、今季2度目の優勝。2位のNo43は、ポイント争いでついにNo.16M-TEC NSXを逆転。タイトル争いに向けて大きく前進した。

いよいよ最終戦を残すだけのJGTC。GT500はNo.1が今回の勝利でポイント面でも2番手のNo.39より断然有利な立場に。王手をかけた状態で鈴鹿に挑むことになった。

一方、GT300は後半に入ってNo.43が3戦連続で表彰台を獲得。波に乗った状態で最終戦を迎える。今季最後の闘いは11月21日、三重県・鈴鹿サーキットがその舞台となる。

(文=島村元子)

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