ルーキーはコレを買え! (日産キューブキュービック)


月刊webCGセレクション2006年4月号

ルーキーはコレを買え!





















「走りなんて興味ない」なら、心地よさを重視して!



日産キューブキュービック15M プレミアムインテリア(FF/CVT)
……195万6150円




仲間と遊びに行くためのクルマが欲しい――だからミニバンだ! というのは、ちょっと早合点かもしれない。フツウの選択なら、これからいくらでもできる。最初なんだから、どこかコダワリを持ちたい。

まさに個性のカタマリ

ホントはビギナーの最初の1台として選んでほしいのはロードスターのようなクルマだけれども、いくらそう言っても、そんなのゼンゼン興味ないという人は多いんだろうなぁと思う。『皆で遊びに行けるかもって思うからクルマが欲しいのに、なんでワザワザそんな不便なのを……』なんて具合に。

もちろん、それを否定しようなんてつもりは毛頭ない。そんな風に誰かとどこかへ行こうと思い立ったらそれをすぐに実行に移せることも、クルマを持つ嬉しさの大事な一要素なのだから。だけど、そこでもやっぱり自分なりのコダワリを持って選ぶということは忘れないでほしいと強く思う。だってフツウのミニバンなんて、これから先、イヤでも乗らなきゃいけないことになるかもしれないんだから。いま選ぶクルマは、やっぱりちょっとスパイスを効かせたい。

たとえば、この日産キューブである。そのオススメの理由は簡単。ズバリ、それはデザインがサイコーに飛び抜けていることだ。

写真を見てもらえば一目瞭然。敢えてくどくどと説明する必要なんてないかもしれないが、そのスタイリングはまさに個性のカタマリである。基本形は車名の通りの直方体がイメージ。フロントウィンドウの角度の立ちっぷりなんて、空気抵抗を強く意識した現代のクルマでは久しくなかったホドの大胆さだ。

けれど、それは単なる四角じゃない。角という角には微妙なアールがつけられて、四角いのに何だかやわらか。かと思えばフェンダーの張り出しが足元を力強く見せていたり、きわめつけとしてリアからの眺めが左右非対称だったりと、凝りに凝ったデザイン処理でシンプルなフォルムを際立たせて、その強力な個性を生み出しているのである。














【スペック】
全長×全幅×全高=3900×1670×1645mm/ホイールベース=2600mm/車重=1200kg/駆動方式=FF/1.5リッター直4DOHC16バルブ(109ps/6000rpm、15.1kgm/4400rpm)/価格=171万9900円(テスト車=195万6150円/キセノンヘッドランプ+FRフォグランプ=7万8750円/インテリジェントキー+シンプルナビゲーションシステム=15万7500円)




世界中から絶賛されるデザイン

実は僕自身、最初にこの姿を見たときには『なんじゃコリャ!』と、頭を抱えた。けれど眺めるたびに好きになって、今では日本車のデザインの最高傑作のひとつだと思っている。このスタイリングの衝撃は実は世界に飛び火しており、ヨーロッパやアメリカのメディアでも頻繁に取り上げられ、そして絶賛されている。残念ながら左ハンドルがなく、仮に作るとしても、左右非対称デザインだけに外板パネルをほとんど作り直さなければいけないこと、右ハンドルの国に出すにしても価格が高くなり過ぎてしまうことなどの理由で実現していないが、実は世界中のディーラーから本社に輸出の嘆願が入っているホドなのだ。

しかも、外観だけでなくインテリアだってすごい。デザイン家電のようなメーターまわりに厚みのあるソファ、絶妙なカラー設定の妙で、そこはまさに今時のカフェのようなゆったり気分の空間に。外観ともども、クルマは速そうに見えてナンボという昔の価値観からの脱却ブリは見事で、ここに居ると、案外自分ちの部屋よりも寛げてしまいそうな気がする。

とにかく、この内外装の素晴らし過ぎるデザインがキューブのオススメの理由である。ただし、できれば今回の撮影車であるキュービックではなく、素のキューブのほうがより良い。理由は、やはりこれも間延びしないデザインのカッコ良さである。どうせ友達をこの狭い3列目に乗せたらケンカになるに決まってるんだから、余程の理由がない限り、それは考えなくていいと言ってしまおう。

一応触れておくと、走りっぷりは甚だ平凡である。けれど、登場初期のモデルで気になった硬過ぎる乗り心地やクルマとの対話を拒む最悪なステアリングの手応えといったネガはあらかた解消されているから、フツウに気持ち良く走ってくれる。実用域を重視したエンジンの性能も十分で、特に街中では期待以上のキビキビした走りを堪能できるはずだ。

走りなんて興味ない、皆でワイワイ移動できる楽しさが欲しいだけ。もしそうだとしても、ならばクルマなんて何だって一緒、ではない。せっかくだから、その居心地の良い室内に潜り込みたくて、その姿を街のショーウィンドウに映し出したくて、ついついキーを持って出かけてしまう、そんなクルマをぜひ選んでほしい。このキューブは、そうなり得る素質十分の1台である。

(文=島下泰久/写真=高橋信宏/2006年5月)




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