めちゃ♥ モテ「ブレラ」の謎を解く (メルセデス・ベンツSLK)


月刊webCGセレクション2006年5月号

めちゃ♥ モテ「ブレラ」の謎を解く


















必要十分だけでは寂しい



メルセデス・ベンツSLK200コンプレッサー(FR/5AT)
……603万4350円

いまもなお強力なブランドオーラを放つ「メルセデス・ベンツ」からは、「ブレラ」に対抗するクルマとして「SLK200」が登場。メルセデス流儀の魅力はどこにあるのだろうか?

音が気にかかる

最初は「SLK350」だけから始まったSLKクラスだが、昨年、同じV型6気筒の3リッターエンジンを積む「SLK280」が、そして今度は直列4気筒1.8リッタースーパーチャージャーの「SLK200」が追加されて、ようやくラインナップの完成を見た。

このSLK200の車両価格は546万円。それこそ「ブレラ」ならば、463万円のスカイウィンドウ2.2JTSより、むしろ584万円のスカイウィンドウ3.2JTS Q4に近いその価格は、同じオープンの「BMW Z4 2.5i」が439万円で買えることや、SLK280との価格差が53万円しかないことなどを考えても、声を大にしてリーズナブルだと言えるほどのものかは微妙だ。しかし、スポーツモデルとしてではなく、カジュアルなオープンモデルとしてSLKに興味を抱いている人にとっては、やはり選択肢として魅力あるものと映ることは間違いないだろう。

当然気になるのは、そのエンジンによってSLKの走りがどんなふうに変わったのか、あるいは変わらないかなのだが、まず最初に感じたのはネガな部分だった。室内に侵入するエンジン音のボリュームが大きく、また音質自体もあまり気持ちいいものではなかったのだ。街中でも高速巡航中でも常用する2000rpm台中盤あたりから踏み込んだ時のグォーッという音の安っぽさには興ざめさせられるし、さらにエンジンを回せば、今度はスーパーチャージャー特有の高周波のノイズが耳に障る。
同じエンジンを積むCクラスでは、そんなことを感じたことは無いのだが……と思ってエンジンフードを開けると、運転席のすぐ前にはエグゾーストマニフォールドが位置していて、そこには特にカバーは無く、エンジンフード裏側にも遮音材の類が備わっていなかった。原因は、そのあたりにあるのかもしれない。












【スペック】
全長×全幅×全高=4090×1810×1290mm/ホイールベース=2430mm/車重=1440kg/駆動方式=FR/1.8リッター直4DOHC16バルブ・スーパーチャージャー・インタークーラー付き(163ps/5500rpm、24.5kgm/3500rpm)/価格=546万円(テスト車=603万4350円/スポーツパッケージ=33万6000円/本革シート&エアスカーフ=21万円/ETC=2万8350円)


他車に目移りするかも

乗り心地も、街中などではまったく問題無く、道が良ければフラット感も十分なのだが、うねりや段差を越える時など、稀にリアが思いのほか直接的に突き上げてくることがあった。サスペンション設定もタイヤサイズもSLK280と一緒なのに、なぜだろう?

と、そんなふうに気がかりなところはあるものの、基本的な資質の部分ではこのSLK200、十分なポテンシャルを見せるのも確かだ。エンジンはパワーもトルクも不足を感じさせることなく、音以外の面では十分満足いく性能を発揮しているし、バリオルーフを開けても閉めてもまったく変わらない剛性感をもたらすシャシーのおかげで、安心してハイペースを保てるフットワークにも、改めて感心させられる。オープン走行時の開放感はもちろん、ルーフを閉じた時のオープンカーとは思えないほどの密閉感も、お見事。そのバリオルーフが、クルマがちょっとでも動いていると開けるのも閉めるのも受け付けてくれないことにはもどかしさを感じるが、その頑固さもメルセデスの安全哲学だと考えれば、仕方ないというか微笑ましいとすら思えるというものだ。

ようするに、ベーシックな部分は非常に完成されていて、これで十分と思わせてしまうのが、このSLK200というクルマである。しかしその一方で、この手の、生活に彩りを添える役割を果たすクルマ、人に見せびらかしたいクルマが、必要十分というだけでは寂しいとも思う。だからこそ、気負い無く手を出せる存在と言い換えることもできるかもしれず、そういう人にとっては自分が昂揚できればそれでいいのかもしれない。

それをふまえて僕がSLKを選ぶなら、あとちょっとローン回数が増えたとしても、53万円を足して、圧倒的にスポーティかつ上質なフィーリングを実現した新しいV型6気筒エンジンを積むSLK280にするだろう。あるいは……いっそ、より価格の安いライバル車に、目移りしてしまうかもしれない。

(文=島下泰久/写真=峰昌宏/2006年5月)




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